オープンカレッジのご案内


健康科学講座 オープンカレッジ 2009年第2期のご案内。

No.2「わかりやすい消化器がんの治療法

[開講日程]平成21年9月4日(金)~10月23日(金)
[コーディネーター]医学研究科 消化器外科学 教授 竹山廣光
がんは、1981年以後、わが国の死因の第一位であり、2006年では総死亡の30.4%を占めます。男性の死亡率は、肺が一番多いのですが、胃、肝臓、大腸、すい臓の順番で消化器がんが続きます。女性では、大腸、胃、肺、乳房、肝臓の順に高くやはり消化器がんが目立ちます。消化器がんに対して、予防が最善の対応策ですが、不幸にしてがんになった場合には治療計画を立てます。最善策が明確な場合は問題ありませんが、選択の幅が広く迷う場合もあります。最新の治療法を各臓器別に解説していただき病気の理解に役立てていただきたく思います。

第1回   9月4日(金)

食道がんの治療(外科)

医学研究科 消化器外科学 准教授 桑原義之
食道がんは治療困難な疾患の一つに挙げられ、充分な治療実績のある施設での治療が推奨されています。主な治療法としては内視鏡治療、外科治療、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)が挙げられますが、実際の治療においては、種々の要因が加わり、これらの治療法を単独で、又はそれぞれの特徴を生かし、組み合わせて(集学的治療)行います。今回の講演では、数多くの治療経験をもとに、食道がんの治療の実際について、一歩踏み込んで解説したいと思います。

第2回   9月11日(金)

食道がんの治療(放射線)

医学研究科 放射線医学 講師 荻野浩幸
食道がんに対する放射線治療は、従来手術不能例などに行われる場合が多く、放射線治療では食道がんを根治できる頻度が低いと考えられてきたが、最近抗がん剤との併用により病期によっては手術と同等の生存率が得られることがわかってきており、手術とならぶ治療の選択肢のひとつになりつつある。利点は食道の機能と形態が温存できること、麻酔が不要であることなどである。
実際の診療においては消化器外科、内科の食道腫瘍グループとの話し合いのもと、患者状態や病期などを含め最適の治療法を検討し、患者への治療法の提示を行ったうえで診療を行っており、チーム医療により治療成績の向上を図っている。

第3回   9月18日(金)

胃がんの治療(内科)

医学研究科 消化器・代謝内科学 講師 片岡洋望
胃がんは早期の段階で発見されれば内視鏡的に根治が可能です。近年、特殊光内視鏡や超音波内視鏡などの内視鏡的診断法は格段に進歩しており、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの内視鏡的がん切除技術の発展にも目を見張るものがあります。本セミナーでは動画を交えて解説し、最新の胃癌の内視鏡的診断・治療を理解していただきたく思います。

第4回   9月25日(金)

胃がんの治療(外科)

医学研究科 消化器外科学 講師 木村昌弘
健診の普及に伴う早期胃がんの発見率の向上、手術をはじめとする医療技術の発達により、胃がんの治癒率は向上してきています。また、ごく早期のがんが発見された場合には、胃を切除することなく、内視鏡的手術により治癒することもあります。しかし、現状は、手術治療および抗がん剤治療を必要とする場合が大半をしめています。これらの治療法の選択は、患者さんの体力も加味しつつ、ガイドラインに沿って行われています。手術治療は安全、確実であることは第一でありますが、手術後のQuality of Lifeも重要です。今回は現在行われている定型的な胃がん手術を紹介するとともに、低侵襲手術の一つであります内視鏡(腹腔鏡)手術についてもご紹介いたします。

第5回   10月2日(金)

肝がんの治療

医学研究科 消化器外科学 講師 岡田祐二
医学研究科 消化器・代謝内科学 助教 野尻俊輔
肝臓に発生するがんには、肝臓の細胞ががんになる肝細胞がん、胆管ががんになる胆管細胞がん、他の臓器にできたがんが転移することによる転移性肝がんなどがあります。この中で最も多いのが肝細胞がんです。肝細胞がんの発生にはB型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスの持続感染が関係しており、肝細胞がんの約90%の患者さんはこれらの肝炎ウィルスの感染が原因となっています。肝細胞がんの治療には動脈塞栓療法、ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法、手術による切除があり、腫瘍の大きさ、数、部位、肝機能等を考慮し、最適な治療法を選択します。今回の講義では、肝臓に発生するがんのなかで最も多い肝細胞がんを中心に、発生に関わる肝炎や治療法などについて説明をする予定です。

第6回   10月9日(金)

膵・胆道がんの治療

医学研究科 消化器・代謝内科学 准教授 大原弘隆
医学研究科 消化器外科学 助教 松尾洋一
膵・胆道がんは、従来よりその多くは腹部に発生するがんの中で最も予後の悪いがんの一つとされています。しかし最近、少しずつではありますがその診断と治療に進歩がみられます。診断面では、超音波、CT、MRIなどの装置の進歩によって、より正確な鑑別診断と進展度診断が可能になりました。治療の面では、完治を目指す唯一の治療法である外科的切除術の治療成績、安全性が向上してきています。また、外来で施行可能で有効性の高い抗がん剤が開発され、化学療法単独または手術療法との併用により、良好な延命効果も得られています。今回はこのような膵・胆道がんの診断と治療の進歩について、内科側、外科側の両面から解説したいと思います。

第7回   10月16日(金)

大腸がんの治療(内科)

医学研究科 消化器外科学 助教 高山悟
大腸がんは肺がんに次ぎ、がん死の原因としては2番目に多く(近年胃がん・肝がんを抜きました)、誰もがその危険にさらされているといっても過言ではありません。しかしながら大腸がんの大部分はポリープより発生し、早期に発見されれば内視鏡切除が可能で、しかも切除による根治性が高いと考えられております。即ち適切に内視鏡検査を受けることにより、大腸がん死のみならず、手術すらも受けなくてもよくなる可能性が高くなります。
本講義では、大腸がんの診断や内科的治療について解説し、また最近登場した巨大な腫瘍に対する切除方法である内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの最新の治療についても紹介します。

第8回   10月23日(金)

大腸がんの治療(外科)

医学研究科 共同研究教育センター 診療・情報管理部 講師 佐藤幹則
大腸がんは年々増加しており、それにつれて命を落とされる方も増えています。大腸がんは、早期に発見されれば、ほぼ100%治すことのできるがんで、がんの中でも最もたちの良いがんであるといえますが、本邦では、生活習慣の改善による予防とスクリーニングによる予防が遅れています。2005年に大腸がん治療ガイドラインが発行され、今年の夏には改訂される予定で標準的な治療法が確立されてきています。また、患者さん用の解説書も発行され、広く理解されるようになってきています。
本講義では、大腸がん治療ガイドラインに沿って、大腸がんの診断や進行がんに対する外科的治療について解説し、また腹腔鏡手術など最新の治療についても紹介します。