サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト

講座のねらい

細菌は自然界に広く存在する。人が足を踏み入れたことのない地底洞窟、深海、高温の温泉が噴出すところなどにも未知の細菌が生息している。我々人類は昔から細菌を食品加工に利用し、現在のバイオテクノロジーの基盤となっている分子生物学に、細菌やそれが産生する酵素を使用するなど多くの恩恵を得てきた。しかし細菌が引き起こす感染症との長い戦いの歴史があることも事実であり、発展途上国では高い死亡原因であり、日本においても医師が抗生物質を用いて治療を行い、研究者は細菌感染症がいかに起きるか、どのような新たな治療法があるかを毎日模索している。この講座では一般の高校生が普段目にすることができない細菌、特に病気を起こしうる細菌を実際の目で観察してもらう。そして細菌がいかに身近に存在するか、それにもかかわらず我々はどうして病気にならないか、しかし手洗いなどの予防がなぜ重要であるかを体得する。一方細菌は生物としていかに高度な進化をとげているのか、分子生物学においていかに有用であるかを体験できる講座にしたい。

実施日:2007年7月26・27日

具体的な内容

学生のからだ、食品中あるいは環境中の細菌を培養する。増殖した細菌を染色し、あるいは生きたまま観察し、どれだけ身の回りに細菌が存在しているかを体得する。手洗い、消毒・滅菌による効果を観察する。遺伝学的な多様性がいかに生まれるかを観察するため、遺伝子導入実験、薬剤感受性試験を行う。分子生物学でいかに利用されているかを体験するためプラスミドDNAの抽出、制限酵素でのDNAの切断、電気泳動による観察を行う。

参加メンバー

細菌学分野

長谷川教授、立野講師、井坂学内講師、南助教、松井臨床検査技師

名古屋市立菊里高校 生徒10名

名古屋市立大学

医学部事務

原係長

学術推進室

福満副係長