第6号(平成11年5月)

1.年報の発刊にあたって センター長 白井智之

 本年報は1998年度の当センターの利用状況、実験動物に関わる諸活動及び研究業績をまとめたものです。センターを利用した多くの研究の成果が論文として発表されました。このような研究成果に対してセンターが貢献できたことがセンター長として大変うれしく思うところです。これには、研究者各位の努力はもちろんでありますが、センター関係各部局の皆様のご理解とご努力、教職員並びに業務に直接携わっておられる職員の皆様の努力の成果とお礼を申し上げます。年報の作製は、施設の利用状況、諸活動、研究成果を整理し、評価と反省の材料とするとともに、次なる新しい目標を検討する上で大変励みになっています。年報の作成には研究者各位に業績の提出等ご負担になっている部分もあろうかと思いますが、各研究成果が実験動物の尊い命の犠牲の上に立って得られたものであるという自覚と、感謝の念を今一度新たにしていただくためにも重要な意味を含んでおります。開所6年を経過しようとしていますが、2年前から名称が動物実験施設から実験動物研究教育センターに改められ、新名称も皆さんに浸透し、馴染みあるものになってきています。その名前に違わず、研究と教育に充実した施設としてより一層の活動をしております。3名の大学院生が安居院助教授のもとで研究をすすめており、医学部学生の基礎配属も定着した感があります。遺伝子導入動物の開発作成など、動物を飼育する単なる施設から名実ともに研究と教育に重点を置いた身のある施設として変貌を遂げています。もちろん動物飼育施設としての運営と環境の維持・改善に関しましてもより一層の努力をおしまない所存です。本センターの健全な運営と発展は必至であります。今後とも運営協議会の各位をはじめとする皆さまのご協力を戴きますようお願い申し上げます。


2. 利用状況

(1)各講座月別登録者数
(2)年間月別搬入動物数(SPF、コンベ)
(3)各講座月別搬入動物数
●マウス
●ラット
●ウサギ
ハムスター、モルモット、ブタ
(4)各講座月別延日数飼育動物数
●マウス
●ラット
●ウサギ
ハムスター、モルモット、イヌ、ブタ、サル


3.沿革

昭和25年4月 名古屋市立大学設置
昭和45年3月 医学部実験動物共同飼育施設本館完成[昭和45年5月開館]
昭和54年3月 医学部実験動物共同飼育施設分室完成[昭和54年7月開館]
昭和55年3月 医学部実験動物共同飼育施設別棟完成[昭和54年7月開館]
昭和55年4月 第一病理学講座 伊東信行教授が初代施設長に就任
平成元年4月 医学部動物実験施設に名称を変更
平成3年4月 小児科学講座 和田義郎教授が第二代施設長に就任
平成3年5月 新動物実験施設改築工事起工
平成4年11月 新動物実験施設完成
平成4年12月 安居院高志助教授が施設主任に就任
平成5年3月 新動物実験施設開所式
平成5年4月 第二生理学講座 西野仁雄教授が第三代施設長に就任
平成5年5月 新動物実験施設開所
平成9年4月 第一病理学講座 白井智之教授が第四代施設長に就任
平成9年5月  医学部実験動物研究教育センターに名称を変更


4.構成

センター長        白井智之(併任、第一病理学講座教授)

センター主任(助教授)  安居院高志

衛生技師         宮本智美

業務士          西尾政幸

大学院生         成 際明、丁 銘

研究員          鄭 且均

飼育委託     株式会社ケー・エー・シー

ビル管理委託   日本空調システム株式会社


5.平成10年 行事

1月20日  平成9年度 第10回講習会

2月27日  平成9年度 第11回講習会

3月9日   センター主催講演会

       九州大学医学部附属動物実験施設 教授、毛利資郎 先生

         「プリオン病」−実験動物によるアプローチ−

3月31日  平成9年度 第12回講習会

4月1日 センター合同花見(弥富公園)

4月15日  平成10年度 第1回講習会

4月24日  平成10年度第1回運営委員会

5月6日  平成10年度第1回運営協議会

5月26日  平成10年度 第2回講習会

5月26日  センター合同歓送迎会

6月16日  平成10年度 第3回講習会

7月23日  平成10年度 第4回講習会

7月18-20日  センター合同キャンプ(岐阜県板取キャンプ場)

8月26日  センター合同送別会

8月28日  平成10年度 第5回講習会

9月22日  実験動物感謝式(台風の為中止)

9月24日  平成10年度 第6回講習会

10月3日  センター合同登山(愛知県茶臼山)

10月14日  平成10年度 第2回運営委員会

10月20日  平成10年度 第7回講習会

10月30日  平成10年度 第2回運営協議会

11月6日 原 昌弘氏退職記念パーティー

11月18日  平成10年度 第8回講習会

12月8日  センター合同忘年会

12月22日  平成10年度 第9回講習会


6.研究成果

 名古屋市立大医学部実験動物研究教育センターを使用し得られた研究成果のうち、1998年中に公表された論文をまとめた。ここには原著のみを掲載し、総説、症例報告、学会抄録等は割愛した。


7.編集後記

今年も実験動物研究教育センター年報第6号を発行することができました。和田医学部長におかれましては、病気療養中とのことで、今回は御挨拶を戴くことができませんでした。御了承下さい。また、飼育室の満室状況をお知らせするために、年報には毎号各飼育室の1年分の占有率をグラフとして掲載しておりましたが、これを毎週のデータとしてセンターホームページ(http://www.med-nagoya -cu.ac.jp/animal.dir/indexJ.htm)で逐次見られるように致しました。従って今年度の年報からはこのページは削除致しました。
 昨年は実験動物感謝式の予定日に台風の直撃を受け、止むを得ず感謝式が中止となりました。研究者の方からは、年に一度実験動物に感謝の意を表す儀式だけに、別の日を設定して欲しかったという要望がありました。当日献花する菊とか、出席者に配る饅頭とかが日持ちしないため、別の日に行うことを断念せざるを得なかったのでありますが、今年度からは翌日を予備日として予定することに致しました。関係方々の御理解を賜るようお願い申し上げます。

(安居院)