オープンカレッジのご案内


最新医学講座   オープンカレッジ   2015年第2期のご案内。

No.2「最新のがん治療」

[開講日程]平成27年9月4日(金) 〜 平成27年10月30日(金) (10月2日(金)を除く)
[コーディネーター]医学研究科 血液・腫瘍内科学分野 教授 飯田 真介
「がん」は国民の死因の第1位であり、国立がん研究センターによると2015年の罹患数は982,100人と予測されている。高齢化により継続的な増加傾向を示し、同年のがん死亡者数は370,900人と見込まれている。しかし、早期診断法と新規治療法の著しい進歩により、がん患者の治癒率の向上や生存期間延長の著しいがん種もある。本オープンカレッジにおいては、21世紀になり特に注目されている治療法の進歩である、分子標的療法、免疫療法、内視鏡治療、ロボット手術や新しい放射線治療、そしてがん患者の心のケアを含む集学的治療の進歩について専門家の立場からわかりやすく説明し、市民の皆様にがん予防や治療に対する理解を深めていただくことを目的とする。

第1回   9月4日 (金)

肺癌分子標的治療の歴史と新たな展開

医学研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学分野 准教授 小栗 鉄也
日本における癌死亡数のトップは「肺癌」です。しかし近年、肺癌治療においてがんの増殖メカニズムに照準を定めて狙い撃ちする「分子標的治療薬」が続々と開発され、「難治がん」の一つである肺癌の治療が大きく変化し、光が差し込んできています。分子標的治療薬の効果を予測するバイオマーカーの確立や、分子標的治療薬の耐性メカニズムの解明とその耐性を克服する薬剤開発の研究が日々進んでおり、肺癌治療は新たな時代を迎えています。

第2回   9月11日 (金)

消化器がんに対する内視鏡診断・治療の進歩

医学研究科 内視鏡医療センター 准教授 片岡 洋望
最新のがん統計(2013年)によると日本人のがんの死亡数は1位 肺、2位 胃、3位 大腸、4位 膵臓、5位 肝臓と上位2位から5位までを消化器のがんが占めている。最近のわが国における内視鏡技術の進歩はめざましく、診断においては特殊光内視鏡による早期がんの診断技術、治療においては内視鏡的粘膜下層剥離術、ステント留置術などの消化器内視鏡診療技術は世界をリードしている。本講義では消化管を中心に、進歩がめざましい内視鏡によるがんの診断、治療につき解説する。

第3回   9月18日 (金)

放射線治療の最前線

名古屋市立西部医療センター 陽子線治療科 部長 荻野 浩幸
低侵襲治療である放射線治療は近年照射技術の著しい進歩に伴い、その治療成績を向上させている。いわゆるピンポイント治療と呼ばれる定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)は一般診療として広く普及しており、さまざまな部位のがんに用いられている。さらに最近では最先端治療である陽子線治療も名古屋市内ではじまり、従来のX線治療での治癒が難しい病態にも治療が行われつつある。生活の質(QOL)を落とさずにがんの治療をめざすこれら放射線治療の現状と展望を概説する。

第4回   9月25日 (金)

免疫療法でがんが治るか?

愛知医科大学 腫瘍免疫寄附講座 教授 上田 龍三
がん免疫療法が期待されて久しい。巷間では、これまでも多くのがん免疫療法が試されてきたが、科学的な評価に耐える有効性は示されなかった。これまでの地道な腫瘍免疫学の研究から得られたがんに特異的な免疫の増強法、がん免疫抑制分子(免疫チェックポイント)の解除法、がんに対する自然免疫の増強法などの開発により、遂に、この2010年から有効ながん免疫療法が開始された。がんの治療法として、外科(手術)療法、放射線療法、薬物(化学)療法に加えて、第4の治療法としてがん免疫療法が参入すると期待されている。その実態を紹介する。

第5回   10月9日 (金)

腹腔鏡手術からロボット手術へ

医学研究科 腎・泌尿器科学分野 准教授 戸澤 啓一
前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen: PSA)による検診の普及に伴い、早期前立腺癌の割合が増加しています。この中で、低侵襲手術の確立、放射線療法の進歩により根治療法の選択肢が大幅に増加しました。患者にとって大きなメリットであるが、逆に自分に最も適合した治療法は何か?で迷うことも多くなっているのが現状です。本講演では、近年の前立腺癌の根治療法、特にロボット支援手術をはじめとした低侵襲手術の進歩についてわかりやすく概説します。

第6回   10月16日 (金)

がん薬物療法の進歩とがん患者支援

医学研究科 化学療法部 准教授 小松 弘和
がん薬物療法について、抗がん剤、新薬である分子標的・抗体療法、さらには免疫療法を概説するとともに、がんの集学的治療の考え方について説明する。入院から外来へ移行してきた外来薬物療法の現状をその現場から紹介する中で、看護師、薬剤師等、コメディカルとのチーム医療の在り方・実践を紹介する。また、がん患者および家族が利用できる医療資源とは何かを検討しながら、がん患者の難民化をいかに防ぎ、そして、最良のがん医療を提供するための方法を考える。

第7回   10月23日 (金)

がん医療におけるこころのケア

医学研究科 緩和ケア部 病院准教授 奥山 徹
がんを患うことは、からだのみならずこころにも様々な負担をもたらします。近年、がんを患う患者さんやそのご家族に対して、適切なこころケアを提供することを通して、よりよく生活できるよう援助するサイコオンコロジー(精神腫瘍学)という分野が発展してきており、私たちもこの分野に積極的に取り組んでいます。
がんを患った際にどのような心の反応が生じるのか、ケアが必要なこころの状態とはどのような状態か、またその際にはどのようなケアを行うかなどについて、分かりやすくお話したいと思います。

第8回   10月30日 (金)

血液がんに対する分子標的療法の進歩

医学研究科 血液・腫瘍内科学分野 教授 飯田 真介
我が国における造血器腫瘍の罹患患者は年間4万人と推定され、高齢者の増加にともない年々増加傾向にある。年間死亡数は2万人であり、約半数の患者に治癒が得られている。また治癒が得られずとも、長期にわたり病気と共存できる疾患が増えてきた。この治療の進歩は、従来の抗癌薬の多剤併用療法に加えて、分子標的療法、造血幹細胞移植療法、放射線療法などの進歩によるところが大きい。本講演では、特に高齢者に優しい分子標的療法の進歩について主要な疾患を例に概説する。