循環器内科専門医研修コースプログラム

 

A.   循環器内科の概要

1.    特色

心筋梗塞・大動脈解離等の急性疾患から、外来治療を中心とする高血圧症まで循環器疾患は多様性に富むが、診断・病態・治療は生理学・薬理学等を基礎とした論理的思考によって理解できるという特徴を持つ。成人の4割以上が何らかの循環器疾患に罹患しており、Evidence-Based Medicineevidenceが最も多く蓄積されつつある分野の一つでもある。このプログラムでは、循環器専門医として必要な医療技術、論理的思考だけではなく、学会活動、最先端医療への参加を含めた研修を行い、バランスの取れた循環器専門医育成を目標とする。

 

2.    指導体制

1)       部長                   佐久間 長彦        責任指導医・助教授

2)       CCU副部長        大手 信之            助教授

3)       副部長  土肥 靖明            講師

4)       スタッフ 福富 達也            (学内講師)

5)       スタッフ 佐伯 知昭            (助手)

6)       スタッフ 小林 建二            (研修担当医・助手)

7)       スタッフ 向井 誠時            (助手)

8)       スタッフ 武田 裕 (助手)

9)       スタッフ 坂田 成一郎        (助手)

10)   スタッフ 宮部 浩道            (助手)

11)   スタッフ 近藤 浩晃            (臨床研究医)

12)   スタッフ 山下 純世            (臨床研究医)

13)   スタッフ 堂森 丈正            (臨床研究医)

14)   スタッフ 後藤 隆利            (臨床研究医)

15)   スタッフ 浅田 馨 (臨床研究医)

16)   スタッフ 若見 和明            (臨床研究医)

17)   スタッフ 森本 高太郎        (臨床研究医)

 

3.    学会認定施設・標榜施設

1)       日本循環器学会認定 循環器研修施設

2)       日本老年医学会  認定施設

3)       日本超音波医学会            超音波専門医研修施設

 

4.    現在行っている新しい診断・治療法、特色とする医療

1)       心エコーを用いた新しい心機能評価法

2)       肺高血圧の最先端医療

3)       拡張不全の評価・治療法の開発

4)       個別化高血圧治療の試み

5)       心血管疾患の新しいリスク評価法の開発とその予防

6)       高脂血症・冠危険因子の治療

7)       難治性不整脈の治療

8)       新しい冠動脈画像診断の開発

9)       左冠動脈主幹部病変を含む複雑冠動脈病変に対する経皮的冠動脈形成術

 

5.    研究会、サークル(診療、研究)等

1)       心機能研究会(年3回)

2)       血管研究会(年3回)

3)       循環器update lecture(隔週)

 

B.   研修目標

1.    まず内科認定医を取得し、さらに循環器専門医の取得に必要な臨床経験と技能の習得を考慮し、以下を目標とする

1)       循環器診療に必要な知識・態度・技能を修得する。

2)       人間的・心理的理解の上に立ち、診療する能力を修得する。

3)       社会的側面を含め適切に解決する能力を修得する。

4)       慢性疾患、高齢患者のリハビリ、在宅医療、社会復帰の計画立案能力を修得する。

5)       患者、病院スタッフ、地域社会と良好な関係を築く能力を修得する。

 

2.    コースGIO:循環器疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、循環器疾患の診療に必要なバランスの取れた知識、態度、技能を修得する。

 

3.    ユニット構成

1)       ユニット1:循環器診察技術

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、循環器疾患患者の診察に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        現病歴・既往歴・家族歴を的確にとり、正確に記載することができる。

SBO 2:        視診・打診で正確な所見を取り、正確に記載することができる。

SBO 3:        心音・心雑音、血管雑音、呼吸音を正確に聴取し記載できる。

SBO 4:        脈拍、心尖拍動を触診し、正確な所見を記載できる。

SBO 5:        血圧の測定法を熟知する。

SBO 6:        プライバシーに配慮した診察ができる。

SBO 7:        適切なコミュニケーションスキルを身につける。

SBO 8:        患者とその家族のニーズを理解し、心理社会的側面に配慮して対応することができる。

SBO 9:        患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

 

