画像を駆使し全身を診て
低侵襲で効果の高い治療を提供します
現在の医療において画像検査の役割はますます広がっています。特に近年の医用画像技術の進歩は非常に速くAI(artificial intelligence)の発展も含めて目を見張るものがあります。しかし、これを十分に活かすためには最新の知識に基づく深い理解や解釈が必要です。私たちは医療における画像のプロフェッショナルとして常に最先端の知識を学び、診断の質はもとより画像検査のパフォーマンスを最大限に高めることで良質な医療の提供に大きく貢献しています。また、診療科との定期的な合同カンファレンスだけでなく、重要な症例に対してはどこへでも積極的に足を運び、画像を供覧しながら丁寧に説明を行うことで患者さんの日々の様態変化に確実に対応できるよう心がけています。私たち名古屋市立大学放射線科医局は、関連施設も含めて最高レベルの画像診断装置とアクティビティーの高い多くの画像診断医を擁しており、地域の医療の屋台骨として大きな役割を 担っていると自負しています。
IVR (interventional radiology:画像下治療)とは、血管造影やCTなどの画像を駆使して行う侵襲性の低い治療方法です。動脈塞栓術やステントグラフト内挿術などの血管系IVRから、針生検やドレナージなどの非血管系IVRまで様々なIVRを施行しています。IVRの需要は高く、件数は年々増加し年間約1000件のIVRを実施しております。2022年2月には最新の320列IVR-CTが導入され、最先端のIVRが施行可能となりました。救急IVRにも力を入れており、24時間365日、IVR専門医によりIVRが実施可能な体制を構築しています。当院では救急災害医療センターの新設を予定しており、今後さらにIVRの需要は高まるものと思われます。また地域の関連病院からの紹介によるIVRが多いのも特徴的で、高難度のIVRを積極的にお受けしています。高いIVRの技術を通じて地域の医療に貢献しています。
治癒を目指した治療から緩和照射まで、患者さんにベストな放射線治療を提供致します。またエビデンスをもとに、他の診療科と連携して化学療法や免疫チェックポイント阻害薬を併用して、より効果的な放射線治療を行っています。中でも、強度変調放射線治療(IMRT)や定位照射(SRT)、画像誘導下技術(IGRT)などの高精度放射線治療を早期から導入し、豊富な臨床経験をもとに優れた治療成績と新たな知見を報告してきています。IMRT治療件数は全国トップ20位以内、愛知・岐阜・三重県内では第1位の治療件数を誇っています。これらの、より低侵襲性で治療効果の高い技術について、大学病院としてさらなるエビデンスを出せるように努めています。