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No.034 <瑞友会賞 臨床部門賞>
              「授賞課題:名古屋市立病院における消化器手術の発展」

[掲載日:2015年8月10日]

桒原義之(くわばら よしゆき)氏 (昭和40年卒)

頚胸境界部食道癌、特に気管浸潤例の外科治療においては、気管合併切除により縦隔気管孔の造設が必要となる場合がある。縦隔気管孔(グリローの手術)は大血管の破綻といった致死的な合併症の頻度が高い術式とされ、その原因として創部の感染、気管と大血管の接触、気管の血流障害などの関与が考えられている。受賞者は、胃管の作成時に全大網を温存し、再建時に胃管とともに頸部まで挙上した大網を利用して縦隔気管孔を作成する術式を考案した。すなわち、①広範囲に骨性胸壁を除去して皮膚レベルを背側に、気管を上代静脈と大動脈間に移動して気管口のレベルを腹側にする。②骨性胸壁の断端を筋弁で覆い、郭清後の大血管、気管を大網で被覆する術式ある。大網には抗感染性、血管新生促進作用があり、一部分を血管との接触部位などに移動させ補填することが容易である。他の再建法に比べ、特殊な手技が不要で、切除に関与した部位のみの操作で再建でき、外見の変形が少ないことが優位点て、多くの症例に適用されつつある。


略歴

昭和57年
名古屋市立大学医学部卒業
平成17年
名古屋市立大学大学院腫瘍免疫外科 助教授
平成21年
名古屋市立大学大学院消化器外科 准教授
平成22年
名古屋市立大学 病院教授
平成23年
名古屋市立西部医療センター外科 部長・副院長