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2006年7月例会 ・一般講演 1. 食餌制限ラットにおける下顎骨・脛骨骨密度の加齢変化と修飾要因 5. Histopathology of inner ear in the joggle mutant mouse and its gene mapping on chromosome 6 6. 沖縄で発見されたアルビノ様野生スンクスの遺伝様式と系統育成 7. 癌型Rasとp53機能喪失にの協調による多形型横紋筋肉腫の発生 8. 中枢神経,神経提細胞特異的な癌型N-Ras発現による神経線維腫症病態モデルマウスの作製 9. Pur-1遺伝子領域を導入したコンジェニックラットにおける蛋白尿発症 11. ヒメコミミトガリネズミCryptotis parvaの米国からの導入―齧歯目・ウサギ目以外の哺乳類の輸入とその経緯― |
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7. 癌型Rasとp53機能喪失の協調による多形型横紋筋肉腫の発生 |
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鈴木 昇,津村秀樹,斉藤浩充 (三重大生命セ・動物機能) 要約:ヒト横紋筋肉腫においては,高頻度にras癌原遺伝子の活性化型変異とp53癌抑制遺伝子の機能喪失型変異が認められる。私たちは,横紋筋肉腫発症と,これらの遺伝子変異との因果関係について,遺伝子改変マウスを作製して解析した。アダルトマウスにおいて,活性型ras遺伝子と不活性型p53遺伝子が協調的に作用して,多形型横紋筋肉腫を形成することを証明した。 方法と結果:まず,Cre/LoxPシステムを応用して,任意の時期と臓器に活性型K-ras遺伝子を強制発現できるマウスを作製した。交配によって,p53(+/+),p53(−/+),p53(−/−)の遺伝背景を導入した。これらの動物(8−10週令)の大腿の骨格筋に,活性型K-ras遺伝子の発現を誘導したところ,p53(−/+)とp53(−/−)の遺伝背景の場合においてのみ,多形型横紋筋肉腫が発生した。発生率は,p53(−/+)では誘導後15週にて40%,p53(−/−)では10週で100%であった。p53(−/+)遺伝背景で発生した腫瘍では,p53遺伝子座にヘテロ接合性消失(LOH)が認められた。p53(−/−)遺伝背景にて,誘導後3週の初期病変を調べた結果,幹細胞抗原(ScaI)を発現し,かつ,活発に増殖する筋形成の前駆細胞の異常増殖が認められた。 結語:多形型横紋筋肉腫モデルの開発に成功した。このモデルによって,さらに詳細な腫瘍形成過程の解析,ヒト多形型横紋筋肉腫の治療法の開発が可能となった。 Oncogene (2006 July)に掲載 |
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