私達外科医の使命は、外科学の持てる力を発揮し患者さんの健康回復を図ることです。外科学の力は他の診療科の力では置き換えることが出来ません。この「外科学の力」を安全で質の高いものとして研修医の皆さんにお伝えする必要があります。
われわれ名古屋市立大学には外科専門医を取得するために必要なすべての分野・症例数がそろっています。特筆すべきはそのすべての分野が大きな「総合外科」として統合されていることです。他の多くの大学・病院では縦割り社会で横のつながりが悪い病院を多く見かけます。しかし我々は1つの大きな外科というfamilyであり、常に連携を取りながら診療・研究・教育を行っております。私達は大学で活躍する全ての外科領域の専門医と一致団結し、全ての外科医が自分の誇りとする専門分野に固執することなく十分に協議して、みなさんが「外科専門医」として取得すべき手術・診療手技と医学知識を共通の認識の基に研修医の皆さんに「外科医の心」とともにお伝えすることが出来ると確信しています。
また医療の安全やチーム医療などは、現在の医療にとって重要な課題です。 これらの課題に取り組み問題解決能力を育成するためにも、「外科専門医コース」は最適な教育環境と考えます。この環境の中で、患者の安全確保、和の精神や医学への直向な姿勢が育まれると確信しています。私達のプログラムを通じて研修医の皆さんが多くの先駆者が築き上げてきた「外科学の力」を余すところ無く習得できると、私達は自負しています。
研修医の皆さん、是非私達の研修プログラムにご参加下さい。そして、皆さんが患者さんの健康回復や外科学の発展に貢献して下さることを大いに期待しています。私たちは皆様に最短の外科専門医取得をお約束します。さらにその次のステップを目指してともに進んでいきましょう。
外科専門医として必要な手術経験数は消化管及び腹部内臓、乳腺、呼吸器、心臓大血管、末梢血管、体表、小児外科、外傷の修練、内視鏡の手術の9領域分野での350例以上とされています。手術手技、術前のインフォームドコンセント、周術期管理など基本的な外科医教育に期待される場面を考慮して必要症例数(最低症例数)が設定されています。術者としての経験は前述の9領域分野に関わらず120例以上必要とされています。
外科関連病院での3-5年目の研修医の平均年間術者経験数は98例(78-131例)で、経験数では倍以上の経験になります。症例数としては十分な数です。
しかしながら、市中病院では経験することの少ない、心臓血管外科、小児外科、呼吸器外科、乳腺外科などの専門領域の2年目の研修を大学病院でうけることにより、各種専門領域の最先端の質の高い十分な研修を受けることができます。その経験は将来の関連病院での研修にも生き、また外科専門医の取得がスムーズに得られることになります。2年目大学病院の研修をプログラムし専門医を速くスムーズに取得できることが最大の特徴です。
大学2年コース、たすきがけコースと同じようにローテートすることも可能です。
4月 | 必修6ヶ月 | 総合内科・総合診療科 |
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5月 | 消化器内科 | |
6月 | 循環器内科 | |
7月 | 呼吸器・アレルギー内科 | |
8月 | 神経内科 | |
9月 | 総合内科・総合診療科 | |
10月 | 必修2ヶ月 | 救急科 |
11月 | 救急科 | |
12月 | 必修1ヶ月 | 麻酔科 |
1月 | 必修1ヶ月 | 消化器・一般外科 |
2月 | 必修2ヶ月 | 小児科 |
3月 | 産科婦人科 |
4月 | 必修2ヶ月 | 地域医療 |
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5月 | 精神科 | |
6月 | 選択11ヶ月 |
消化器・一般外科 |
7月 | 呼吸器外科 | |
8月 | 呼吸器外科 | |
9月 | 乳腺外科 | |
10月 | 乳腺外科 | |
11月 | 形成外科 | |
12月 | 小児外科 | |
1月 | 小児外科 | |
2月 | 心臓血管外科 | |
3月 | 心臓血管外科 |
※4週間を1タームとしてローテートするため、実際のローテートは月単位ではありません。