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活動レポート

第59回日本平滑筋学会

[文責]:中村 大学 (病院薬剤学 薬学部薬学科6年)[公開日]2017年11月1日

この度、2017年8月23日〜25日に福岡で行われた第59回日本平滑筋学会に参加してまいりました。日本平滑筋学会は昭和34(1959)年に発足した非常に歴史のある学会です。発足当初より基礎と臨床の先生が隔年交互に会長を担当されています。そういったことから本学会の特色は、平滑筋研究という基軸から臨床と基礎医学の研究者が一堂に会して意見を自由に交換されているという点です。また基礎研究に対しては臨床的意義が問われ、臨床研究においても基礎研究レベルでの検討もなされており、非常にレベルの高い発表が多い学会でした。平滑筋は消化管や血管など様々な組織に存在していることから、 本学会では多岐にわたる研究発表がなされています。我々の研究室でも膀胱平滑筋や陰茎海綿体平滑筋など、平滑筋を治療ターゲットとした研究をしており、根幹的知識を学べる機会となりました。

今回、私は小児期のフルクトース過剰摂取が将来の勃起機能を低下させることを明らかにしました。フルクトースは現在、多くの清涼飲料水や菓子に含まれており、小児期から摂取する機会が増えています。思春期の偏った食生活が将来の勃起機能に与える影響を検討することは、将来のED発症予防や少子化対策を考える上で非常に重要です。本研究では、若齢ラットを用いて、継続的なフルクトース過剰摂取が勃起に重要な陰茎海綿体平滑筋の弛緩反応を低下させることを明らかにしました。また当研究室からストレス負荷によるED発症のメカニズムを検討した発表や同薬学研究科の細胞分子薬効解析学の方たちの発表もあり、それぞれの発表においても活発な議論が行われました。

学会終了後には、博多は屋台の街ということで暑さの残る夜に冷たいビールでお疲れ様会を行いました。細胞分子薬効解析学の学生さんや先生と互いの研究について熱く語り合った初秋の夜長でした。

日本平滑筋学会への参加は、私がこれまでに参加してきた日本性機能学会や日本Men's Health医学会とはまた異なる刺激を受けました。今後も積極的に学会に参加し、新たな知見を得て自身の研究および臨床現場への応用に注力してまいります。最後になりましたが、今回の発表にあたりご指導いただいた木村和哲先生、堀田祐志先生をはじめ病院薬剤学分野の先生方に深く感謝申し上げます。今回このような非常に勉強になる学会に参加させていただき誠にありがとうございました。


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