第 23 回機構改革検討委員会 2001 年 2 月 14 日
病院診療科再編に関する提言の最終案を以下のようにとりまとめた。
診療科再編に関する提言
機構改革委員会委員一同
新病院では患者さんに分かりやすく、安心して診療を受けていただける病院を目指し 、且つ新しい時代のニーズに対応する部門を立ち上げ、本院が今世紀も地域における 診療・教育・研究の指導的病院として機能するよう、以下のような診療科再編構想を 提言致します。
本院の新しい診療体制を以下のごとく組織する。(*印は再編、下線は認可され た新設講座)
<診療科・センター>
<内科>総合内科、消化器内科、 呼吸器内科、 循環器内科、 内分泌・糖尿病内 科、血液・化学療法内科、 腎臓内科、免疫・感染症、生活習慣病内科、神経内科
<外科>消化器外科、小児・移植外科、内視鏡(鏡視下)外科、一般外科、呼吸器 外科、乳腺内分泌外科、心臓血管外科 小児科、皮膚科、精神科、放射線科、整形外科、産科婦人科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、麻酔科、歯科口腔外科(以上12診療科は従来通り)
機能再生センター (臓器移植科、リハビリテーション科、形成外科、医用工学診療科)
緊急医療センター(救急部を組織拡大)
遺伝子診療センター(基礎医学部門と臨床医学部門より構成)
血液浄化センター(人工透析室を拡大改組)
<中央診療部門>(センター化したリハ、救急、透析を除く) 中央臨床検査部、 中央手術部、中央放射線部、 集中治療部、 分娩部、 医療情報部、 内視鏡部、 中央材料部、 薬剤部、 輸血部、 病理部、 急性心疾患治療室
<診療・研究・教育支援部門>
臨床工学センター(臨床工学技士、透析士、臨床検査技師など)
臨床治験センター(別途計画進行中)
臨床研修センター(別途計画進行中)
上記再編計画実現のために、医師だけでも17-19名を必要とする。各診療科が人員を出し合い、新規立ち上げあるいは増員すべき診療科・センターに配分するものとする(緊急医療センター医師5名については、市当局へ強力に増員要求する。) 他職種職員についても新規要求あるいは再編により充足する。
特に休日・夜間の救急医療を充実するために、本院全体の当直体制を根本的に見直す。
なお、本院の診療体制は疾病構造や社会環境など状況の変化に対応して、柔軟に見直すことができるものであるべきである。
提言の趣旨および提言にいたる経過説明
内科の再々編について(内科系部長・副部長懇談会の答申)
神経内科講座の新設は、組織的には既存の 3 内科と「併置」され、定員の移動 も含め医学部全体の改革の中で位置づけられるべき(当面このような形で処理、長期 的には固定化しない方がよい)
総合内科は、現在すでに標榜されているが、部長、副部長のポストがからになっ ている。神経内科講座が発足すれば、現在神経内科についている部長、副部長のポス トが空くので、それを総合内科に付け替えて実体のあるものにする。
各内科を通じた診療規格の統一や新病棟ベッドの内科系以外を含む臓器別利用計 画の具体化、新病棟開設時に「免疫・感染症」「生活習慣病」の発足(膠原病・心療 内科の発展的解消)、総合診療内科の定員化など、
診療科部長の任期制、講座身分(教授・助教授など)と病院職制(部長・副部長 など)の関係の見直しなど
外科の再々編について
両外科の診療科部長による話し合いの結果、心臓血管外科の新設に伴い、益々普及し ている内視鏡外科を立ち上げる案が提出された。
第一外科 部長 副部長
消化器外科 真辺忠夫教授(1外) 田中守嗣講師(1外)
小児・移植外科 橋本 俊助教授(1外) 近藤知史講師(2外)
内視鏡外科 竹山廣光助教授(1外) 早川哲史学内講師(1外)
第二外科 一般外科 藤井義敬教授(2外) 桑原義之講師(2外)
