教室紹介

病理学

病理学は、病気の原因や進行のしくみを肉眼所見や顕微鏡所見といった「かたち」の変化から読み解き、病とは何かを明らかにする学問です。
19世紀に形態学的病理として発展して以来、細胞・組織レベルの観察に加え、現在では分子生物学・免疫学・ゲノム解析の成果を取り込み、形態と分子情報を統合して病気を理解する段階へと進んでいます。
臨床病態病理学分野では、伝統的な形態学に立脚しつつ、コンパニオン診断やゲノム医療などの分子病理学的手法を組み合わせ、診療・研究・教育を一体的に進めています。

病理診断について

病理診断は、手術や内視鏡、生検、細胞診検査などで採取された組織や細胞を用いて、病変の性質や悪性度、進展度を評価し、最終的な診断と治療方針の決定に深く関わる医療行為です。
当分野は、名古屋市立大学附属病院群(名古屋市立大学医学部附属病院、東部医療センター・西部医療センターなど)を中心に、豊川市民病院・蒲郡市民病院などの関連医療機関からの検体について、生検組織診断・手術材料の診断、細胞診診断、手術中迅速診断などを担当しています。
ヘマトキシリン・エオジン染色による基本的な組織診に加え、免疫組織化学や in situ ハイブリダイゼーション、FISH などの遺伝子診断、分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬に関連するコンパニオン診断、がんゲノム医療にも対応しうる体制で病理診断を進めています。
こうした形態学と分子情報を組み合わせた統合的な病理診断を通じて、臨床医や患者さんにとってわかりやすく有用な情報を提供し、医療の質と安全性の向上に貢献することを目指しています

臨床病理検討会(CPC)について

臨床病理検討会(Clinicopathological Conference:CPC)は、病理所見と臨床経過・検査所見を総合的に振り返り、診断や治療の妥当性を検証する場です。
当分野では、名古屋市立大学病院群および関連医療機関と連携し、病理解剖症例や特徴的な症例を対象とした CPC・症例検討会を定期的に開催しています。
これらの場は、診療の質向上や医療安全の観点から重要であると同時に、初期臨床研修医・専攻医・医学生にとって、病態を深く理解し臨床と病理を結びつける貴重な教育の機会となっています。

教育研究について

臨床病態病理学分野では、医学部学生教育、臨床実習、初期・後期研修医教育を通じて、形態学と分子病理学の両面に精通した病理専門医・病理学研究者の育成に取り組んでいます。
研究面では、大腸癌・胸膜中皮腫・唾液腺腫瘍などの固形腫瘍のみでなく、悪性リンパ腫をはじめとする造血器系腫瘍にも重きを置き、腫瘍発生・進展や免疫逃避の分子機構、腫瘍免疫・腫瘍微小環境の解析、診断・治療に資するバイオマーカーや創薬標的の探索など、基礎からトランスレーショナルリサーチまで幅広いテーマを推進しています。
さらに、地域医療を担う医療機関との連携や情報発信、市民向けの啓発活動などを通じて、臨床医のみならず患者さんや市民の方々にも病理診断の役割をわかりやすく伝え、医療への理解と安心感の向上に寄与することを目指しています。

 

関連病院

名古屋市立大学医学部付属西部医療センター 
名古屋市立大学医学部付属東部医療センター 
名古屋市立大学医学部付属リハビリテーション病院 
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター
豊川市民病院 
蒲郡市民病院 
春日井市民病院 
知多半島総合医療機構 知多半島りんくう病院 
日本赤十字社愛知医療センター第一病院 
日本赤十字社愛知医療センター第二病院 
社会福祉法人聖霊会 聖霊病院 
JA愛知厚生連 海南病院 
JA愛知厚生連 知多厚生病院 
JA愛知厚生連 稲沢厚生病院 
JA三重厚生連 菰野厚生病院
名古屋記念財団 名古屋記念病院