2)       ユニット2:胸部単純X

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し診療を行えるようになるために、胸部単純X線の読影に必要な知識・技能を修得する。

SBO 1:        胸部単純X線の適応を判断できる。

SBO 2:        胸部単純X線から得られる情報とその限界を理解する。

SBO 3:        縦隔陰影が判読できる。

SBO 4:        肺野の所見が判読できる。

SBO 5:        大血管の異常所見を判読できる。

 

3)       ユニット3:心電図

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し診療を行えるようになるために、心電図検査と結果評価に必要な知識・技能を修得する。

SBO 1:        心電図(安静時、運動負荷、Holter)検査の適応を理解する。

SBO 2:        あらゆる波形を解釈することができ、診断の感度・特異性を理解する。

SBO 3:        あらゆる不整脈を解釈することができる。

SBO 4:        心電図の診断限界を認識し、他の所見と総合して正しい診断を導き出すことができる。

SBO 5:        電気生理学的検査の結果を解釈できる。

 

4)       ユニット4:心エコー

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し診療を行えるようになるために、心エコー検査と検査評価に必要な知識・技能を習得する。

SBO 1:        心疾患の診断に必要なエコー各断層面を不自由なく描出できる。

SBO 2:        ドプラ法の原理を示すことができる。

SBO 3:        弁膜症の心エコードプラ所見を列挙でき、実際の症例において診断できる。

SBO 4:        弁膜症の手術適応に関する心エコードプラ所見を列挙でき、実際の症例において診断できる。

SBO 5:        冠動脈疾患の心エコー所見を列挙でき、実際の症例において診断できる。

SBO 6:        心筋症の心エコードプラ所見を列挙でき、実際の症例において診断できる。

SBO 7:        先天性心疾患の心エコードプラを列挙でき、実際の症例において診断できる。

SBO 8:        左室収縮能および拡張能に関する心エコードプラ所見を理解し、実際の症例において評価できる。

SBO 9:        肺高血圧の心エコードプラ所見を理解し、実際の症例において診断できる。

SBO 10:    心タンポナーデを診断できる

 

5)       ユニット5:核医学検査

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し診療を行えるようになるために、心臓核医学検査と検査評価に必要な知識・技能を習得する。

SBO 1:        201TlCl99mTc-tetrofosmin99mTc-sestamibi123I-MIBGBMIPPの特徴および心筋への集積機序を説明することができる。

SBO 2:        疾患・病態に応じて使用核種の選択ができる。

SBO 3:        運動負荷及び薬物負荷の適応・禁忌が説明できる。

SBO 4:        運動負荷及び薬物負荷心筋シンチを安全に実施することができる。

SBO 5:        心臓核医学検査の結果を評価することが出来る。

SBO 6:        他のモダリティと比較し、心臓核医学検査の利点・欠点が説明できる

 

6)       ユニット6:MRICT

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し診療を行えるようになるために、心臓MRICT検査の結果評価に必要な知識・技能を習得する。

SBO 1:        心臓MRIの利点・欠点が説明できる。

SBO 2:        心臓MRI検査の適応となる疾患・病態を説明できる。

SBO 3:        心臓MRI検査の結果を評価することができる。

SBO 4:        心臓CTの利点・欠点が説明できる。

SBO 5:        心臓CT検査の適応となる疾患・病態を説明できる。

SBO 6:        心臓CT検査の結果を評価することができる。

 

7)       ユニット7:心臓カテーテル検査

GIO: 循環器疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、心臓カテーテル検査と結果評価に必要な知識・技能を習得する。