呼吸器外科 山川洋右助教授(2外) 桐山昌伸講師(2外) 乳腺内分泌外科 岩瀬弘敬助教授(2外) (1外、2外にて調整)
心臓血管外科
遺伝子診療部門の説明
基本は「遺伝子医療・診療の科学的・倫理的 superviseと情報の管理と、研究・技術 開発の両面を持つ」が前者にかなり比重がかかる。これについて、分子研未開設部門 のスペースの利用計画との関連を議論すべきとの意見があった。
医師3名、研究員2名、看護職2-3名、検査技師1-2名事務1-2名、コンピュータ担 当1名(以上は再配置により)、 臨床心理士1名、ケースワーカ1-2名(以上は新規要求)
機能再生センターの説明
設立の目的
21世紀の医学医療の中心となるものの1つに先端医学、医療として位置づけられ る再生医学、再生医療がある。現在あるいは3年後に実際の医療行為として行われて いる再生医療を機能再生センターとして1つにまとめ、「積極的な機能再生を行うセ ンター」として市民にアピールする。運営では横断的に各科の医師が治療に参加する 雰囲気を醸成する。
機能再生センターの組織
臓器移植科(小児・移植外科医師+1-2名、その他関係科医師兼務、 コーデイネータ1名、事務1名) 肝・腎臓・心臓・角膜の移植など、生体移植や脳死移植の医療を行う 部門。小児・移植外科、泌尿器科、眼科、心臓血管外科などがその中 心になる。
リハビリテーション科(リハ医師 現員3名+3名 ←脳外、呼吸器、 循環器)、(ケースワーカ2名、介護福祉士 ?名) 運動機能再生部門:リハ医、整形外科医、小児発達医学医、 理学療法士 (PT), 作業療法士(OT) 神経機能再生部門:リハ医、神経内科医、脳神経外科医、PT, OT, 言語聴覚士(ST)、 聴覚機能再生部門:耳鼻咽喉科医、言語聴覚士、 視機能再生部門 :眼科医、視機能訓練士 呼吸機能再生部門:呼吸器内科医、麻酔科医、PT 心機能再生部門 :循環器内科医、心臓血管外科医、PT これら部門で働く人々は部門を越えて働く。例えば言語聴覚士は言語療法 士として失語症患者の治療、聴覚訓練士として人工内耳の治療、高次機能 障害患者の評価(SLTA)などを行う。また医師は現在専任の3人と整形外科、 神経内科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、 麻酔科、循環器内科などから 兼務の医師が出向して、それぞれの患者の診察、訓練指導に当たる) (参考:現在のリハ部の構成:専任医師3名、理学療法係PT 4人、機能訓 練係PT5人、作業療法係ST2名、言語聴覚士0人、視機能訓練士0人)
形成外科(現員1名+2名) 形態機能再生部門・従来の形成外科的領域を中心とする部門 組織再生部門・皮膚培養移植などを中心とする部門 担当は形成外科医、耳鼻咽喉科医、皮膚科医などからなる。
医用工学診療科(臨床工学技士1名) 呼吸器、ペースメーカなど機能再生のための医用機器の装着、維持、 指導をするとともに、経皮神経刺激装置、深部電極を用いた神経刺激 装置(例えばパーキンソン病に対する脳深部刺激)などを用いて治療 に当たる部門(担当は麻酔科医、循環器内科医、心臓血管外科医、リ ハビリテーション医、脳神経外科医、神経内科医などからなる。補助 として臨床工学センター職員が参画する。) 発足当初はこれらの部門が中心となるが、再生医学の発展により新たな医療分野が できるのにしたがって、すみやかに新たな分野を立ちあげる。 実際の動きとしては外来部門は機能再生センターで統一して治療に当たり、入院・手 術などが必要な場合にはそれぞれの所属する診療科で行うのが実際的。 緊急医療センターの説明
<目的> 市民サービスの向上・医学教育・卒後研修の充実・救急医学の発展
<診療の基本姿勢> 救急医療は各科協調型の診療を基本とする。
