オープンカレッジのご案内


最新医学講座   オープンカレッジ   2017年第1期のご案内。

No.1「お口にまつわる最新の話題」

[開講日程]平成29年6月2日(金) 〜 平成29年7月21日(金)
[コーディネーター]医学研究科 口腔外科学分野 教授 渋谷 恭之
「お口」は消化器官の入口であり、咀嚼、消化、嚥下といった重要な役割を担っています。また呼吸器官の入口でもあり、口、歯、顎の異常は構音障害や睡眠時無呼吸と関係することがあります。お口の病気は虫歯や不正咬合、歯周病、腫瘍、嚢胞性疾患、薬の副作用による口腔乾燥症など様々ですが、「食事を味わい楽しむこと自体が人生を豊かにして人々を活気づけること」が注目されており、歯を失った老人の認知症が速く進むなど、お口の異変が生活に影響を与える恐れも指摘されています。そこで今回のオープンカレッジでは「お口にまつわる最新の話題」を集めてみました。受講者にとってより健康な生活を営むためのヒントになればと期待しています。

第1回   6月2日 (金)

睡眠とお口の関係-睡眠医療の最前線-

名古屋市立大学病院 睡眠医療センター センター長 中山明峰
睡眠障害と言えば、睡眠時無呼吸症候群は有名ですが、CPAPという呼吸補助機をつけることが知られています。一方、CPAPは快適ではなく、軽症や中等度の患者には向きません。近年、耳鼻咽喉科と歯科口腔外科の医療者がCPAPの適応しない、使えない患者に対し、快適な睡眠を取ることができるように努力しています。睡眠は翌日の日常生活に大きな影響を与えます。皆様の快適な睡眠のために努力している医療者のお話をさせて頂きます。

第2回   6月9日 (金)

歯並びとかみ合わせのお話し-最新の矯正歯科治療とは-

いけもり矯正歯科医院 院長 池森 由幸
矯正歯科治療の目的は、歯を中心としたお口に関係する組織にとってより良い環境を整えて、それらが長持ちできるようにすることです。具体的には、1.きれいな歯並びにすれば、歯も磨きやすく虫歯や歯周疾患になりにくくなります。2.上下の歯がきちんと咬みあうようになれば、効率良く食べることができ、また歯も長持ちします。3.顔全体とのバランスがとれた口元の形態になるように歯列を整えれば、発音も明瞭になり、顔立ちも整って対人関係やコミュニケーションを取る際に有利になります。その他、先天疾患や事故に伴う咬合異常の治療等、詳しく解説させていただきます。

第3回   6月16日 (金)

レントゲンでわかるお口の健康-虫歯、歯周病から口腔がんまで-

愛知学院大学 歯学部 歯科放射線学講座 教授 有地 榮一郎
お口の健康は全身の健康と言われるようになりました。では健康なお口とはなんでしょうか。この講義では、レントゲン写真を通して見たお口の健康についてお話しします。歯医者さんでは口の中に小さなフィルムを入れてレントゲン撮影を行います。あるいは顔の周りをぐるりと回る撮影をされた経験をお持ちの方も多いと思います。できた写真は多くのことを語ります。虫歯、歯周病などのよく見られる病変に隠れて、目で見ることのできない重篤な病気が発見されることもあります。歯医者さんでレントゲン写真の説明を聞くときの助けになるようなお話をしたいと思います。

第4回   6月23日 (金)

歯科と認知症-口は災いのもと:歯周病や咀嚼機能低下は認知症の危険因子-

医学研究科 病態生化学分野 教授 道川 誠
口腔疾患・口腔環境悪化とアルツハイマー病との関連が、複数の疫学研究によって指摘されている。本講演では、口腔疾患・環境悪化の代表的病態として、歯周病(炎症)や歯の欠損(咀嚼低下)を取り上げ、それらがアルツハイマー病分子病態、脳神経細胞の形態と機能、および記憶・学習機能へ及ぼす影響を、動物モデルを用いて明らかにした研究結果を紹介する。アルツハイマー病の発症予防や症状緩和に、口腔疾患治療・口腔環境改善で貢献できる可能性が明らかになれば、医学的・社会的意義は大きい。

第5回   6月30日 (金)

味覚と脳神経生理学-うまみは脳を刺激する-

医学研究科 脳神経生理学分野 教授 飛田 秀樹
離乳後の発育期にうま味成分のグルタミン酸ナトリウム(MSG)を経口から摂取すると、注意欠陥多動性障害(ADHD)モデル動物の攻撃性が減少します。MSGが上部消化管の受容体に結合し、胃迷走神経を介して生じる反応(腸脳連関)であることが明らかになってきました。脳では延髄弧束核、扁桃体、内側前頭葉が関係しているようです。発育期の食育の重要性、すなわち腸内フローラと情動形成の関係が示されつつあります。

第6回   7月7日 (金)

舌は健康のバロメーター-舌の見方を学ぼう!-

名古屋市立大学 名誉教授 横井 基夫
舌は体外に出して容易に観察できる上、全身状態をよく反映しているため、漢方医学では「舌診」と称して重要な診察法としています。古来より「舌は全身の鏡」「舌は健康のバロメーター」とされてきた由縁でもあります。舌の状態からは、血液や栄養の状態、体の水分の状態、熱や冷えの状態、体調の程度、病気の進行状態、上部消化管の状態、精神やストレスの状態などが分かります。こんなにすばらしい機能を持つ器官は、他に存在しません。
是非、舌の見方を知って頂き健康管理に役立てて頂ければと思います。*当日は手鏡をお持ち下さい。

第7回   7月14日 (金)

お薬の副作用を考える-お口に副作用のでる薬を中心に-

薬学研究科 臨床薬学分野 教授 鈴木 匡
お薬には時に有害な症状「副作用」が出ることがあることは良くご存知の通りです。しかし、お薬はそのほとんどがきちんと指示通り服用しないと期待される効果が出ません。普段服用しているお薬の副作用が出る仕組みを理解していると、副作用が出たとき気付きやすくなるだけでなく、効果的なお薬の服用にもつながります。本講義では、お薬の効く仕組みと副作用の出る仕組みをご理解いただきながら、特にお口に不快な症状(口腔乾燥、味覚障害・口内炎など)や重篤な障害の副作用の可能性のあるお薬の説明を中心にお話します。

第8回   7月21日 (金)

最新の口腔外科治療とは?-口腔癌からインプラント治療まで-

医学研究科 口腔外科学分野 教授 渋谷 恭之
顎口腔領域においては形成外科による再建手技の発達と骨と結合する人工歯根の開発により、術後の顎口腔QOLは著しく回復できるようになりました。さらに言語聴覚士などとの連携による口腔リハビリテーションが行われるようになり、咀嚼や嚥下、構音などの顎口腔機能が著しく改善するようになっています。その一方で、広範囲切除により機能が低下したままの症例が取り残されているのも事実であり、胃瘻の造設など、まだまだ検討すべき課題は山積しています。今回は最新の口腔外科療法の現状と問題点についてお伝えしたいと考えます。