オープンカレッジのご案内


最新医学講座   オープンカレッジ   2014年第2期のご案内。

No.2「心血管病最前線 -予防から先端治療まで-」

[開講日程]平成26年9月5日(金)〜平成26年10月24日(金)
[コーディネーター]医学研究科 心臓・ 腎高血圧内科学 教授 大手 信之
心血管病による死亡は全死亡のほぼ30%を占めます。本病態の発症には好ましくない生活習慣の関与が大きく、適切な生活習慣の改善や薬物治療により、その発症を予防することができます。たとえ不幸に心血管病を発症したとしても、循環器病学の目を見張る進歩によってカテーテル治療あるいは心臓外科医による開心術によって、ほぼ元の状態で日常生活に復帰できます。本講座では、心血管病の予防から先端治療まで画像(多くの動画を含みます)を駆使してわかりやすく解説いたします。

第1回   9月5日 (金)

心血管病の"今まで"と"これから"を考える

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 病院講師 山下 純世
現在、我が国における死因の第1位は癌となっていますが、脳卒中と心臓病を含む心血管病による死亡は癌に匹敵します。我々の健康と健やかな老後をおびやかす心血管病の危険因子としては高血圧、喫煙、糖尿病、脂質代謝異常などがあげられます。これらのうち高血圧、喫煙に関しては好転してきましたが、ライフスタイルの欧米化により日本人男性の肥満度は上昇し、高齢者においても血清コレステロール値は増加しています。我が国の心血管病は今度どこに向かっていくのか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

第2回   9月12日 (金)

高血圧を科学する!

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 准教授 土肥 靖明
「血圧が高いと早死にする」ことがわかったのが今から100年前です。アメリカの第32代大統領フランクリン・ルーズベルトは高血圧による脳卒中で1945年に亡くなりました。この時血圧を下げる薬はまだありませんでした。その後血圧を下げる薬が開発され、「高血圧を治療すると長生きする」ことが証明されたのが今から約50年前です。以後、高血圧に関する研究は飛躍的に進みました。今日の講義はこの50年間の進歩をまとめ、高血圧の原因・病態・予防・治療をわかりやすく科学的に解説します。講義終了後、あなたは変わります。巷にあふれる血圧情報の多くが誤りであることに気づきます。

第3回   9月19日 (金)

弁膜症って知っていますか?

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 助教 若見 和明
心臓のドクン、ドクンという音を生み出しているのが心筋の動きと共に開放、閉鎖を繰り返している心臓内の4つの弁です。臨床的に弁膜症とは、これら弁の機能障害が急性あるいは慢性に心臓自体に過負荷を与えた結果、心不全の発症あるいは増悪の原因となるものを指します。近年小児期のA群β溶連菌感染に続発するリウマチ性の弁膜症が大幅に減少する一方で、高齢化社会を反映して加齢に伴う退行変性による弁膜症が増えています。本講義では大動脈弁、僧帽弁疾患を中心に、弁膜症の原因、経過、治療法(最新のカテーテル治療も交えて)についてお話します。

第4回   9月26日 (金)

危険な血管の"こぶ"

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 助教 杉浦 知範
動脈は酸素を多く含んだ血液を全身の組織に送る血管の総称です。動脈瘤とは、動脈の壁の一部が何らかの要因で薄くなり、血管がこぶ状に膨らむことで発病する病気です。"こぶ"は脳や心臓などの様々な血管に形成されることがありますが、その多くは無症状かつ経時的に拡大し、拡大するほど破裂の危険性が高まり、一旦破裂すると致命的です。本講座では、心臓から駆出される血液を送る最も太い血管である大動脈に焦点をあて、その"こぶ"である大動脈瘤の成因、予防法や治療法に関してお話し致します。

第5回   10月3日 (金)

いまだに怖い心筋梗塞、その治療と予防

医学研究科 急性心臓疾患治療部 講師 谷 智満
わが国の心筋梗塞の発症率は、年間10万人当たり10~100人程度と推定されており、現在も増加傾向にあります。集中治療室と再灌流療法の普及により、心筋梗塞の急性期死亡率は1980年前後の20%より、現在は6~10%に低下しています。その灌流療法の中心的な役割を果たしているものが、冠動脈インターベンションです。本講座ではいまだに怖い病気である心筋梗塞を中心に冠動脈疾患の予防と治療、特に内科医が行う冠動脈インターベンション治療についてお話しします。

第6回   10月10日 (金)

末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)ってどんな病気?

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 臨床研究医 藤田 浩志
末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)は四肢(主に下肢)を栄養する血管が動脈硬化により血流障害をきたし、しびれ・痛みを主症状とする病気です。有病率は70歳以上の方で約20%といわれております。症状があっても病気自体の認知度が低く病気の存在に気付いていない人も多くおられます。しかし、この疾患が進行すると下肢の壊死を引き起こし切断に至ることもあります。更に末梢動脈疾患のある人は全身の血管に動脈硬化をきたしていることが多く、冠動脈疾患を3割の人で、脳血管疾患を2割の人で合併するといわれており生命を脅かす疾患といわれています。今回はこの疾患についての知識を深めていただきたいと思っております。

第7回   10月17日 (金)

心房細動治療とカテーテルアブレーション

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 助教 後藤 利彦
心房細動は高齢者の不整脈と言われています。そして、わたしたちの住む社会は驚異的なスピードで超高齢化社会を迎えており、心房細動患者の爆発的な増加が見込まれます。心房細動はそれ自体では危険な不整脈ではありませんが、人によっては動悸を強く感じたり、高血圧や心不全、または糖尿病などの背景疾患を重ねるごとに脳梗塞を発症するリスクが増加するため、治療を要する不整脈の一つです。今後、ますます増える心房細動。わたしたちはこの病気にどのように向きあったらよいのでしょうか?その実態と最新の治療に迫ります。

第8回   10月24日 (金)

体に優しい心臓血管の手術

医学研究科 心臓血管外科学 教授 三島 晃
これまで心臓大血管の手術は人工心肺という大きな機械を使用し、特別な薬で心臓の動きを止めて行われてきました。高齢者が増加する社会では、このように多大なストレスを与える手術を行うことが困難となっています。最近では、弁膜症や大動脈瘤などは特殊なカテーテルを使用して治療できるようになってきました。この講演ではこれらの最新技術とともに、増加する重症心不全に対する補助人工心臓を用いる治療の取り組みをご紹介します。そして「ヒトの死と心臓移植」について御一緒に考えてみたいと思います。