<状況設定と想定対象患者数> 当面、救急車で来院する患者及び三次として紹介転院されてくる患者を対象とする。 (参考:現在でも本院には時間外再来患者が、平日で10-20名、土曜、日曜40名程度 、年間合計6000名ほどが来院) 上記の時間外再来を含めて一晩の来院患者数を一応30〜50名と想定する(一次患者の 混入は避けられない)。年間想定患者数1万数千名から2万名。
<実際の勤務態勢>(医師:現員2名+5名) 別紙に詳述するが、センターには専属医7名(各科から一定期間出向してくる医師若 干名を含めて)、研修医(常時5-6名)、学生(常時若干名)をおく。配置予定の看 護婦(士)以外にも、クラーク、検査技師、臨床工学技士、等の配置を要する。 尚、夜間、休日の当直帯には、病棟当直制度を見直して、内科系、外科系各1名の救 急患者専門の当直医をセンターに派遣することとする。
臨床工学センターの説明
臨床工学技士4-5名
目的:院内の医療機器の操作・保守・点検を通じて、医療の安全を守り、且つ 機器の使用の効率化を通じて経営改善に貢献する。
任務:院内(中検・中放を除く)のすべての医療機器の保守・点検 診療への関与 血液浄化法(透析、血漿交換など)、人工心肺(手術部、ICU)、人工呼吸 機能再生センターの医用工学診療科参加 職員の安全教育(機器に関する医療事故防止など) 新しい医療機器の開発
臨床治験センターの説明
すでに別途検討され、設置されつつあるが、現在の案では専従職員が少ないと考えら れる。 臨床治験センターも病院の活性化に必須であり、複数の専従職員をおき、組織を拡充 すべきである。
臨床研修センター
これも既に別途検討されているが、本委員会が既に基本理念で提言したように、学部 学生、臨床研修医、すなわち卒前・卒後を総合した研修管理部門が望ましい。さらに 本院が地域・社会に開かれたものとするために、将来的には病院で受け入れる各種研 修生(看護職、薬剤師、診療放射線技師、臨床工学技士、救急救命士など)の受け入 れ窓口として機能することも期待される。 以上
必要人員集計(職種別) 内科・外科再編を除いて、また通常診療関係の看護職は除く 医師:17-19名(神経内科と心臓血管外科で計 2 - 4 名、遺伝子診療3名、機能再生 7名、緊急医療5名) 研究員:2名(遺伝子) 臨床検査技師:2-4名(遺伝子1-2、緊急1-2)治験センターを除く 臨床工学技士4-5名(臨床工学センター) ここから医用工学診療科、血液浄化センター、中手、ICU他へ派遣 看護職員2-3名(遺伝子) 事務職員3-5名(遺伝子1-2名、移植1名、緊急1-2名) ケースワーカ3-4名(遺伝子1-2名、機能再生2名) 臨床心理士 1名(遺伝子) 移植コーデイネータ 1名(移植) 介護福祉士 名(機能再生) 視能訓練士?言語聴覚士? コンピュータ担当者 1名(遺伝子)
<内訳>
遺伝子診療部門 医師3名、研究員2名、看護職2-3名、検査技師1-2名事務1-2名、コンピュータ担当1名(以上は再配置により)、 臨床心理士1名、ケースワーカ1-2名(以上は新規要求)
機能再生センター
リハビリテーション科(リハ医師 現員3名+3名 ←脳外、呼吸器、循環器)、(ケースワーカ2名、介護福祉士 ?名)
形成外科(現員1名+2名)
臓器移植科(小児・移植外科医師+1-2名、その他関係科医師兼務コーデイネータ1名、事務1名)
医用工学診療科(臨床工学技士1名) (参考:現在のリハ部の構成:専任医師3名、理学療法係PT 4人、機能訓練係PT5人、作業療法係ST2名、言語聴覚士0人、視機能訓練士0人)
緊急医療センター (医師:現員2名+5名) クラーク1-2名、検査技師1-2名、臨床工学技士1-2名、
臨床工学センター 臨床工学技士4-5名
臨床治験センター
臨床研修センター いずれも省略
Nagoya City University
Medical School