名古屋市立大学病院

臨床研修プログラム

1 プログラムの概要

1.1 プログラムの名称

1.2 募集方法および定員

1.3 プログラムの目的

1.4 プログラムの特徴

1.5 充実した研修環境

1.6 研修終了後の進路

2 プログラムの種類

2.1 大学病院基盤研修プログラム　(Progam 1)

2.2 連携研修プログラム　(Programs 2 and 4)

2.3 連携研修プログラム　(Programs 3 and 5)

2.4 大学病院・市立医療センター連携研修プログラム　(Program 6)

3 一般病院研修　（General Hospital Training，GHT）

3.1 一般病院研修1 （GHT1）

3.2 一般病院研修2 （GHT2）

3.3 一般病院研修3 （GHT3）

4 研修指導システム

4.1 研修管理委員会

4.2 臨床研修センター

4.3 研修責任者

4.4 指導医

4.5 診療チーム

5 共通プログラム

5.1 オリエンテーション

5.2 Case Comfference and Case-Based Seminar

5.3 Weekly Workshop

5.4 Clinico-pathological conference (CPC)と剖検

5.5 講演会

6 ローテートプログラム

6.1 名古屋市立大学病院の内科研修プログラム

6.2 外科研修科目

6.3 名古屋市立大学病院における選択研修科目

7 臨床研修の到達目標

7.1 行動目標

7.2 経験目標

8 研修評価と修了認定

8.1 研修評価システム

8.2 レポート

8.3 研修修了認定

9 処遇

9.1 給与等

9.2 医師賠償責任保険

9.3 夜勤・休日日勤

10 専門医研修(後期研修）について

10.1 名古屋市立大学病院専門医研修プログラムのHPへのLink

11 表

表1 協力型研修病院および研修協力施設一覧

表2 名古屋市立大学病院の診療科部長一覧

表3 オリエンテーションプログラム

表4 研修医勉強会 ”さくらFC”

表5 Weekly Workshopプログラム

表6 臨床研修レポート作成要領

別表 名古屋市立大学病院に所属する間の処遇

12 別添

別添1 基本科目研修プログラム

別添2 必修科目研修プログラム

別添3 名古屋市立大学病院における選択科目研修プログラム

別添4 臨床研修の行動目標

別添5 臨床研修の経験目標

問い合わせ･連絡先

〒467-8602 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1 名古屋市立大学病院臨床研修センター
TEL e-mail:	052-851-5511(病院代表) 内線7108 (研修担当事務) mailto:cgmerd@med.nagoya-cu.ac.jp

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1　プログラムの概要

1.1 プログラムの名称

当プログラムは，名古屋市立大学病院臨床研修プログラムと称します。大学病院での2年研修(協力型研修病院での部分的なローテート研修を含む)を基盤とする大学病院基盤研修プログラムと，協力型研修病院とのたすきがけ研修による連携研修プログラムがあります。

1.2 募集方法および定員

各プログラムとも，医師臨床研修マッチングシステムにより募集します。

プログラム名 　番号		1年目	2年目
大学病院基盤研修	Program 1	大学病院*	大学病院*
中規模病院連携研修A	Program 2	大学病院	協力型病院
			(中規模病院群)
中規模病院連携研修B	Program 3	協力型病院	大学病院*
		(中規模病院群)
大型病院連携研修A	Program 4	大学病院	協力型病院
			(大型病院群)
大型病院連携研修B	Program 5	協力型病院	大学病院*
		(大型病院群)
大学病院・市立医療センター連携研修	Program 6	大学病院*または名古屋市立東部・西部医療センター

1.3 プログラムの目的

現代の複雑で絶えず変化する医療情勢の中で活躍し得る医師には，臨床家としての能力以上に管理能力，研究能力，そして国際的な視野を備えた教育指導者としての能力が求められます。当研修プログラムでは，変化を続ける医学・医療環境の中で指導的役割を担っていける医師となるために，地域の一般病院，大学病院を含む多様な施設や医療環境の中で，様々な指導医との人格的交流を基盤とする診療活動を通じて，反省的実践家としての医学・医療のプロフェッショナルに必要な能力を習得します。当プログラムで習得する能力は次の4つです。

