Research projects

記憶想起を回復させる神経機構

ものごとを覚えてから時間が経つと、その記憶を思い出しづらくなります。しかし、ふとした瞬間に思い出すことができることから、記憶の痕跡は脳内に残っており、この記憶痕跡をうまく活性化できれば再び記憶を取り戻すことができると考えられます。これまでに私たちはヒスタミンH3受容体逆作動薬によって記憶の想起が回復できることを明らかにしてきました。現在さらにこのメカニズムの解明に取り組んでいます。

多領域による脳機能の制御

記憶・学習を始めとして、多くの脳機能は、「ある脳領域内の局所の情報処理」と「領域と領域を結ぶ領域間の情報処理」の両方によって達成されると考えられています。しかし、これら2つの情報処理を同時に解析することは難しいのが実際でした。そこで私たちは複数の脳深部領域からの同時Ca2+イメージングを開発し、多領域によって脳機能が制御されるメカニズムの解明に取り組んでいます。

人工的な記憶・学習能力の創発

記憶・学習能力を人工的に作ることで、低下した記憶・学習能力を補完する技術を開発するとともに、記憶・学習のメカニズムを理解することを目指します。



Resources

  • in vivo Ca2+イメージングによる詳細な神経活動の測定
  • ファイバーフォトメトリーによる細胞種、経路特異的な活動の測定
  • オプトジェネティクス、化学遺伝学による神経活動の操作
  • CRISPR/Cas9を用いた遺伝子発現の操作
  • 各種ウイルスベクターによる神経回路の標識
  • ディープラーニングを用いた動物の行動解析
  • データサイエンスを駆使して脳の情報処理機構の解析