研究活動

研究テーマ

大学院医学研究科 臨床薬剤学

排尿障害のメカニズム解明および新規薬物治療法の探索


 
 
 

下部尿路障害 (lower urinary tract symptoms, LUTS) は、患者のQOLを著しく低下させる疾患であり、様々な病気に合併して生じる。当研究室では、高血圧モデル、糖尿病モデル、膀胱虚血モデルなど、様々な疾患モデル動物を作製し、LUTSの病態解明および新規薬物治療法の開発を目指している。特に、膀胱内で蓄尿に関与することが知られている一酸化窒素 (nitric oxide, NO) シグナリングおよび膀胱内の酸化ストレスと膀胱機能障害の点に着目し研究を進めている。

排尿障害のメカニズム解明および新規薬物治療法の探索

慢性腎臓病における血管内皮機能障害に関する研究


 
 

腎機能が低下すると老廃物が排泄されず体内に蓄積する。当研究室では、薬物性腎疾患発症メカニズムを解明している。また、慢性腎臓病 (chronic kidney disease, CKD)患者において増加する血中物質の一つに、アルギニンのメチル化体であるasymmetric dimethylarginine (ADMA) がある。ADMAは、血管の内皮細胞から放出される血管弛緩物質NOの産生を阻害するため、血管内皮細胞の本来の機能を抑制し、血管内皮機能障害を誘起する。そこで本研究室では、ラットの腎を部分摘出したCKDモデルを作製し、CKDに伴う血管内皮機能障害の病態を解析している。

慢性腎臓病における血管内皮機能障害に関する研究

男性性機能障害に関する基礎的および臨床的研究


 
 
 

勃起不全(erectile dysfunction, ED)は事故や加齢、種々の疾患により陰茎の支配神経、血管、組織構造などに障害が引き起こされ、十分な勃起を得られない疾患であり、QOLを著しく低下させる。当研究室では、陰茎に分岐する内腸骨動脈の結紮した動脈性EDモデルや、性ホルモン濃度を変化させた内分泌性EDモデル、CKDによるEDモデル、高血圧によるEDモデル、肥満によるEDモデルなど、様々な疾患モデルラットを用いてEDの発症メカニズムの解明、およびその治療法の探索を試みている。

男性性機能障害に関する基礎的および臨床的研究

有機酸代謝異常症等患者におけるアシルカルニチン代謝に関する研究


 
 
 

有機酸代謝異常症は、代謝酵素の遺伝子変異により正常なアミノ酸代謝が行われず、代謝中間体である有機酸が体内に蓄積することで嘔吐、痙攣、意識障害などを発症し、重篤な場合には死に至る先天性疾患である。発病する前に疾患を診断することで、予防・治療につながるため、タンデムマス (MS/MS) を利用した新生児マススクリーニング法による発症前診断の開発が進んでいる。有機酸は、カルニチンと結合したアシルカルニチン体で排泄されるため、我々は、UPLC-MS/MSを利用し、診断の指標となるアシルカルニチンの定量分析法を開発することで、診断や治療への応用を目指している。

有機酸代謝異常症等患者におけるアシルカルニチン代謝に関する研究

薬の副作用に関する研究

薬は疾病の治療に大きく貢献する一方で、副作用を生じる場合があります。副作用の中には薬の開発段階で明らかになっているものだけではなく、広く使用するようになって初めてわかる副作用もあります。治療を継続する上で、副作用に対処していくにはそのメカニズムを知ることが重要になっています。当研究室では実際に臨床現場で使用されている薬剤がどのようなメカニズムで副作用を引き起こすのかを解明し、その対処法の探索を試みています。

薬の副作用に関する研究

ページの先頭へ