腫瘍研究グループ

泌尿器癌の制圧を目標として、分子生物学的手法を用いて、1)膀胱癌の早期診断2)前立腺癌のホルモン耐性・転移機構の解明3)膀胱癌の分子標的治療4)前立腺癌の温熱治療への可能性を研究している。

1.  膀胱癌の早期診断

膀胱癌の予後や抗癌剤治療に対する反応を予測する因子として、癌抑制遺伝子であるCDK inhibitor(P21、P27)、ATBF1の発現を検討している。

2.  前立腺癌のホルモン耐性・転移機構の解明

前立腺癌のホルモン不応性獲得に関与する遺伝子として細胞周期制御因子(cyclin)を発見した。cyclin Eはin vitroでアンドロゲン受容体の転写活性をアンドロゲン依存性に約8倍上昇させ、抗アンドロゲン剤の投与により活性は約2倍まで抑制された。一方、ステロイド受容体転写共役活性化因子はアンドロゲン受容体を介した、標的遺伝子に対する転写活性の橋渡しに必要である。in situ hybridizationにて、ヒト前立腺癌の約46%にSRC‐3の過剰発現が認められ、悪性度、再発に相関していた。また、前立腺癌細胞株LNCaPを用いた実験で、SRC‐3がAKT/mTORシグナル経路を介したアポトーシスの調節に関与していることが証明された。現在、ペルオキシソーム増殖活性化受容体 (peroxisome proliferator-activated receptor : PPAR)のリガンドを用いたホルモン耐性前立腺癌治療への応用を検討している(下図)。

3.  膀胱癌の分子標的治療

膀胱発癌物質BBNによるラット膀胱発癌モデルを用いて膀胱癌の遺伝子治療を試みている。アデノウイルスベクターに組み込んだ癌抑制遺伝子P21による制癌効果を得ている。現在、遺伝子導入効率、種々の放射線療法との併用効果を検討している。

4.  前立腺癌に対するマグネタイトを用いた誘導温熱免疫治療

前立腺癌の骨転移に対する正電荷リポソーム包埋型磁性ナノ粒子:マグネタイトを用いた組織内誘導加温法を用いた誘導温熱免疫治療を検討している。ラット前立腺癌皮下移植モデルでは、この正電荷リポソーム包埋型磁性ナノ粒子を用いた組織内誘導加温法で腫瘍増殖抑制効果が認められた。

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