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喫煙者は非喫煙者に比し2型糖尿病 (DM) の最大罹患因子である体格 (BMI, kg/m2) が小さく、DM罹患に影響を与える。そこで、健康者で喫煙と
BMIの DM罹患への交互作用を追跡研究で示した。対象者は追跡開始時に DMの現病・既往がなく、他の治療中疾病がなく、重大疾病の既往もない 30-59歳の男 16829名。喫煙は never- (23.1%), ex- (24.6%),
light- (≤20本/日, 24.0%), heavy-smokers (>20本/日, 28.4%) に、BMIは四分位
(Q1~Q4) でそれぞれ4群とした。 対象者を平均 7.4年追跡し、869名で DM罹患を認めた。BMIが最大のQ4群 (BMI>24.7 kg/m2) では、never-smokers に比し heavy-smokers の DM罹患リスクが有意に高く、一方、BMIが小さい Q1群 (BMI<21.3 kg/m2) では、never-smokers に比し light--smokers の DM罹患リスクが有意に低かった。この結果は、年齢、飲酒、運動、学歴で補正している。 喫煙と BMIは DM罹患に交互作用を示し、多量喫煙は肥満者の DM罹患を増悪させ、少量喫煙はやせ者の DM罹患を減少させる。 永谷照男
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