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2005年3月例会
講演1
「記憶・学習におけるαカルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIの役割」

講演2
「異種心移植の展望」

講演3
「糖鎖は生体内でどのように働くか? −初期発生から疾患まで−」


・講演2
「異種心移植の展望」
 

浅野 實樹 博士(名古屋市立大学心臓血管外科学 助教授)

 近年、心不全にたいする治療は目覚ましい進歩を遂げているが、末期重症心不全にたいする唯一の根治術は心臓移植である。有効な治療であるにも関わらず移植適応患者の多くがその恩恵に与れないのは深刻なドナー不足にある。この状況の解消には、異種の動物をドナーとする異種心移植が大きな可能性を有している。異種移植が臨床的に現実性を持つためには、激烈な細胞性/液性拒絶反応の抑制や強力な免疫抑制剤の副作用としての感染の制御が必要不可欠であることはいうまでもない。このためにキメラによるドナー特異的免疫寛容の導入や遺伝子操作や組織工学による様々なアプローチがなされている。今回、異種移植の問題点、成功のための戦略などを自験例である長期生存ヒヒ−アカゲザル同所性移植モデル等も含め考察し、さらに重症心不全治療法として可能性のあるいくつかの最新代替医療との対比を交え異種心移植の臨床的現実性を展望する。

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