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No.024「臨床部門賞を受賞して」

[会報122号(2014年9月29日発行)より]

名古屋市立東部医療センター 循環器内科・部長(副院長) 村上善正(S58卒)

このたびは第8回瑞友会賞(臨床部門)受賞の栄に浴し身に余ることと感じております。関係諸兄にあらためて御礼申し上げます。これも偏に今まで支えて下さった数々の恩師のおかげと感謝申し上げる次第です。また同時にたいへん恐縮してもおります。大抵の場合このような賞を受賞される方は苦労話やお伝えする何かしらのエピソードがあるのが常かと思いますが、頭を色々巡らしてみても、大したものは浮かんで来ないからです。

それでもいくつかの契機と自分自身の決断があったとは思います。1988年に第一内科武内俊彦教授より愛知県立尾張病院が県の循環器病センターになるので、微力を尽くせと赴任を命じられました。虚血心に対する冠動脈インターベンションが始まったところでした。私もその手技を一から勉強を始めたわけですが、循環器病センターには不整脈治療も不可欠と勝手に考え、1990年に現名古屋大学心臓外科教授の碓氷章彦先生に口添えいただき国立名古屋病院(現掖済会病院長)の加藤林也先生の元に週1日、心臓電気生理検査(EPS)の見学に行く機会を得ることができました。そして数回の見学の後1、2冊の教科書を頼りに自分でEPSを始め、折しも1991年に始まったカテーテルアブレーション(RFCA)の治験に東海地方で第二日赤とほぼ時を同じくして参入することができました。最初のWPW症候群患者のRFCAこそ第二日赤の坪井直哉先生にお手伝いいただきましたが以後はまさに独力でした。と言いましても当時は周り中がよーいドンで独力でRFCAに取り組んでいたのです。現在RFCAに関する教科書はあまた出版されていますが当時は皆無でした。私の周りでは名古屋大学関連の先生方が主にこの手技を始めていたため、自然とその先生方と交流が多くなりました。また第二日赤の不整脈治療を志す若い先生方(今は東海地方の不整脈治療の中心となっている因田恭也先生や吉田幸彦先生)が次々と赴任され、一緒に勉強し議論し創意工夫を重ねました。新しい知見、方法、テクノロジーが毎年々々現れるため、まさに飽きる暇もなくワクワクしながらRFCAを楽しんで今日まで来たわけです。不整脈関連の研究会や学会も次第に活発になっていき、東海地方にも「アブレーションカンファレンス」という今では老舗の研究会が設立され、当時は若造であった私が今年、代表幹事に推されたのも感慨深いものがあります。

2008年12月からは木村玄次郎元教授、東部医療センター現院長の佐藤孝一先生より名古屋市立大学関連の不整脈治療を担当せよとの仰せに従い、東部医療センターと大学の指導に当たって参りました。自分の学んだ知識や技術を後進に伝えるべき年齢になったのだと痛感しますが、まだまだ楽しんで診療していたいと思っています。最後にもう一度ご指導下さった諸先生に感謝申し上げます。今後もご指導ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

略歴

昭和58年
名古屋市立大学医学部卒
昭和58年~63年
刈谷総合病院 内科、循環器科研修
昭和63年~
愛知県立尾張病院 循環器科
平成17年~
愛知県立循環器呼吸器病センター 不整脈診療部長
平成20年~
愛知県立循環器呼吸器病センター 副院長兼不整脈診療部長
平成20年12月~
名古屋市立東部医療センター東市民病院 (現 名古屋市立東部医療センター)
副院長 兼 心臓血管センター長
名古屋市立大学特任教授
所属学会
日本内科学会、日本循環器学会、日本不整脈学会、日本心電学会
日本不整脈学会評議員 日本心電学会評議員
臨床心臓電気生理研究会幹事