オープンカレッジのご案内


健康科学講座 オープンカレッジ 2008年第2期のご案内。

No.3「食事・栄養・代謝からみた健康と病気」

[開講日程]9月5日~10月24日
[コーディネーター]麻酔・危機管理医学分野 祖父江和哉
食事や栄養、さらに運動が健康や病気にとって重要であることはだれもが賛成してくれるでしょう。このシリーズでは、食事や栄養の視点から、健康や病気をとらえてみたいと考えています。食事や栄養について、臨床や研究で深くかかわっている管理栄養士、研究者、医師といった多彩な講師陣から、多様な切り口で講義してもらいます。受講者の皆さんに食事や栄養に関する科学的知識を深めていただき、健康や病気について新しい側面から関心を持っていただきたいと思っています。

第1回   9月5日(金)

栄養学の基礎知識-健康人の食事から重症患者さんの栄養療法まで-

医学研究科 麻酔・危機管理医学分野 教授 祖父江和哉
私たちが日頃何気なく摂取している食事にも、さまざまな科学的根拠が存在します。また、病院の食事も科学的根拠にもとづいて処方されます。さらには、集中治療室において経口摂取できない患者さんとっても食事や栄養療法は重要です。初回の講義では、一連の講義をより理解を深めるために、健康人の食事から重症患者さんの栄養療法までさまざまな事例を紹介しながら、栄養学の基本的な知識を解説します。

第2回   9月12日(金)

食事・運動・代謝と糖尿病

医学研究科 消化器・代謝内科学分野 准教授 岡山直司
糖尿病はインスリンの作用不足により、血液中のブドウ糖(血糖)が増加し、様々な代謝異常や全身の血管障害を来す病気です。その治療および予防で最も大切なものは、適切な食事の摂取と適度な運動です。しかし、食事の種類におきましても、糖尿病に良いもの悪いものがありますし、栄養バランス、食べ方、食べる順番など色々と知っておくと良いことがあります。また、運動につきましても、その効果がどのように現れるのかのメカニズムを理解することは大切ですし、実際の運動の方法、逆に運動が適切でない場合なども知っておくと良いと思われます。本講座では食事・運動・代謝と糖尿病との関係についてお話ししたいと思います。

第3回   9月19日(金)

食品とがん、がん予防

医学研究科 分子毒性学分野 教授 津田洋幸
食品中には、植物の構成成分、添加物、農薬、カビ毒など発がん性を示すものがあります。また、食品中の成分が生体内で、あるいは調理中に反応して発がん物質ができる場合もあります。さらに、発がん物質は、生体内でその作用が増強あるいは抑制される場合もあります。このような食品中の発がん物質及び複合摂取による発がんの修飾について解説します。さらに、がんは生活習慣病とも言えます。いかにして予防できるかを食品成分を中心にして解説します。

第4回   9月26日(金)

ライフステージにおける栄養学

金城学院大学大学院 人間生活学研究科 准教授 丸山智美
日本では急速に高齢化が進行しています。健康な高齢期を迎えるためには、高齢期に至るまでの各ライフステージにおける食生活を適正に営むことが重要です。ヒトは誕生してから加齢とともに、成長、成熟し、そして老化するという時間軸にしたがって一生を終えます。思春期や妊娠・分娩、更年期などを含む成人期、加齢に伴い退行が現れる高齢期では、同じヒトでありながら、人体の構造・機能や必要な栄養素量が異なります。本講座では、すべてのヒトに必要な共通の栄養素と、現代に生きる日本人がライフステージ別に考慮するべき摂取栄養素と食生活について、加齢栄養学の視点から解説します。

第5回   10月3日(金)

食事と脳の代謝 -朝食の栄養学-

医学研究科 分子神経生物学分野 教授 浅井清文
近年、出勤や登校などで忙しくて朝食抜きになってしまう人が増えている中で、朝食を摂ることの効用を良く耳にされると思います。脳は、体の中で一番多くのエネルギーを必要とする臓器です。この講義では、脳のエネルギー代謝の特殊性について学び、朝食の効用を、脳の代謝という面から科学的に捉えてみたいと思います。

第6回   10月 10日(金)

人工の腸管 -静脈から投与する栄養-

医学研究科 消化器外科学分野 准教授 竹山廣光
一切口から食事をとらず胃や腸から栄養物を入れることもせずに、点滴により生命を維持し、さらには発育さえ可能になっています。通常の点滴法とは異なる点が多いのですが、静脈内に輸液剤を投与することは同じです。この輸液法を中心静脈栄養と呼んでいます。この方法の進歩により、手術前後の管理のみならず、重傷患者さんの栄養管理が飛躍的に進歩しました。腸管が極端に短く食事ができないため、この方法で点滴しながら社会復帰している人もみえます。学校へ通っている子供たちもいます。出産された人もいます。このように腸管の代わりになるということで人工腸管と呼ぶこともあります。中心静脈栄養法の歴史、方法、利点、欠点、今後の展望について述べたいと思います。

第7回   10月17日(金)

医食同源 -身近な食品を薬膳の視点から見つめる-

名古屋市立大学病院 管理部医事課 栄養管理係長 太田美穂
薬膳のイメージは、一般的に漢方薬を使っている料理、薬臭い料理、中華料理などといわれています。薬膳は中医学理論に基づいて作られた食事です。中医学とは中国伝統医学のことで、4000年以上の経験と実績から得た食品の効能を分析しており、それが中国の日常生活に自然に浸透しています。今回、薬膳とはどういうものかについて説明するとともに、日頃、私たちが食べている食材について、薬膳の視点から見つめてみたいと思います。食品の効能を日々の食卓に応用し、健康保持・増進に役立ていただけるお話をします。

第8回   10月24日(金)

お口の機能を見なおそう -健口力のススメ-

医学研究科 口腔外科学分野 教授 横井基夫
われわれは日常生活の中で、おしゃべりをしたり歌ったり、また食べたり飲んだり味わったりしております。この陰では、多くの口腔の機能が同時にまた連動してうまく働いておりますが、それぞれの機能を意識することはありません。しかし、小さな口内炎一つで食事や会話に不自由したという経験をお持ちの方も多いかと思います。口は、体の中で最も敏感で繊細な部位です。食べてはいけない物を口にした時には即座に判断し生体を防御する重要な役割も担っています。動物たちにとっては、口から食べられなくなったら死を意味します。この講座では、口の中の多くの機能を今一度見直すことで、新たな発見や感動があるかもしれません。