診療内容

診療科の特色:

診療科の特色近年増加する成人の心大血管疾患から、新生児・小児医療の心臓奇形まで幅広い内容の診療を行っています。複雑な心臓奇形の手術治療には当地域で早期から取り組んできた実績があり、大学病院としては小児手術症例が多いという特色があります。新生児医療センターの機能がある東海三県の中核病院と連携を密にし、新生児・乳児疾患の治療成績向上に努力しています。




診療・治療に対する心がけ:

新病棟の完成と救急医療の充実から緊急を要する成人の心・血管疾患が増加していますので、心筋梗塞、狭心症、弁膜症、大動脈疾患、不整脈疾患に対しても、患者さん個人に合わせた、きめ細かい治療計画を内科とともに作成し、安定した手術成績の維持に努めています。先天性心疾患では早期の根治術を原則としています。「生活の質」(QOL)を重視し、極力患者さん本人の自己組織を利用し、将来の成長・発育にも適応する再手術を必要としない方法を標準術式にしています。術後脳脊髄合併症が問題となる、大動脈疾患(大動脈瘤や大動脈解離)が増加してきました。その予防について基礎的な研究を進め、診療では最新の画像診断技術を取り入れ放射線科を中心に他科と緊密に連携を取り、手術成績向上に取り組んでいます。



主な疾患:

最近3年(2010年~2012年)において、年間手術数は平均180例です。先天性心疾患が80%、弁膜症・心筋梗塞,狭心症・大動脈瘤などの後天性心血管疾患が20%です。先天性心疾患では1歳未満が60%を占め、そのうち新生児は20例で多くが緊急治療の必要な重症例です。 主な治療法先天性心疾患新生児から成人期にいたる全ての先天性心疾患治療に対応しています。早期の根治術を原則としており治療後の"生活の質"(QOL)を考慮するとともに、可能な限り自己組織を用い成長・発育に適応する方法を標準術式としています。一方、単心室症などの複雑心奇形においては、新生児期から3~5歳を目安に行なう最終心内修復術までに数回の手術が必要であり、ご家族の要望を理解し小児科と協力して綿密な治療計画を立てています。



虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞):

心臓を拍動させたままの冠動脈バイパス手術が中心となります。症例に応じ人工心肺を使用しない手術も行っています。主に内胸動脈や胃大網動脈などの動脈をバイパスグラフトとして用います。80歳以上の高齢者においても安定した手術成績を上げております。



大動脈疾患:

胸部、腹部の大動脈瘤に対しては外科手術による人工血管置換術やステントを用いた血管内手術等から適応を十分検討し治療法を選択します。急性大動脈解離や弓部大動脈瘤には、脳脊髄合併症を回避するために選択的脳潅流法や脊髄下半身の循環維持が可能な手術法を心掛けて施行しています。また術前には最新の画像診断技術を取り入れ、放射線科、神経内科と連携を取り治療計画を立てることで、手術の更なる安全性の確立に努めています。



弁膜症:

主に僧帽弁や大動脈弁の狭窄(弁口が狭く血液が通過し難くいため心臓の仕事量が増える)、閉鎖不全(弁がしっかり閉じず血液が心臓へ逆流する)による心臓機能低下を防ぐために手術を行います。僧帽弁疾患に対しては自己弁温存による弁形成術を第一選択としています。人工弁置換術が必要な場合、年齢(70歳以上)や性別などから生体弁が第一選択となる場合があります。また機械弁による弁置換術後はワーファリン内服による抗凝固療法(血栓を予防する)が必要になります。



末梢血管:

外傷、炎症や動脈硬化による四肢の血流障害(閉塞性動脈硬化症など)、下肢の静脈瘤やエコノミークラス症候群として知られる深部静脈血栓症などの静脈疾患などの治療も行っています。



不整脈:

各種不整脈に対し、その年齢・日常生活を考慮に入れ循環器内科と協力しペースメーカー手術を主体とした外科治療を施行します。