名古屋市立大学大学院医学研究科 産科婦人科|名古屋市立病院 産婦人科 〜不育症・習慣流産治療、出生前診断は全国で先駆けて行っております。〜

研究グループ:内分泌(不妊)グループ

生殖内分泌(不妊)グループについて

婦人科によくみられる症状である月経異常、排卵障害などの原因となる視床下部-下垂体-卵巣系の内分泌異常に関する診療・研究を行っています。また、生殖生理及びその異常である不妊症に対する研究・診療も行っており、必要なご夫婦に対しては一般不妊治療及び生殖補助医療技術を用いた治療を施行しており、赤ちゃんを望むご夫婦の希望が叶うことへの一助となれるようスタッフ一同日々頑張っています。体外受精・胚移植治療は1987年より実施しており、現在では、顕微授精、受精卵・精子の凍結保存、着床障害の改善・着床率の向上を目的としたレーザーによるアシステッドハッチング(補助孵化法)などの技術も取り入れています。泌尿器科との連携によって重症男性不妊症の治療にも力を入れており、無精子症の男性からMESA、MD-TESEなどの技術により外科的に採取した精子を用いた顕微授精も行っています。

大学病院という施設の特徴として、いわゆる難治性不妊症といわれるご夫婦が多く受診されますが、個々のご夫婦の状況を考慮し、十分な話し合いの上、なるべく負担がかからず、安全で効果の期待できる治療方法を行うよう心がけています。

また、マイクロマニピュレーションの技術を応用し、当施設および学会の倫理委員会の認可の元に、筋硬直性ジストロフィーなどの遺伝性疾患・染色体相互転座に起因する習慣流産に対する着床前診断にも取り組んでおり、対象となるご夫婦の希望に添えるよう努力しております。

スタッフ

スタッフ集合写真
  • 佐藤 剛
  • 服部幸雄
  • 齋藤知恵子(臨床検査技師)

対象患者

  • 月経異常
  • 排卵障害
  • 思春期の月経不順
  • 不妊症

外来検査

  • 卵管通気通水検査
  • 子宮卵管造影検査
  • 黄体機能検査
  • GnRH負荷検査
  • フーナーテスト
  • 精液検査      など

主な治療

  • ホルモン剤等を用いた月経異常の改善
  • 一般不妊治療:タイミング指導、排卵誘発
  • 生殖補助医療による不妊治療:
    人工授精、体外受精・胚移植(顕微授精、凍結保存胚移植) など

研究内容

  • 分子生物学的手法を用いた未受精卵・割球の遺伝的解析
  • 精子の染色体異常の解析
  • 頚管粘液中のサイトカイン等の解析による妊娠予後の予測に関する研究
  • 着床に及ぼす透明帯因子の影響   など

研究トピック『それは夢の芸術なのか?(ART最前線)』

ART(補助生殖技術)は挙児を希望するカップルに大きな福音をもたらしたが技術の発展の陰で倫理なきカオスの状況もある。近年ARTは単なる治療法からPGDへと診断法としての一つの可能性を示した。PGDとは何か?そしてそれは未来へのブレイクスルーなのか?命の始まりを見守る限りなく真摯な瞳。その巨大な指が巧みに操るARTの世界が誰の目にも圧巻な、産婦人科佐藤剛講師を直撃した。

ART(補助生殖技術)は挙児を希望するカップルに・・・

  • Q  着床前診断(PGD)とは?
    体外受精技術で得られた初期胚より1〜数個の割球を採取・解析し元の胚の異常の有無を診断し子宮内へ移植する胚を決定する方法で、遺伝性疾患の罹患者または保因者であるご夫婦の胚が対象となります。絨毛や羊水を用いる出生前診断と異なり妊娠前に診断するため妊娠成立時点で胎児に疾患がないことが判明しており、不安無く妊娠を開始・継続できます。また罹患胎児妊娠による流産の反復や妊娠中絶の選択による母体の身体的、精神的苦痛を避けられることも大きなメリットです。
  • Q  PGDの問題点は?
    問題点としては、[1]体外受精に付随する母体への合併症、胚生検の出生児への長期的影響など安全性に関する問題、[2]胚操作・解析に関わる高度で繊細な診断技術の必要性、限られた検体による診断精度の限界などの技術的問題、[3]胚の選別、疾患の重篤度の判断に関わる倫理的問題などがあります。そのため、施行に対する意思決定の前に、疾患に対する適切な遺伝カウンセリングの実施・他の選択肢の提示とともに、これら問題点についても十分な説明がなされることが必要です。
  • Q  PGDの今後は?
    ヒト全ゲノム解読が終了し疾患遺伝子の解析が進む中PGDが可能な疾患は増加すると思われます。平成18年4月に染色体相互転座に起因する習慣流産が適応に加えられました。当教室では伝統的に流産の研究・臨床に力を入れておりこのような患者様にも治療法の選択肢の1つとして御希望があれば施行の準備は整っています。現在学会の認可を受けPGDでの治療が進行中、待機中の方が数組みえPGDの成功により元気な赤ちゃんが訪れるための一助となれるようスタッフ一同頑張っています。
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【名市大産科婦人科 専門分野】習慣流産・不育症・生殖免疫学・出生前診断・臨床遺伝学・周産期管理・生殖内分泌・不妊症・代謝・中高年・周産期管理・腫瘍