細胞生化学 名古屋市立大学大学院医学研究科・医学部

Last updated: 2022/08/08
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嶋田 逸誠

経歴

2018年8月 - 現在 名古屋市立大学 医学研究科細胞生化学分野 講師
2015年1月 - 2018年7月 テキサス大学サウスウエスタン校 メディカルセンター 細胞生物学部 アシスタントインストラクター
2011年8月 - 2014年12月 テキサス大学サウスウエスタン校 メディカルセンター ポスドク
2010年4月 - 2011年7月 バーモント大学大学院 医学部 ポスドク
2005年8月 - 2010年5月 バーモント大学大学院 医学部 解剖学神経科学科
2002年4月 - 2004年3月 兵庫県立大学大学院 理学部 生命科学科
1998年4月 - 2002年3月 兵庫県立大学 理学部 生命科学科

研究目的

  •  私たちの研究目的は、神経幹細胞を制御する分子生物学的メカニズムを解明することです。神経幹細胞は、脳にある様々な細胞を作り出すことができる細胞です。神経幹細胞に異常があると、神経発達障害やがんなどのさまざまな脳疾患が引き起こされます。どのようなメカニズムで、神経幹細胞が正常に制御されているのかはよくわかっていません。私たちは、一次繊毛と呼ばれる細胞小器官に着目し、神経幹細胞の制御メカニズムを解明することを目指しています。

  • 一次繊毛はアンテナとして機能する細胞小器官
  •  一次繊毛は、私たちの体のほとんどの細胞に存在するアンテナ状の細胞小器官です。細胞小器官とは、細胞の中で専門的な役割を持つ工場のようなものです。一次繊毛には、豊富な受容体が存在するため、細胞外シグナルを受け取るために特化した細胞小器官として機能しています。一次繊毛の形成と機能の異常は、一般的に「繊毛病」と呼ばれる疾患群の原因となります。繊毛病の症状は、知的障害、腎嚢胞、内臓逆位、多指症、髄芽腫、網膜色素変性症など、組織によって異なり、多岐にわたります。様々な症状の中で、私たちは脳の疾患に着目しています。脳の発達過程において、一次繊毛シグナル伝達経路が、神経幹細胞の機能をどのように制御しているのかを解明しています。

  • 脳オルガノイドを用いた神経幹細胞の解析
  •  神経幹細胞の研究をするために、私たちは、近年開発された「脳オルガノイドモデル」と呼ばれる培養法に着目しました。脳オルガノイドモデルとは、ヒトiPS細胞から作成するミニ臓器の培養法のことです。脳オルガノイドは生体内と似た環境を持つため、実験モデルとして世界中で使用されています。脳オルガノイドは培養モデルですので、iPS細胞から作成することが可能で、遺伝子操作やライブイメージングなど、従来では時間のかかった実験手法を用いることが可能です。これらの手法を用いて、神経幹細胞がどのように脳構築に影響を及ぶすのか、そしてどのような原因で様々な疾患を引き起こすのかを研究しています。

  • 現在進行中の研究
  •  1. 一次繊毛が、iPS細胞由来の神経幹細胞を制御するメカニズムの解明

     2. 一次繊毛が、iPS細胞由来の脳オルガノイドの成熟を制御するメカニズムの解明

     3. 一次繊毛が、小児脳がんを制御するメカニズムの解明


論文