総合案内

ごあいさつ

日比 陽子 教授・薬剤部長からのご挨拶

名古屋市立大学病院薬剤部のホームページにアクセスしていただき有難うございます。

私は令和4年4月より、定年退職された木村和哲先生の後任として薬剤部長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

名古屋市立大学病院は、「地域の中核医療機関として、高度かつ安全で開かれた医療を提供するとともに、高い専門性と倫理観を兼ね備えた医療人を育成します」との理念を掲げ、高度医療や災害医療の拠点病院として診療・教育・研究を推進しています。私たち薬剤部も、進化を続ける医療の中で患者さんが良い医療を受けられるように日々努めています。

この30年あまりで病院薬剤師が担う業務は大きく変化しました。かつての調剤中心の対物業務から、病棟で患者さんと向き合う対人業務や医療チームでの活躍へと役割の重点が移っています。当院には、緩和ケアチーム、感染対策チーム、周術期ケアチーム、栄養サポートチーム、褥瘡対策チームなど多くの医療チームがあり、その全てに薬剤師が関わっています。薬剤師の役割は、薬の化学的性質や薬が作用する仕組みなどの専門知識を駆使して、患者の薬物治療が適切に行われ治療の目標に向かうように努めることです。そのために必要に応じて処方を提案し、また患者には薬の説明や副作用発現の確認などを通して安心して治療に向かえるようにサポートします。このように薬剤師が必要とされる仕事に重点を置くため、当薬剤部ではこれまで薬剤師がおこなってきた業務の中で資格が必要ない部分についてSPD(Supply Processing and Distribution)従事者へ業務移管する他、携帯情報端末(PDA)を用いた薬剤照合システムや抗がん剤自動調製ロボットなどの先端機器の導入によってタスクシフトを進めてきました。中でも抗がん剤自動調製ロボットはまだ国内でも導入施設が少なく、他施設からも見学に来られる最先端設備です。

教育面では、年間36人の薬学実務実習生が当薬剤部で病院薬剤師の仕事を経験しているほか、薬剤師が医・薬・看の3学部で実習および講義を行うことで医療職種間の相互理解を進めています。このように教える機会を持つと薬剤師の側も知識や指導力が向上し、互いに成長することができます。

医療の発展のために研究をおこなうのも大学病院薬剤師の大切な仕事です。当薬剤部でも、薬物治療管理に携わる中で医学的疑問を見つけ、医師や医学部や薬学部と協力して研究を行っています。将来の医療を担う人材育成のため、薬剤師として働きながら学位を取得する社会人大学院への進学も奨励しています。

地域連携にも力を入れており、近隣薬局と意見交換のための会議を定期的に設ける他、喘息吸入薬の指導研修や合同勉強会を開催しています。今年は「地域薬学ケア専門薬剤師研修施設」にも登録され、薬局薬剤師の研修受け入れも進めます。地域薬局との情報のやり取りを進めて患者さんのサポートを途切れなく行える体制を作りたいと思っています。

名古屋市立大学は、令和3年に東部医療センターと西部医療センターを附属病院化しました。さらに令和5年には緑市民病院と厚生院を加え、名古屋の広い地域にわたる大きな名古屋市立大学医学部附属病院群を形成します。変革と発展を続ける名市大病院群の中で、私たちも5病院薬剤部で協力し、医療の発展に一層邁進してまいります。

ページの先頭へ