SBO 1:        心臓カテーテル検査の適応・目的について説明できる。

SBO 2:        合併症について種類・頻度を説明できる。

SBO 3:        心臓カテーテル検査を受ける患者および家族に対し、心理・社会的側面に配慮した対応ができる。

SBO 4:        心臓カテーテル検査の基本手技を安全に行うことができる。

SBO 5:        心臓カテーテル検査の結果を評価できる。

 

8)       ユニット:心不全

GIO: 心不全の病態・疫学を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、心不全の予防・診断・評価・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を取得する。

SBO 1:        心不全の予防・診断・治療についてEBMの観点から説明することができる。

SBO 2:        詳細な病歴聴取と理学所見から,心不全の診断・重症度評価が行える。

SBO 3:        所見を総合しエビデンスやガイドラインに沿った食事・生活指導が行える。

SBO 4:        所見を総合しエビデンスやガイドラインに沿った薬物治療・運動療法の設定が行える。

SBO 5:        病態の変化に応じた対応が出来る。

SBO 6:        患者および家族の心理・社会的側面および経済的側面に配慮した対応ができる。

SBO 7:        急性増悪に対して必要な集中治療を実施する技術がある。

SBO 8:        心不全に対する手術・集中治療・補助循環・移植医療などの適応を理解する。

SBO 9:        政府及び自治体の行う福祉制度のうち関連するものについて概略を説明できる。

 

9)       ユニット9:不整脈

GIO: 不整脈の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、不整脈の予防・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        心電図から不整脈を診断することができる。

SBO 2:        電気生理学的検査(EPS)の適応を理解する。

SBO 3:        薬物療法の適応とその副作用を熟知する。

SBO 4:        不整脈治療の効果判定ができる。

SBO 5:        非薬物療法の適応を理解する。

SBO 6:        専門施設へ紹介することができる。

SBO 7:        患者とその家族に対し不整脈について説明し、心理・社会的側面に配慮して対応することができる。

 

10)   ユニット10:ペースメーカーと除細動

GIO: ペースメーカーと除細動について深く理解し、心理社会的要素に配慮した適切かつ迅速な診療を行えるようになるために、ペースメーカーと除細動に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        ペースメーカーの機能について理解する。

SBO 2:        ペースメーカーの適応を厳密に理解する。

SBO 3:        ペースメーカー植え込みを安全かつ適確に行うことができる。

SBO 4:        ペースメーカー植え込みに際し、発生しうる合併症を熟知し適切に対処することができる。

SBO 5:        ペースメーカー不全を理解し、適切に対処できる。

SBO 6:        除細動機の機能について理解する。

SBO 7:        除細動の適応を厳密に理解する。

SBO 8:        除細を安全かつ適確に行うことができる。

SBO 9:        除細に際し、発生しうる合併症を熟知し適切に対処することができる。

SBO 10:    ペースメーカーと除細動について患者とその家族に対し説明し、心理・社会的側面に配慮して対応することができる。

 

11)   ユニット11:高血圧症

GIO: 高血圧症の病態・疫学を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、高血圧症の診断・治療、患者指導・管理に必要な知識、態度、技能を取得する。

SBO 1:        高血圧症の診断、治療、予後についてEBMの観点から説明することができる

SBO 2:        高血圧症について患者とその家族に対し説明し、心理・社会的側面に配慮して対応することができる。

SBO 3:        血管疾患のリスクファクターを説明できる。

SBO 4:        高血圧症の標的臓器障害を評価できる。

SBO 5:        血圧の日内変動について理解している。

SBO 6:        家庭血圧の測定法を患者に指導できる。

SBO 7:        外来血圧、家庭血圧を正しく評価できる。

SBO 8:        患者のリスクを正しく評価できる。

SBO 9:        降圧治療の適応を判断できる。

SBO 10:    患者の生活管理について正しく指導できる。

SBO 11:    二次性高血圧の鑑別ができる。

SBO 12:    降圧薬の特徴を理解し、病態により使い分けることができる。

SBO 13:    適当な降圧目標を設定し、これを達成することができる。

SBO 14:    高血圧緊急症の治療を説明できる。

 

