オープンカレッジのご案内


健康科学講座   オープンカレッジ   2013年第3期のご案内。

No.3「重大疾患の予防学~日常生活の中でできることを考える~」

[開講日程]平成25年11月8日(金) 〜 平成26年1月10日(金)
(12月27日、1月3日は除く)
[コーディネーター]医学研究科 実験病態病理学分野 教授 高橋 智
病気を治療することはできても予防することなんてできない、と思っている方はいらっしゃいませんか?"病気を予防する"ということは難しいことのように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日常生活な中でちょっとしたことを気遣う事で出来るものもあります。病気の予防には生活習慣や食生活を改善することで病気にならないようにする一次予防、発症した病気を検診などにより早期に発見して病気の進行、重症化を防ぐ二次予防があります。本講座では、三大成人病など重大疾患の発生に関わるそれぞれの要因を理解して頂き、病気にならない、病気の発症を遅らせる、病気の悪化を抑えることを目指した疾患予防学の情報提供を行います。

第1回   11月8日 (金)

前立腺癌の予防

医学研究科 実験病態病理学 教授 高橋 智
前立腺がんの原因については未だ不明な点が多くありますが、食事要因がその発症に深く関与していることが示唆されています。したがって、前立腺がんの発症を予防するには、(1)食事に含まれる発がん因子あるいはがんの発育促進因子を特定して、それらの摂取を極力抑える、(2)前立腺がんに対する発育抑制因子を見いだし、それらを積極的に摂取する事が重要である、と考えられています。本講義では、食事中に含まれる物質を中心に前立腺がんの発症を予防する物質、促進する物質について、現在までに明らかにされている研究結果についてご紹介いたします。

第2回   11月15日 (金)

大腸癌の予防

国立がん研究センター研究所 がん予防研究分野 ユニット長 武藤 倫弘
本年は、人間の全遺伝情報が解読されてから10年目になり、がんの発病の予測技術はこの先急速に進むことでしょう。米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がんのリスクが高いために両方の乳房を予防切除したこと(本年5月)により、皆さんは予測技術の進歩とともに先制医療(発症を予測し、発症前に介入して発症を防止または遅らせること)を身近に意識することになったのではないでしょうか?国民病であるがんの予防は重要な課題ですが、メディアで取り上げられる疫学研究とは異なり、実験室で行われているがん予防の研究を一般生活者が知る機会は少ないと思います。がん化学予防剤の開発の話を中心に、最新の大腸がん予防の研究をご紹介いたします。

第3回   11月22日 (金)

糖尿病の予防

医学研究科 消化器・代謝内科学 病院教授 岡山 直司
糖尿病は近年も増加の一途をたどっている疾患です。糖尿病には大きく1型と2型に分類されますが、その多くを占める2型糖尿病は、遺伝因子と環境因子が関係して発症します。遺伝因子を変えることは現在できませんので、その予防には環境因子の改善が必要です。本講義では、主な環境因子である食事と運動を中心に、適切な予防方法についてお話しし、最近の話題である「食べ方の順序」や「低炭水化物食」についても取り上げたいと考えています。本講演でひとりでも多くの方の糖尿病の予防に貢献できることを期待しています。

第4回   11月29日 (金)

脳卒中の予防

医学研究科 脳神経外科学 病院教授 間瀬 光人
脳血管疾患は最近まで我が国の死因の第3位でしたが、昨年度より第4位とやや減少傾向にあります。これは急性期治療の進歩や再発予防のための治療法の発達に他なりません。しかし命が助かったとしても後遺症を残すことも多く、患者およびそれを支える家族や社会の負担は相当なものであることから、脳卒中にならない、すなわち予防も極めて大切であります。本講義では脳卒中の急性期治療と予防についての最新情報をわかりやすくご説明いたします。

第5回   12月6日 (金)

心不全は心臓病の終末像~心不全にならないために

医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 病院教授 大手 信之
心不全は心臓病の終末像であり、ひとたび心不全を発症したならば、たとえ治療により症状がなくなったとしても慢性心不全に分類されます。慢性心不全の5年生存率は日本人で約70%、米国人で30~50% と悪性腫瘍と同程度に厳しいものがあります。心不全の主な原因は高血圧と心筋梗塞であり、生活習慣がこれらの病気の発症に大きく関係します。本講義では、心不全にならないために、日々の生活における高血圧と心筋梗塞の予防法についてお話いたします。

第6回   12月13日 (金)

認知症の予防

医学研究科 神経内科学 准教授 松川 則之
急速に高齢化を迎える我が国において、認知症は早急に解決しなければならない社会問題の一つです。多くの疫学調査の結果から、認知症の危険因子などが明らかにされてきています。今回の講義では、これらの調査結果や基礎的実験結果を踏まえて、脳の加齢の観点から認知症の予防はどこまで可能かを分かりやすく概説致します。また、アルツハイマー病の薬物・非薬物治療はどこまで可能になってきたかをお話しいたします。

第7回   12月20日 (金)

乳癌は予防できるか

医学研究科 腫瘍・免疫外科学 病院教授 遠山 竜也
乳がんは日本人女性が罹りやすいがんのトップで近年増加傾向にあります。そんな乳がんを予防できればこれほどいいことはありませんが、予防って本当にできるのでしょうか?出産の有無や初産年齢が乳がん発症リスクと関係があることは以前より知られています。さらには、授乳の有無やその長さも乳がん発症リスクと関係があることも知られています。食事に関してはどうでしょうか?イソフラボンは果たして乳がん発症リスクを減少させるのでしょうか?乳製品の摂取はどうなのでしょうか?本講義では乳がん発症リスクに関わる様々な身近な要因についてわかりやすく解説いたします。

第8回   1月10日 (金)

胃癌の一次予防と二次予防

医学研究科 内視鏡部 准教授 片岡 洋望
我が国は世界有数の胃癌多発国であり、2010年の胃がん死亡者数は5万人を超え、肺がんについでがん死亡数第2位となっています。1990年代よりピロリ菌感染の胃がん発生への関与が明らかになり、昨年にはピロリ菌陽性の慢性胃炎に対する除菌療法が保険適用になりました。ピロリ菌以外にも以前より食塩(高塩食品)、喫煙、アルコールと胃がん発生の関連性が指摘され、緑茶、ベータカロテン、野菜摂取による予防効果も報告されています。胃がんの一次予防(胃がん発生の予防)と二次予防(早期発見により死亡を減少させる活動)の現状につきご紹介いたします。