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No.012「瑞友会賞(学術部門)を受賞して」

[会報110号(2010年10月30日発行)より]

名古屋市立大学  腫瘍・免疫内科学 石田高司(H8年卒)

このたびは第4回瑞友会賞(学術部門)受賞の栄誉に浴し、お礼旁々謹んでご報告申し上げます。

私の受賞対象となったのは『白血病/悪性リンパ腫に対する新しい治療薬(KW-0761)の開発研究』です。本研究は、血液内科医として市中病院勤務の後、平成13年に腫瘍・免疫内科学の大学院生として名古屋市立大学に戻って以来、上田龍三教授のご指導のもと、現在に至るまで、多くの共同研究者とともに実施しています。結果、KW-0761は日本発世界初の製剤として、白血病患者さんへの
投与が欧米諸国に先駆け日本で実施されました。

『ドラッグラグ』が問題となっている昨今、悪性腫瘍に対する新規分子標的剤が日本で最初にヒトに投与された事例は、本件が初めてであり、その後にも例がありません。

私如きの臨床医にとって、患者さんのニーズが研究のゴールそのものです。すなわち、医学研究とは、その結果『何がわかったか』ではなく、その先にある『何が患者さんにもたらされたか』が重要であると常々考えています。私たちが試験管
内、あるいはマウスを用いて多くの実験をした物質は、現在治験薬として、私たちが診療している日本の患者さんのみならず、会うこともない米国の白血病/悪性リンパ腫患者さんにも投与されています。治験が終了し、上市されたあかつきに
は、より多くの患者さんへの恩恵となるでしょう。目の前の患者さんに最善・最良の医療を提供することは、臨床医として至極当然のことです。ただし、そこまでに留まることなく、医学/医療そのものの底上げに寄与する仕事をし、その結果、より多くの世界中の患者さんに医学的恩恵をもたらすことを目標に、多くの仲間とともに精進を続けて参りたいと存じます。瑞友会の諸先生方には、引き続きのご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。

[会報110号(2010年10月30日発行)より]