オープンカレッジのご案内


健康科学講座   オープンカレッジ   2013年第2期のご案内。

No.2「こころと脳の医学最前線」

[開講日程]平成25年9月6日(金) 〜 10月25日(金)
[コーディネーター]医学研究科 精神・認知・行動医学分野 教授 明智 龍男
本世紀はこころの世紀ともいわれるように、こころの病が国家対策上でも重要な課題として取り上げられる時代です。精神医学の益々の重要性が繰り返し報道されておりますが、こころの病はともするとわかりにくいものでもあります。中でも、ストレス社会を背景とするうつ病に罹患される人の増加、社会の高齢化を受けての認知症の患者さんの増加などへの対応は喫緊の課題とされています。またがんをはじめとする身体の病気に伴って生じるこころの問題も無視できません。一方では、薬による治療の発展に加え、薬を用いない心理療法なども少しずつ医療の現場に浸透しつつあります。本講座では、現代社会で高い関心が寄せられているこころの病に焦点を当て、その最前線をわかりやすくご紹介いたします。

第1回   9月6日(金)

こころの世紀‐こころの病気って何?

医学研究科 精神・認知・行動医学 教授 明智龍男
本世紀はこころの世紀ともいわれるように、こころの病が国家対策上でも重要な課題として取り上げられる時代です。精神医学の益々の重要性が繰り返し報道されておりますが、こころの病はともするとわかりにくいものでもあります。それでは、そもそもこころの病とはどういったものを指すのでしょうか?精神の異常という言葉がありますが、何をもって異常とするのでしょうか?こころの状態を表す言葉として、「不安」「抑うつ」「妄想」「幻覚」などがありますが、これらの定義はどういったものなのでしょうか?世間には情報があふれ、こころの病については誤解も多いように思います。本講義では、こころの病気とはどういったものを指すのか、どういった状態を捉えてこころの異常と考えるのか等、これから始まる講義に先立ち、総論的な内容をご紹介する予定です。

第2回   9月13日(金)

うつ病について知ろう

医学研究科 精神・認知・行動医学 講師 竹内浩
今やcommon diseaseと呼んでも差し支えないくらいうつ病の方が増えています。それに伴いうつ病についての理解も進んできたようですが、まだまだ誤解も多いのが実情です。古くから存在しているにも関わらず、うつ病がどのような病気なのか、どのように診断されるのか、治療法にはどんなものがあるのか、なかなか正しい情報は広まっていないようです。
そこで本講義では、現在のところ認められているうつ病についての考え方、診断、治療法などを解説します。

第3回   9月20日(金)

アルツハイマー病はここまでわかった

医学研究科 病態生化学 教授 道川誠
アルツハイマー病は、ドイツの精神科医Alois Alzheimerによって1906年(明治39年)に報告された認知症を代表する疾患です。現在認知症患者数は300万人を越え、その約半数強がアルツハイマー病と考えられています。超高齢社会に突入した我が国ではその数が今後増加の一途をたどると考えられています。本講義では、アルツハイマー病の疫学、原因遺伝子の発見、危険因子の発見の歴史等を概説し、基礎研究の概略を解説するとともに、それを基盤にした治療・予防法の開発研究の現状と未来について解説します。

第4回   9月27日(金)

からだの病気とこころ

医学研究科 緩和ケア部 病院准教授 奥山徹
からだの病気を患うことは、からだのみならずこころにも様々な負担をもたらします。近年、からだの病気を患う患者さんに対して、適切なこころケアを提供することを通して、患者さんとご家族がよりよく生活できるよう援助することを考えることの重要性が広まってきており、私たちもこの分野に積極的に取り組んでいます。
当日は、がんなどのからだの病気を患った際にどのような心の反応が生じるのか、ケアが必要なこころの状態とはどのような状態か、またその際にはどのようなケアを行うかなどについて、分かりやすくお話したいと思います。

第5回   10月4日(金)

こころと脳に作用するお薬の話

医学部付属病院 薬剤部 調剤係 薬剤師 鮫島健太
うつ病やアルツハイマー型認知症に対する治療も、新しいお薬が次々と登場して患者さんの状態や使いやすさに合わせてお薬を選ぶ時代になりました。抗うつ薬は飲み始めてもすぐには効果が現れず、服用を続けていると徐々に症状が改善されてくる特徴があります。しかし最初の頃は副作用ばかりが目立つので、上手に付き合いながらお薬を続けてゆく必要があります。認知症治療薬は症状の進行を緩やかにする効果があります。お薬の種類も増え、ご本人の症状に合った、あるいはご家族にとって使いやすいお薬を選べるようになりました。この講義では、抗うつ薬や認知症治療薬などこころと脳に作用するお薬を分かりやすく解説します。

第6回   10月11日(金)

カウンセリング入門‐認知行動療法を用いてこころの健康を維持しよう

椙山女学園大学 人間関係学部 心理学科 准教授 中野有美
皆さんはカウンセリングにどのようなイメージを持っておられますか。カウンセリングとは、相談者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助、と定義付けられています。認知行動療法とは、抑うつ症状、不安症状などに対して、薬物療法と同等の効果があることが認められているカウンセリングの手法の一つです。最近は、日々のストレス対処法として、職場や教育現場でも広く活用されるようになっています。本講義では、認知行動療法の理論の簡単なご紹介から、日々のストレスケアにその理論や技法がどのように活用できるかについてまで、お話させていただきます。

第7回   10月18日(金)

こころの病気と脳画像診断

医学研究科 放射線医学 助教 川口毅恒
現代の医療現場では、CTやMRIといった表面からは見えない人体の内部を画像化する「放射線画像診断」が必要不可欠の技術となっています。一方で、こころの病に関しては放射線画像診断はまだまだ発展途上で、医師の中にも「精神科の病気は画像では分からない」という意見が少なからず存在するのが現状です。しかし、放射線画像を用いたこころの病の診断技術は年々発展を遂げており、一部はすでに医療現場で使用されつつあります。本講義では、放射線画像診断の基礎的な考え方から、なぜこころの病の画像診断はこれまで難しかったのか、医療現場の現状、そして今後の展望を紹介していきます。

第8回   10月25日(金)

こころの病気を持つ方のケア:家族も元気になりましょう

看護学部 准教授 香月富士日
精神疾患に限らず、慢性疾患の患者様と同居している家族は、家族にもストレスが蓄積し、精神的にも悪い状態になることが知られています。家族にストレスがたまると家族間の関係が不安定になり、そのことで患者様の病状に悪い影響が出ることもあります。このように多くの慢性疾患では家族関係が悪循環にはまってしまうことがあります。家族が病気になれば心配なのは当然ですが、実際はどのようにかかわればいいのでしょうか?講義では過去の研究結果や臨床経験からよりよい家族としてのかかわり方をお話しする予定です。