12)   ユニット12:冠動脈疾患

GIO: 冠動脈疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、冠動脈疾患の予防・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        冠動脈疾患の予防、診断、治療についてEBMの観点から説明することができる。

SBO 2:        冠動脈疾患の患者および家族に対し、心理・社会的側面に配慮した対応ができる。

SBO 3:        非侵襲的手技による冠動脈疾患の診断(鑑別診断、リスク、重症度、予後予測)ができる。

SBO 4:        心臓カテーテル検査の適応を判断できる。

SBO 5:        心臓カテーテル検査の基本手技を安全に行うことができる。

SBO 6:        検査結果・病態等を総合的に判断し、適切な治療法を選択できる。

SBO 7:        患者に正しい生活指導ができる。

SBO 8:        CCU治療の適応が判断できる。

SBO 9:        CCUにおいて基本的な治療ができる。

 

13)   ユニット13:動脈疾患

GIO:       大動脈・末梢動脈疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、大動脈・末梢動脈疾患の診断・治療に必要な知識・技能を修得する。

SBO 1:        動脈疾患を疑うべき臨床症状を理解している。

SBO 2:        診断に必要な検査の適応を判断することができる。

SBO 3:        非侵襲的検査結果を適切に実施し評価することができる。

SBO 4:        カテーテル治療の適応が判断できる。

SBO 5:        カテーテル治療の基本的手技が安全に行える。

SBO 6:        外科的治療の適応を判断することができる。

SBO 7:        関連する診療科と連携して治療することができる。

SBO 8:        内服薬の有効性についてEBMの観点から説明することができる。

 

14)   ユニット14:先天性心疾患

GIO:     成人における先天性心疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、成人における先天性心疾患の診断・治療・管理・指導に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        幼少期における先天性心疾患の治療介入による病態の変化を理解できる。

SBO 2:        経過観察間隔を適切に設定することができる。

SBO 3:        成人後の加齢に伴う病態の変化や合併症との関連を考慮しながら診療できる。

SBO 4:        日常生活での活動制限について指導することができる。

SBO 5:        成人における先天性心疾患の頻度・病態を理解できる。

SBO 6:        病態の把握に必要な検査の適応を判断できる。

SBO 7:        病態の把握に必要な検査の結果を評価することができる。

SBO 8:        外科的手術の適応を判断することができる。

 

15)   ユニット15:心臓弁膜症

GIO: 心臓弁膜症の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、心臓弁膜症の診断・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        心臓弁膜症の原因を列挙できる

SBO 2:        心臓弁膜症の自然予後を説明できる

SBO 3:        大動脈弁疾患、僧帽弁疾患の心音を中心とする理学的所見が列挙でき、実際の症例で聴診により診断できる

SBO 4:        大動脈弁疾患、僧帽弁疾患の心電図および胸部レントゲン写真の所見を列挙できる

SBO 5:        大動脈弁疾患、僧帽弁疾患の心エコードプラ所見を列挙でき、実際の症例で示すことができる

SBO 6:        大動脈弁疾患、僧帽弁疾患の薬物療法を説明できる

SBO 7:        大動脈弁疾患、僧帽弁疾患の手術適応を説明できる

SBO 8:        大動脈弁疾患、僧帽弁疾患における心臓カテーテル検査の補助ができ、結果を説明できる

SBO 9:        肺高血圧症と三尖弁閉鎖不全症の病態を説明できる

SBO 10:    肺高血圧症と三尖弁閉鎖不全症の心エコードプラ所見を説明でき、実際の症例で示すことができる

SBO 11:    右心カテーテル法が施行でき、結果を説明できる

 

16)   ユニット16:感染性心内膜炎

GIO: 感染性心内膜炎の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、感染性心内膜炎の予防・診断・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        感染性心内膜炎の予防を必要とする心疾患を列挙できる。

