病院薬剤部

業務紹介

[「業務紹介」TOPへ]

医薬品情報係

名古屋市立大学病院 薬剤部:医薬品情報係の業務紹介です。

主な業務

  • 医薬品情報の収集・評価・加工・提供
  • 電子カルテを介した処方支援・制御
  • 薬事委員会の開催
  • 治験薬の管理・供給
  • 薬剤師の教育支援

活動内容

医薬品は「情報」が伴って初めて“くすり”として使用できます。「何の病気に使えるのか?」「何の病気には使っていけないのか?」「どのくらいの量・期間使うべきなのか?」などの情報がなければ、“くすり”ではなく“毒”になってしまう恐れがあるからです。したがって、医薬品情報の管理は薬物療法を実践するうえで最も基本的かつ必要不可欠なものと言えます。私たち医薬品情報室の薬剤師は、医薬品情報の収集・評価・加工および医療者・患者さん双方への効果的な情報提供をとおして、医薬品の適正使用と患者さんへの最適な薬物療法の提供に貢献しています。

医薬品情報は、院内の全職種はもちろん製薬メーカーのMRさんなど院外からも収集できます。私たちは収集した情報の「重要性」と情報伝達を行うべき「迅速性」を評価し、情報の加工と最適な提供方法および媒体等を判断します。たとえば、厚生労働省から発行される「緊急安全情報」(イエローレター)などは、重要性も非常に高く全職員を対象に緊急でお知らせする必要があるので、院内周知のための第一報は電子媒体(電子カルテの「病院ニュース」など)を用いた至急伝達とします。この他、厚生労働省からほぼ毎月発行される「医薬品安全情報」や添付文書の改定情報などは毎月1回院内向けに「医薬品情報誌」を発行し、情報を加工した冊子媒体として院内スタッフへの周知を行っています。また、一部の診療科あるいは一部の医師にのみ重要性が高い情報に関しては、電子カルテの個別連絡機能や病棟・部門担当の薬剤師を介したピンポイントな情報提供を行うこともあります。

本院は電子カルテを全面的に導入していますので、医薬品情報を電子カルテシステムに適切に反映させることで、医師の処方行為を支援し、適正使用からの明らかな逸脱や事故を防止することが可能です。本院では、採用している全医薬品それぞれについて、超えてはいけない最大用量や小児用量などの投与量、注射剤においては投与可能な手技(静脈内注射か?皮下注射か?等)など約70項目の情報を添付文書に則って登録し、「医薬品マスタ」として管理しています。そのためには、医薬品情報を常に最新状態に保っておくことがとても重要です。添付文書の改定等は頻繁に行われることもありますが、改定のたびに「医薬品マスタ」も最新情報へ更新しています。また、がん化学療法においては、あらかじめ決められた投与量・投与スケジュール(レジメン)に従って投与することが必要ですので、抗がん剤レジメンを管理する別のマスタを作成・管理し、レジメンを逸脱したがん化学療法が行われないよう支援しています。さらに、新しく確立されたレジメンの評価に対しても医師・看護師とともに積極的に関与し、新たなレジメンの登録・管理にも迅速に対応しています。

薬事委員会は年4回開催します。医薬品情報室は薬事委員会の事務局として、各診療科・部門が申請する新たな採用希望薬剤について「既に同効の他剤の採用がないか?」「他剤と比較して有効性・安全性に優れているか?」「本院の患者層に使用ニーズがあるか?」「新たに採用することで医療過誤リスクを増大させないか?」などの視点から臨床試験結果等の証拠(エビデンス)に基づいて評価し、本院の患者さんにお届けするのに相応しい医薬品が採用されるよう委員会審議に貢献しています。

治験薬の管理は、本院の臨床試験管理センターと連携して行っています。本院で実施している最近の治験の傾向として注射剤で調製方法が複雑なものが増えており、大学病院の特徴と考えられます。製剤係・調剤係との協力も不可欠です。

新たな薬剤の採用時や診療ガイドラインの改訂時、あるいはいわゆるヒヤリハット事例を経験した時などには、定期的に開催している薬剤部内の勉強会のテーマとして取り上げ、薬剤師の知識向上や経験の共有に取り組んでいます。また、薬剤そのものについてのみだけでなく、薬剤管理指導時や日常業務で必要な技能・手技についての勉強会も開催し、臨床現場で役に立つ薬剤師を目指しています。

ページの先頭へ