学生・研修医の方へ
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当科の理念
キーワードは「発見」と「挑戦」、そして「誇り」と「幸せ」
医局員ひとり一人が、
日々の仕事のなかに新しい「発見」をして、
新しいことに「挑戦」をしていくことで、
仕事を通じて「誇り」と「幸せ」を感じられる教室であること。
そして、それは結果として、
医学の進歩への貢献と、患者満足度の高い医療の提供につながる。
当医局のビジョン
1. 「最高の人が働くにふさわしい最高の場所」である(人を惹きつける職場である)
2. すべてのスタッフが「自分のチーム」と思える職場である
3. 「やり甲斐」を感じ「働きやすい」場所である(ワクワクしてイキイキと働ける場所である)
(「やり甲斐」を感じる必要条件=「自分の仕事が人の役に立っている」と思え、「自分が職場でかけがえのない人材である」と思えること)
乳腺外科とは
名古屋市立大学 乳腺外科では、乳腺疾患(主に乳がん)の診断と、乳がんの治療(外科療法、薬物療法)を行います。消化器や呼吸器などの臓器には「内科」「外科」があるので、診断と外科治療は内科と外科がそれぞれ分担しています。しかし、一般に乳腺疾患を扱う「内科」というものはないため、乳腺外科が乳腺疾患を担当することになります(「乳腺内科」を標榜している施設もありますが、主に「化学療法を主体とした薬物療法」を担当しています)。言い換えれば、乳腺外科とは「乳房(乳腺組織)という臓器を扱う診療科」です。最近では「乳腺外科」ではなく「乳腺科」という名称を標榜している施設も多くなってきました。
日本における乳がん罹患者数は増加の一途を辿っています。このような社会的なニーズに応える形で、2004年10月に「日本乳癌学会 乳腺専門医」の制度ができました。しかし、専門医の数は患者数の増加に追いついていない状況であり、「日本乳癌学会 乳腺専門医」の社会的なニーズはとても大きいものがあります。これは、皆さんが習得した知識や技能を生かせる場が大いにあるということを意味しています。
乳腺外科医は、上述したように、乳腺疾患の診断(マンモグラフィの読影など)、乳腺疾患の外科療法、乳がんの薬物療法、乳がん患者の終末期医療など、その診療範囲は非常に広いため、見方を変えれば、自分自身のライフスタイルの変化に応じて、仕事の内容を選ぶことも可能と言えます。例えば、女性医師であれば、子育てに忙しいときには、外科から離れて、乳腺疾患の診断(マンモグラフィの読影など)だけに専念するという選択肢も可能です。
名古屋市立大学 乳腺外科学分野の歴史と近況
名古屋市立大学 外科 乳腺グループには、旧第二外科および腫瘍・免疫外科の時代を通して40年ほどの歴史がありますが、2016年6月1日に、名古屋市立大学大学院医学研究科 乳腺外科学分野が新設され、ひとつの新しい外科学教室として出発しました。
名市大外科乳腺グループは、1980年初頭に、小林俊三先生(旧第二外科学講座 助教授)がその礎を築かれました。小林先生は、早くから、外科学の研究に「分子生物学」の手法を取り入れられ、乳癌の分子メカニズムを探求する外科医として、乳癌の臨床・研究において日本の先駆者でありました。その小林先生の研究を、岩瀬弘敬先生(前 熊本大学大学院 乳腺・内分泌外科分野教授)が、そのあと、山下啓子先生(前 北海道大学大学院 乳腺外科学分野教授)が引き継ぎ、現在は、遠山竜也先生が乳腺外科学分野の教授として、診療・研究の指導にあたっています。
当科は、最近全国的にみても非常に多くの新入局員(平均2-3名/年)を迎えており、近年さらに活気づいています。そのような中で、若手医師の間でもお互いに切磋琢磨し、学んでいく風土がこれまで以上に育っています。
新入局員の出身大学はさまざまであり、名市大出身者が1/3,他大学出身者が2/3という状況です。現在の医局のスタッフも出身大学はさまざまです。出身大学の違いは当科では何ら障壁になりません。
名古屋市立大学 乳腺外科の主な関連病院
施設名 |
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愛知県がんセンター |
名古屋市立大学医学部附属西部医療センター |
名古屋市立大学医学部附属東部医療センター |
トヨタ記念病院 |
刈谷豊田総合病院 |
豊川市民病院 |
名古屋第一赤十字病院 乳腺センター |
名古屋徳洲会総合病院 |
JA愛知厚生連 知多厚生病院 |
JA愛知厚生連 稲沢厚生病院 |
蒲郡市民病院 |
名古屋市立大学 乳腺外科学 研修制度とキャリアプラン