SBO 2:        ハイリスク患者に対し適切な予防措置をとることができる。

SBO 3:        問診で感染性心内膜炎を診断するための有用な所見を聞き出すことができる。

SBO 4:        理学的所見より感染性心内膜炎を疑うことができる。

SBO 5:        非侵襲的検査より感染性心内膜炎を診断(鑑別診断、重症度、治療方針)することができる。

SBO 6:        患者とその家族に対し、疾患について説明し心理・社会的側面に配慮して対応することができる。

SBO 7:        感染性心内膜炎に対する適正な治療方針をたてることができる。

SBO 8:        必要があれば時期を逸せず心臓外科にコンサルトすることができる。

 

17)   ユニット17:心筋症・心筋炎

GIO: 心筋症・心筋炎の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、心筋症・心筋炎の診断・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        心筋症の治療、予後についてEBMの観点から説明することができる。

SBO 2:        非侵襲的検査より心筋症・心筋炎の診断(鑑別診断、重症度、予後予測)することができる。

SBO 3:        診断、治療のための侵襲的検査の適応を判断できる。

SBO 4:        心筋症の内服治療をプランニングすることができる。

SBO 5:        劇症型心筋炎の循環動態を維持するため初期治療を行うことができる。

SBO 6:        心筋症・心筋炎について患者とその家族に対し、疾患について説明し心理・社会的側面に配慮して対応することができる。

SBO 7:        心筋炎の原因を説明できる。

SBO 8:        心筋症の外科的治療の適応について理解できる。

 

18)   ユニット18:心臓腫瘍

GIO: 心臓腫瘍の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮して診療を行えるようになるために、心臓腫瘍の診断・治療に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        心臓腫瘍の種類、およびその発生頻度を説明することが出来る。

SBO 2:        非侵襲的手技な方法により心臓腫瘍を診断できる。

SBO 3:        心臓腫瘍の合併症を列挙することができる。

SBO 4:        心臓腫瘍の合併症を診断することができる。

SBO 5:        心臓腫瘍の合併症に対して適切に対処できる。

SBO 6:        適切な診療科と連携・協力し心臓腫瘍の診療が行える。

 

19)   ユニット19:心膜疾患

GIO: 心膜疾患の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、心膜疾患の治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        非侵襲的手技により急性心外膜炎の診断ができる。

SBO 2:        急性心外膜炎の原因について理解している。

SBO 3:        急性心外膜炎の治療ができる。

SBO 4:        非侵襲的手技により収縮性心外膜炎の診断ができる。

SBO 5:        収縮性心外膜炎の手術適応が判断できる。

SBO 6:        非侵襲的手技により心タンポナーデの診断ができる。

SBO 7:        安全に心膜穿刺ができる。

SBO 8:        患者とその家族に対し心膜疾患について説明し、心理・社会的側面に配慮して対応することができる。

 

20)   ユニット20:肺血栓塞栓症

GIO: 静脈血栓症の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、肺血栓塞栓症の予防・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        肺血栓塞栓症のリスクを説明することができる。

SBO 2:        肺血栓塞栓症を予防するための指導・治療をすることができる。

SBO 3:        非侵襲的手技により肺血栓塞栓症の診断ができる。

SBO 4:        右心カテーテル検査の基本的手技を安全に行うことができる。

SBO 5:        急性肺血栓塞栓症の初期治療を説明できる。

SBO 6:        外科的治療の適応を判断することができる。

SBO 7:        非侵襲的手技により深部静脈血栓症の診断ができる。

SBO 8:        静脈フィルター留置の適応が判断できる。

SBO 9:        静脈フィルター留置の基本的手技が安全に行える。

21)   ユニット21:肺高血圧症・右心不全

GIO: 肺高血圧症の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、肺高血圧症・右心不全早期発見・評価・治療に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        肺高血圧症・右心不全の診断・治療についてEBMの観点から説明できる。

