医局のご案内

臨床試験への取組み

 

1)臨床試験施設データーマネージャー、診療情報管理士資格を取得

消化器外科医局秘書の山田信子さんが平成16年12月、財団法人がん集学的治療研究財団より財団の臨床試験施設データマネージャーとして認定されました。 さらに、平成17年4月に診療情報管理資格試験に合格し、診療情報管理士の資格を習得されました。

現在、臨床試験や治験は、名古屋市立大学病院にとって医療の質の向上をめざし、病院の高い評価を得るためにも非常に重要と考えられています。

教室では、山田さんがデータマネージャーと診療情報管理士の資格を取られたことで、病院の中で率先して臨床試験に取り組み、高い評価を得ています。

2)患者さんにとっての臨床試験とデータマネージャー

臨床試験の目的は、いうまでもなく患者さんにとって効果のある最善の治療法を標準治療法として確立することです。患者さんが、現在出回っている薬剤の中から治療に最も効果のある薬剤の選択を願うのは当然であり、権利でもあります。

とくに、がんで苦しんでいる患者さんにとっては、一刻の猶予も許されない問題であって、出来るだけ早く信頼しうる証拠に基づいた医療 (EBM)の確立を願っています。そのためには、短期間に多くの症例の集積が最も重要であり、積極的な臨床試験への参加が望まれます。

しかしながら、いくら医師がやる気になっても、患者さんが協力してくれない限り臨床試験はスムーズには進みません。忙しい医師にとって、臨床試験はかなりの負担であり、書類の作成や、臨床試験に不安を持つ患者さんの理解を得るために時間をかけてじっくりとコミニュケーションを取るなどの時間的な余裕はないのが実情です。

このような場合、データマネージャーやコーディネーターの役割は、極めて大きいといえます。幸いなことに、私どもの教室では、がん集学的治療財団のデータマネージャーの山田信子さんが、臨床試験審査委員会への書類の作成はもとより患者さんへのインフォームドコンセント、治験中の患者さんの精神面でのフォロー、医師が見落しやすい検査項目・治療スケジュールなどをきめ細かくチェックしてくれています。彼女が、非常に好意的に臨床試験に関わり、患者さんと密にコミュニケーションをとってくれるおかげで、医師、看護師も臨床試験に協力的であり、何より患者さんがとても喜んで積極的に試験に参加しています。

これからの医療にとっては、臨床試験は必須であり、病院としても積極的に取り入れなければなりませんが、そのためにも臨床試験をサポートするデータマネージャーやコーディネーターの果たす役割はきわめて大きいと言えるでしょう。

このページのTOPへ