(1)キャリアプラン
新専門医制度が始まり、最短で卒後6年目に日本外科学会・外科専門医、卒後7年目には日本乳癌学会・乳腺外科専門医を取得できるようになりました。
名古屋市立大学乳腺外科の連携施設も県内各地に多数あり、各々の希望に合わせた研修が可能です。
また、名古屋市立大学乳腺外科では卒後6~8年目を目安に大学院での研究を開始し、医学博士の取得を目指します。
当科では様々な背景の医師が活躍しており、海外学会への参加や海外留学なども可能です。もちろん、家庭と両立しながらのキャリアアップも応援します。
(※1)最短の場合。3年間のうち6か月以内であれば、研修を休止してもこのタイミングで受験可能。
(※2)最短の場合。外科専門医と異なり、研修休止期間がある場合は7年目での受験ができない可能性あり。
(2)初期研修(2年間)
名古屋市立大学病院初期研修プログラムを利用されても、それ以外のプログラムを選択されてもかまいません。詳しくは、名市大初期研修の関するホームページ、または、名古屋市立大学病院 総合研修センターのFacebookをご覧ください。
名市大乳腺外科に関連する名市大以外の初期研修プログラム例:
など
(3)後期研修(外科専門研修専攻医、3年間)
初期研修を終了したのち、外科領域専門プログラムに入って外科専門研修専攻医として3年間外科の修練を積んで頂きます。名市大乳腺外科関連では、名古屋市立大学病院外科専門研修プログラム・名古屋市立大学医学部附属西部医療センター外科専門研修プログラム・刈谷豊田総合病院外科専門研修プログラムがあります。
※2018年から新専門医制度が始まり、3年間で2か所以上の病院での研修が必要となりました。
- 基幹病院で半年以上
- それぞれの研修期間や研修病院については要相談
- 新専門医制度については「日本専門医機構」のHPを参照ください。
その後、基盤学会である日本外科学会「外科専門医」を取得します。その次に、「乳腺専門医」を取得して頂きます。
乳腺の専門医として仕事をしていくうえで、消化管や呼吸器疾患の基本的手技を習得することは非常に有益です。例えば、乳がん胸膜播種で胸水に対する処置をするとき、呼吸器外科で学んだ技術を生かせます。
外科専門医取得に必要な条件
診療経験
外科専門医制度修練施設において以下の手術を経験して頂きます。各領域の症例数は術者または助手として経験する手術手技の最低症例数を示します。
- 最低手術経験数 350例
- 術者として 120例
- 消化管及び腹部内臓 50例
- 乳腺 10例
- 呼吸器 10例
- 心臓・大血管 10例
- 末梢血管(頭蓋内血管を除く) 10例
- 頭頚部・体表・内分泌外科 10例
- 各臓器の外傷(多発外傷を含む) 10例
- 鏡視下手術(腹腔鏡、胸腔鏡を含む) 10例
- 小児外科 10例
(4)後期研修終了後の進路について
5年間(場合によってはそれ以上)の研修終了後の進路について説明します。
研修終了後は、博士号を取得するために大学院(乳腺外科学分野)に入学して頂き、名市大乳腺外科学分野にて研究と診療を行うことを基本としています。
最近のがん診療の進歩はめざましく、様々な薬剤が開発されてきました。これらの薬剤を、適した患者さんに、適した時期に、適した用量で使用するためには、単に薬剤の添付文書の知識だけでは不十分であり、その薬剤の分子メカニズムを十分に理解しておく必要があります。乳がん診療に対するモチベーションを高めるにも、診療のバックグラウンドとなる基礎知識を理解しておくことは非常に大切です。大学院での研究指導体制は整っていますので、全く研究の素養がなくても心配はいりません。大学院で研究することにより、乳がんの専門医としての幅がきっとさらに大きくなるとことと思います。
また、研究成果を海外の学会で発表することも多いため、日本だけでなく世界中で行われている最先端の乳がんの基礎・臨床研究に触れ、さまざまな国の医師と意見交換をできることも魅力の一つです。
(5)大学院終了後の進路について
海外留学をしたり、名古屋市立大学 乳腺外科学分野の教員として研究・診療を継続したり、名市大乳腺外科関連施設にて乳腺内分泌外科スタッフとして診療に従事する、などの選択肢があります。皆さんがやり甲斐を感じる仕事を選択できるように最大限のサポートをさせて頂きます。
お問い合わせ先
当科にご興味のある方はお気軽に下記にご連絡ください。
研修担当者 鰐渕友美:yendo424@med.nagoya-cu.ac.jp
研修責任者 遠山竜也:t.toyama@med.nagoya-cu.ac.jp
乳腺外科医局 電話:052-851-5511(内線8336)