目的:当院では、内視鏡外科手術トレーニングセンターを設立した。基本手技を研修するdry-laboと大動物手術が施行できるanimal-laboからなる。今回、センター稼働に際しての問題点を検証した。
対象と方法:設備は、dry-labo:6台のトレーニングボックスおよびバーチャル手術シュミレータで2200万円を要した。animal-labo:麻酔器、モニター、内視鏡外科器機(病院より流用)にて2100万円を要した。動物麻酔は当大学獣医学部の獣医師の協力を得た。
結果:21年度にdry-laboでは、CCS医学生8名対象に、一週間あたり1時間20回稼働した。加えて3回手術手技セミナーを開催し、毎回24名程度参加し好評を得た。
animal-laboは、各診療科(消化器外科、泌尿器科、婦人科)で2頭の豚に対して胆嚢摘出2、胃切除1、腎臓摘出1例、卵巣切開縫合(数回)を施行した。犠死後wet-labo用の心臓2例を摘出した。2頭の手術のランニングコストは60万円程度と計算された。2頭での各診療科の研修医師数は、それぞれ6,4,4名程度と考えられた。麻酔は獣医師1名では多忙を極めた。
まとめ:dry-laboは初期設備投資で研修可能であった。animal-laboは60万円程度で稼働可能であるが、主催するセンター員の負担が問題と考えられた。
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