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活動レポート

21st World Meeting of the International Society for Sexual Medicine

[文責]:片岡 智哉(臨床薬剤学 助教)[公開日]2018年5月14日

2018年2月28日~3月3日にポルトガル・リスボンで開催された21st World Meeting of the International Society for Sexual Medicine(第21回 国際性機能学会)に参加致しました。World Meeting of the International Society for Sexual Medicineは2年に1回、5大陸を巡る形で開催されており、男性性機能および女性性機能を扱う専門家が約2,000名参加する学会です。次回2020年には東京で開催されるため、多くの日本人の先生方が参加され、東京開催を一緒にアピールして参りました。

今回、私はシンポジウム1演題と一般演題1演題の計2演題を発表してきました。シンポジウムでは"Evidences of Erectile Dysfunction After Anti-cancer Agents Administration; Analysis of Large-scale Adverse Drug Reactions Database and Pharmacological Experiments"というタイトルで発表しました。医療技術の向上に伴い、特にがんサバイバーと呼ばれる方々の抗がん剤治療後の生活の質(QOL)の向上が求められています。我々は大規模副作用データベース解析と薬理学的検討を組み合わせて、抗がん剤による副作用としての勃起障害の発症リスクとそのメカニズムに関して紹介しました。未だ報告の無い分野の発表であり、座長のMaarten Albersen先生をはじめ、多くの先生方から賞賛の声をいただくことが出来ました。

また、一般演題では"Testosterone deficiency causes endothelial dysfunction via elevation of asymmetric dimethylarginine (ADMA) and oxidative stress in castrated rats"というタイトルで発表しました。加齢に伴い男性ホルモンが低下することで様々な身体障害を生じます。このメカニズムをADMAという物質と酸化ストレスに着目して報告しました。当教室からは講師の堀田祐志先生と大学院生の森泰毅くんが一緒に参加致しましたが、3演題全てが基礎研究部門の口頭発表に選出されました。これは世界の研究室の中でもトップの数であり、我々の研究が世界の基礎研究をリードできていることを表していると思われます。

学会中は世界の著名な研究者の先生方と熱い議論を交わしたり、国際共同研究が出来ないかなどの打ち合わせをしたりなど、たいへん実りの多い学会になりました。2年後の東京開催のWorld Meeting of the International Society for Sexual Medicineではさらによい発表ができるよう、研究に励みたいと思います。教授の木村和哲先生をはじめ、研究室のメンバーに支えられて研究が出来ていることを感謝致します。最後になりましたが、本発表にあたり、公益信託 第24回日本医学会総会記念医学振興基金より平成29年度海外学会等参加費用援助をいただき、学会に参加させていただくことが出来ましたことに深謝致します。


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