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No.032 <瑞友会賞 学術部門賞>
              「受賞課題:去勢抵抗性前立腺がんモデルの樹立と新規診断・治療法の開発に向けた基礎研究」

[掲載日:2015年8月10日]

内木 拓(ないき たく)氏 (平成15年卒)

難治性の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の病態の解析を目的として、ヒトの臨床経過や病理所見を再現した動物(ラット)における前立腺癌転移モデルを樹立した。この動物において、去勢抵抗性を獲得したがん細胞では、酸化ストレス応答機構の遺伝子発現が増強されていることを発見した。特に酸化ストレス応答機構において不可欠なglutathione peroxidase 2(GPX2)遺伝子のRNAi技術(人工的相補RNAによる目的mRNAの干渉制御)解析から、この動物の前立腺癌は、GPX2遺伝子発現を増強して有害な細胞内活性酸素を制御し、細胞増殖を促進していることを見出した。このことはヒト前立腺でもみられ、予後マーカーとして有用であることを証明した。さらに新規のがん予防物質やエピゲノム修飾薬の有効性を解明してきた。このモデルを用いてCRPCに対する新たな診断・治療法の確立が期待される。


略歴

平成15年
名古屋市立大学医学部卒
平成15年
名古屋市立大学病院 臨床研究医
平成24年
名古屋市立大学医学研究科博士課程卒業
平成25年
名古屋市立大学病院 泌尿器科 病院助教