オープンカレッジのご案内


最新医学講座   オープンカレッジ   2015年第3期のご案内。

No.3「リハビリテーション医療最前線」

[開講日程]平成27年11月13日(金)〜平成28年1月15日(金) (12月25日、1月1日を除く)
[コーディネーター]医学研究科 リハビリテーション医学分野 教授 和田 郁雄
超高齢化社会を迎え国の医療、介護施策が混迷する中、急性期からの受け皿として地域包括ケア病棟が新設されました。こうした中、リハビリテーション(リハ)医療の重要性はいっそう高まっております。脳障害に対し、最新のニューロイメージングをベースとしたニューロリハによる機能回復が現実化し、ロボット技術もこれを支えております。脊椎・骨関節障害によるロコモティブ症候群(ロコモ)やスポーツリハには運動学的理論に基づいた効果的な機能訓練が行われるようになりました。講座では、高齢者の寝たきりの主因となる脳の器質的・機能的障害や運動器障害に対するリハ医療分野での最新知見を発信する予定ですが、対極にある小児の発達障害へのアプローチについても企画しました。

第1回   11月13日 (金)

脳卒中、神経変性疾患と最新のリハビリテーション
-ニューロリハおよびニューロイメージングを中心に-

医学研究科 リハビリテーション医学分野 講師 植木 美乃
精神・身体共に健康で幸福な一生を送りたいのが我々の願いです。医学の進歩に伴い、日本の平均寿命は世界最高水準に達しましたが、高齢化社会を迎え脳卒中やパーキンソン病の罹患率は益々高まっています。疾患の罹患イコール精神・身体障害のイメージがありますが、最近の神経科学の進歩により、人間の脳は何歳になっても柔軟に変化し新しいネットワークを形成していくことが明らかとなっております。本講座では、最新の神経科学の進歩を踏まえて、それがどのようにリハビリテーションの分野に応用されているかをわかりやすく解説します。

第2回   11月20日 (金)

脳卒中の悩ましい問題 -失語や無視など高次脳機能障害に挑む-

日本福祉大学 健康科学部 教授 石井 文康
高次脳機能障害の捉え方は失語,失行・失認・半側空間無視,遂行機能障害など症状についての理解がなされることが多い。臨床的には,脳卒中の左右大脳半球損傷時に見られる高次脳機能障害(例:左大脳病変時は失語,右大脳病変時は半側空間無視等)について捉え,左右半球間の症状について理解することとなります。また,高次脳機能障害と身体的神経症状との相違点は,高次脳機能障害では身体自体に変化が現れず、その人の「能力」に変化が現れるという特徴があります。
脳卒中による高次脳機能障害の捉え方,ADLに及ぼす影響,リハビリテーションへの応用法についてわかりやすく解説いたします。

第3回   11月27日 (金)

ロコモティブ症候群(運動器症候群)の元凶「骨粗鬆症」
-ロコモ、骨粗鬆症の病態と対策-

医学研究科 整形外科学 助教 鈴木 伸幸
「ロコモティブシンドローム」(ロコモ)とは、「骨・筋肉・関節などの運動器の機能が低下して、要介護や寝たきりになった状態や、将来的にその危険性が高い状態」を指します。ロコモと骨粗鬆症は密接な関係があり骨粗鬆症性骨折により多くの方がロコモとなり要介護になります。骨粗鬆症を予防することはロコモを予防する事につながり果ては健康寿命すなわち自立して生きることのできる年数を伸ばすことにつながります。新薬ラッシュと言われる骨粗鬆症治療の最前線とロコモ対策の重要性について考えてみたいと思います。

第4回   12月4日 (金)

脳卒中慢性(維持)期にも機能回復を考えよう

名古屋市総合リハビリテーションセンター付属病院 リハビリテーション科 部長 小川 鉄男
従来、脳卒中においては「慢性期=維持期」とみなして後遺症に対する積極的な介入はなされてきませんでした。しかし、近年は慢性期においても機能回復を目指した様々な臨床的実践がなされるようになり、エビデンスの蓄積と理論的な裏付けも進みました。新たなリハビリ治療の有効性が認められ、本邦の「脳卒中ガイドライン」で推奨レベルとなったものも見受けられます。本講義では脳卒中慢性期におけるリハビリの必要性を概説し、いくつかの実績ある方法論について症例も交えて紹介します。

第5回   12月11日 (金)

ロボットからバーチャルリアリティまで,工学技術を用いた最新リハビリ機器

名古屋工業大学大学院工学研究科 機能工学専攻 准教授 坂口 正道
医療の現場では,CTやMRIなどの画像診断,人工呼吸器や人工透析器などの人工臓器,手術ロボットから再生医療まで,様々な工学技術が活用されています。リハビリの分野でも,近年ロボットやバーチャルリアリティなどの工学技術を用いた日常動作やリハビリを支援する機器が研究・開発されています。本講義では,国内外で話題のリハビリ機器を紹介すると共に,名工大での研究成果に基づき実用化された無動力歩行支援機ACSIVE(アクシブ)や,現在名市大と名工大で共同開発中のリハビリ支援装置については,実演を行い受講者の皆様にも体験していただきます。

第6回   12月18日 (金)

ここまできた、スポーツ障害へのリハビリアプローチ

日本福祉大学 健康科学部 教授 浅井 友詞
スポーツ障害のリハビリテーションは、筋力や柔軟性の回復によりバイオメカの観点から運動療法を行っています。しかし、ヒトの動作には、平衡バランスを獲得することが重要です。平衡バランスには、平衡感覚器や視覚、体性感覚が関与しており、これらの情報を統合させるトレーニングが必要です。今回の講義ではスポーツの基礎となる筋肉や平衡感覚器についてわかりやすく説明し、あまり知られていない眼球の動きと前庭への刺激を加えたリハビリテーションについて紹介いたします。

第7回   1月8日 (金)

脊椎疾患(骨粗鬆症性圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニア)の病態とリハビリテーション

医学研究科 リハビリテーション医学分野 准教授 水谷 潤
高齢化社会の真っただ中、ロコモティブ症候群(ロコモ)の主因の一つである脊椎疾患は急激に増加しつつあります。特に骨粗鬆症性胸腰椎圧迫骨折や脊柱管狭窄症は廃用症候群に直結することからマスコミ等でもしばしば取りあげられております。本講義では、これら脊椎疾患の病態とともに、リハビリ的、整形外科的対応について概説致します。

第8回   1月15日 (金)

乳幼児期の発達を考える -自閉症スペクトラムと発達性協調運動障害-

日本福祉大学 社会福祉学部 教授 牧 真吉
自閉症を発達の遅れとみなして、平均に近い子から重い子まで連続的に分布していると考えると自閉症スペクトラムという言い方になります。発達とは多くの要素の組み合わせで起きることであり、ばらつきが見られます。コミュニケーションの発達の遅れによって起きている事態を自閉症と考えると理解しやすくなります。この説明をするとともに、発達に対して私たちのとる対応は、発達につきあうことであり、平均発達にすることではないという考え方をお話します。また、合併症の発達性協調運動障害についても考えてみます。