4)その判断に基づいて脳から運動の指令が出て行動を起こ
すということを絶えず繰り返しています。たとえば敵が近づくと逃げ、獲物を見つけると追いかける動物の行動パターンは、この様な神経系の働きに基づいたも
のです。
この神経系の外界からの情報収集は耳、眼、味蕾、嗅上皮等の感覚器において行われます。それぞれの感覚器は神経
の一種ですが、進化の過程で特殊な機能を獲得して分化した器官です。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚・温痛覚に関与する感覚器は、電磁波(光)、音波、化学
物質、物理的刺激、温度など様々な外的刺激を検出する精巧なセンサー蛋白を持っています。これらのセンサー蛋白をコードする遺伝子はそれぞれの感覚器で特異的に発現しています。この様な遺伝子の異常は、感覚器に特異的な疾患にも関与しています。