SBO 2:        病歴と理学所見から肺高血圧症・右心不全の診断・重症度評価が行える。

SBO 3:        エビデンスやガイドラインに準拠した生活・食事指導ができる。

SBO 4:        エビデンスやガイドラインに準拠した薬物治療・運動療法の設定ができる。

SBO 5:        患者および家族の心理・社会的側面および経済的側面に配慮した対応ができる。

SBO 6:        急性増悪に対して必要な集中治療を実施する技術がある。

SBO 7:        手術・集中治療・補助循環・移植医療などの適応を理解する。

SBO 8:        政府及び自治体の行う福祉制度のうち関連するものについて概略を説明できる。

 

22)   ユニット22:高脂血症

GIO: 高脂血症の病態を深く理解し、心理社会的要素に配慮した診療を行えるようになるために、高脂血症診断・治療・指導・管理に必要な知識・態度・技能を修得する。

SBO 1:        高脂血症の診断・治療・予後についてEBMの観点から説明できる。

SBO 2:        高脂血症と他の冠危険因子の集積による患者のリスクを評価できる。

SBO 3:        脂質低下薬による治療の適応を判断できる。

SBO 4:        食事療法・運動療法を含めた生活指導ができる。

SBO 5:        原発性高脂血症と二次性高脂血症の鑑別ができる。

SBO 6:        脂質低下薬と他の薬物との相互作用によるリスクを理解する。

SBO 7:        患者の病態を把握し個別化治療ができる。

 

4.    取得できる資格

1)       循環器専門医

2)       高血圧専門医(高血圧学会代表正会員

3)       インターベンション専門医

4)       老年病専門医

5)       超音波専門医

6)       心臓リハビリ指導師

 

C.   研修プログラム

1.    年次計画表

 

4

5

6

7

8

9

10

11

12

1

2

3

SR1

市大病院循環器内科研修*

市大病院内科ローテート研修(24科を選択)

SR2

関連病院循環器内科研修

SR3

市大病院循環器内科あるいは関連病院循環器内科研修*

1)       市大病院循環器内科研修では13のユニットを1ヶ月で集中的に研修するようなプログラムを組む。

2)       詳細は面談により決定する

 

2.    研修施設

1)       名古屋市立大学病院

2)       名古屋市立城北病院

3)       名古屋市立緑市民病院

4)       名古屋市立城西病院

5)       名古屋市立緑市民病院

6)       名古屋市立守山市民病院

7)       名古屋市厚生院

8)       名古屋市総合リハビリテーションセンター

9)       国立長寿医療センター

10)   名古屋逓信病院

11)   NTT西日本東海病院

12)   豊川市民病院

13)   医療法人明陽会成田記念病院

14)   医療法人澄心会豊橋ハートセンター

15)   愛知県立尾張病院

16)   総合大雄会病院

17)   岐阜県立多治見病院

18)   尾西市民病院

19)   厚生連尾西病院

20)   厚生連足助病院

21)   知多厚生病院

22)   いなべ総合病院

23)   菰野厚生病院

24)   蒲郡市民病院

25)   遠州総合病院

26)   高浜市立病院

 

3.    週間スケジュール

1)       毎朝:    CCUカンファレンス

2)       水曜午後:           循環器内科回診

3)       火曜夕: 循環器症例検討会、心臓血管外科との合同カンファレンス

 

4)       日直・当直計画

CCU当番(日直)CCU当直を週1回程度

 

4.    学会活動

日本内科学会、日本循環器学会などに入会し、症例報告等の学会活動を積極的にしてもらう。

 

5.    研修評価の方法、終了認定

SBOについて指導医が評価を行い、その評価に基づいて循環器部長が終了認定をする。

 

D.   研修終了後の進路について

1.    市大病院チーフレジデント

2.    関連病院への赴任

3.    大学院進学

4.    国立循環器病センター

5.    海外留学