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受賞報告レポート

第95回日本泌尿器科学会総会賞を受賞して

岡田淳志 名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学
 岡田  淳志 2007/04/28

この度、第95回日本泌尿器科学会総会(神戸国際会議:2007年4月14日〜17日)におきまして、「アンチセンス発現尿路上皮細胞およびノックアウトマウスを用いた腎結石形成におけるオステオポンチンの役割」の研究で第95回日本泌尿器科学会総会賞を受賞させていただきましたので、報告致します。

昨年の総会におきまして、本研究の基盤となります研究「腎結石の消失現象の発見」におきましても、第94回日本泌尿器科学会総会賞を受賞させて頂きました。このような栄誉ある賞を2年連続受賞にさせていただいた事に対しまして、私自身驚きを隠せないとともに、私たちの研究が将来への尿路結石予防・治療法の開発につながることを、全国的に期待されていることを痛感致しました。

私たちの研究の主旨を簡単に解説致します。当教室教授 郡健二郎が、結石の中に含まれる有機物質(結石マトリックス)として、オステオポンチンなどの遺伝子を発見して以降、結石に他の疾患と同様に「遺伝子」の関与という概念が確立致しました。
 

昨年の総会では、尿路結石に関わる新しい動物モデルとして、マウス結石モデルを報告し、結石形成過程にはオステオポンチンが重要な働きを担っている可能性を示しました。
本研究では、このオステオポンチンを作ることができない腎尿細管培養細胞(アンチセンス発現細胞)およびマウス(ノックアウトマウス)を作成し、正常な系と比較する実験を行いました。その結果、培養細胞でもマウスでも、オステオポンチンがないと、結晶の量が少なく、その形態も小さくバラバラであることが認められました。一方、オステオポンチンを作ることができる正常細胞およびマウスで形成された結晶は、数も多く、結晶同士が結びついて、大きな塊(おそらく結石)になっている像を捉えることに成功しました。すなわち、オステオポンチンはこの実験系だけではありますが、尿路結石形成に必須な物質であることが示されたわけです。
 

第95回日本泌尿器科学会総会にて
第95回日本泌尿器科学会総会にて
(神戸国際会議:2007/4/14〜17)

オステオポンチンは生体内で、発生・分化、骨形成・骨吸収、炎症・免疫などにおいても重要な働きを担っており、一概にその機能を破壊すれば結石ができなくなるというものではありません。しかしその詳細な機能解析は、今後の結石形成機序の解明に重要な情報を与えてくれることと信じています。

この春より、市大病院勤務に復帰することとなり、臨床とともに研究面に置いてもさらに充実させて行きたいと考えております。

最後になりましたが、ご指導・ご協力を頂きました諸先生方、実験助手の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

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