名古屋市立大学大学院医学研究科 耳鼻神経感覚医学 名古屋市立大学TOP
Department of Neuro-otolaryngology, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences
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内耳・聴神経グループ
稲垣 彰・マジット

 聴力はヒトにとって重要な感覚情報のひとつです。しかしながら、世界中で2.78億ものヒトが中度から高度の難聴であるといわれて おり、また、その50%が予防、あるいは治療が可能であるといわれ ています(http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs300/en/)。聴覚は非常に精巧に発達した仕組みであり、病態を理解する ためにはまず、その生理を理解する必要があります。しかし、現在で も、聴覚生理の研究はまだ発展途上にあり、未解明の分野が数多く残 されており、病態が明らかでない疾患も多く残されています。当教室 では、鼓室形成術など中耳手術のみならず、人工内耳埋め込み術、聴 神経腫瘍手術などの内耳手術を積極的に行っており、これら臨床と相 互にフィードバックを行いながら、主に以下の点から聴覚を研究して います。

1)内耳におけるイオンチャネルの分布、またその機能のパッチクランプ法を用いた解析
2)小脳失調マウスにおける蝸牛神経核の形態学的検討
3)内耳毒性のある薬剤に対する有毛細胞のストレスタンパクの発現
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めまい・平衡グループ
渡邉講師,高橋助手,大学院4年 佐藤雄二,大学院2年 田中史子

 当教室のめまい研究は歴史も古く、伝統ある研究グループの一つであるが、前任の羽柴講師時代に研究が広く深まったといえよう。姿勢にはじまり、これまでのところ滑動性追従眼球運動、非視覚誘発性眼球運動の特性、周辺視野による視運動性眼球運動、トレッドミル運動における姿勢変化、温度刺激眼振の成因、ハト半規管膨大部の微細構造と機能に関する研究、頭部安定化反応などの基礎的研究だけでなく、眼球運動のコンピュータ解析法を開発したり、full field視野刺激を用いて新しい検査法を考案、臨床応用している.現在進行中のものとしては頭位センサー付きフレンツェル眼鏡を試作し実際の臨床に応用しているところである。また肩凝りなどの自律神経症状とめまい発作の予測について臨床データを集積している。さらに頭部安定化反応の基礎データに基づき新しいめまい・平衡障害のリハビリを模索しているところである。
これまでの共同研究としては名古屋大学環境医学研究所 故渡邉悟教授、大同工大 水野義雄教授のグループ、ベルリン自由大学(当時)Hans Scherer教授、Andrew H Clarke教授のグループと行ってきた経緯があり、今後スタッフの充実とともにさらに発展させていきたい。
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免疫・アレルギーグループ
 我々のグループは、主に耳鼻咽喉領域の代表的なアレルギー疾患であるスギ・ヒノキ花粉症を中心とした、様々な病態の解明および治療方法の開発を目指して研究を行っている。馬場前教授の時代より、主にアレルギーの抗原、抗体に関する解析から、ヒトのリンパ球を培養することにより産生される様々な免疫活性物質の測定をはじめ様々な細胞生物学的な手技を駆使して実績を残してきている。最近ではヒノキの主要抗原蛋白(Chao 1)の同定や、記憶T細胞の生存に対する抗原刺激の必要性の報告を行っている。また、近年話題となっている自然免疫によるアレルギーの制御にもいち早く注目し、CpGという単一鎖DNAを用いた新しい免疫療法の開発を目指して、マウスモデルを用いた基礎研究の報告を多数行っている。また当グループでは現在(平成18年9月)、2人が海外留学中であり、最前線の免疫研究を学んでいる。本邦だけでなく世界規模での環境汚染や生活習慣の変化によるアレルギー疾患の急増が問題となってきている現在、この研究分野の進展は日進月歩であるがために、アイデアが斬新かつ合理的であれば世界的に注目される可能性が十分ある。世界に先駆けた次世代の基礎・臨床研究を行うべく、グループ全体で検討を重ねている。
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腫瘍グループ
 腫瘍グループでは頭頸部癌に対する基礎、臨床の両面から研究を行っています。 分子生物学的手法を用いた実験で抗癌剤感受性、癌関連遺伝子、癌診断などについて明らかにして行くことを目標としています。内容の一例としては頭頸部癌細胞株、また臨床検体における抗癌剤感受性の検討、また甲状腺、唾液腺腫瘍に対する免疫組織学的、遺伝子的診断法の細胞診への応用などがあります。 一部は愛知県がんセンター研究所あるいは同センター頭頸部外科とも共同して行っています。
臨床的研究では頭頸部化学療法、放射線療法における副作用・合併症に対する支持療法に関する研究、新規抗癌剤を組み合わせた新しい抗癌剤治療、サイコオンコロジー領域に関する検討などを進行中です。
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