1) プライマリ・ケアにおける総合診療能力　…　患者さんの立場と意思に基づく最善の医療，安心の医療が提供できる

2) 診療チームの中での役割の遂行能力　…　円滑なコミュニケーション，プレゼンテーション，自己管理，危機管理ができる

3) 医師としての自己向上能力　…　医療専門職として，科学者として，教養人としての持続的な自己研鑽ができる

4) リーダーシップと教育指導能力　…　屋根瓦式研修の一員として下級医，同期医相互の指導ができる

1.4 プログラムの特徴

大学病院研修と一般病院研修の両方のメリットを取り入れた研修プログラム

大学病院研修と一般病院研修のそれぞれのメリットを生かすために，どのプログラムでも一般病院研修（General Hospital Training，GHT）を取り入れた研修を行います。

1) 大学病院基盤研修プログラム （Program 1）：　1年次の9か月間は内科，外科，麻酔・救急を研修，残りの3か月間は一般病院短期研修を含む選択科目を研修します。2年次は小児科，精神科，産婦人科，地域・保健医療を各１か月以上，1年次の内科研修が6か月未満の場合は合計が6か月以上になるように内科を，また，1年次の外科（整形外科，脳神経外科を含む）研修が3か月未満の場合は合計が3か月以上になるように外科，整形外科，または脳神経外科を研修します。残りの期間は一般病院短期研修を含む選択科目を研修します。

2) 連携研修プログラムA (Programs 2 and 4)：　1年次は大学病院で10か月間，内科，外科，麻酔・救急，小児科を研修，残りの2か月間は連携する協力型研修病院ごとに指定する科目を研修します。2年次は協力型研修病院で，1年次の内科研修が6か月未満の人は合計が6か月以上になるように研修し，1年次の外科（整形外科，脳神経外科を含む）研修が3か月未満の場合は合計が3か月以上になるように外科，整形外科，または脳神経外科を研修します。また，精神科，産婦人科，地域・保健医療より1年次の研修科目に応じて指定する科目を研修します。指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修します。

3) 連携研修プログラムB (Programs 3 and 5)：　1年次は協力型研修病院で6か月間，内科，外科を研修，残りの6か月間は協力型研修病院ごとに指定する科目を研修します。指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修します。2年次は大学病院で精神科，産婦人科，地域・保健医療を各1か月以上研修します。また，1年次の内科研修が6か月未満の人は合計が6か月以上になるように内科を，1年次の外科（整形外科、脳神経外科を含む）研修が3か月未満の場合は合計が3か月以上になるように外科，整形外科，または脳神経外科を研修します。1年次の研修科目に応じて指定する科目を研修し，指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修します。

4) 大学病院・市立医療センター連携研修プログラム （Program 6）：　2年間の研修の内，8か月以上を大学病院で研修し，残りの期間は大学病院または名古屋市立医療センターの希望する病院の診療科で研修します。研修科目は，1年次の9か月間は基本研修科目(内科，外科，麻酔・救急)を，残りの3か月間は基本研修科目または必修科目(産婦人科，小児科，精神科)から選択した科目を研修します。2年次は，1年次の内科研修が6か月未満の場合は合計が6か月以上になるように研修し，外科，麻酔・救急，精神科，産婦人科，地域・保健医療から1年次に研修していない科目を研修します。残りの期間は希望する選択科目を研修します。市立病院以外の協力型研修病院(GHT2)での短期研修も可能です。

コア診療ユニットによる総合診療研修

1) 名古屋市立大学病院では，H19年度から一般内科疾患を中心とする総合診療研修をはじめました。1年次の6か月間の内科ローテート中で研修を行い，2年次の研修医は選択科目として研修できます。

2) コア診療グループは，研修専任指導医と研修医1-2名からなるチームで構成され，5-6チームが昼夜2交代制で診療にあたります。同一チームの指導医と研修医は同一の勤務スケジュールで活動するために，研修医にとっては指導医や上級医が常に近くにいて相談することができ，また指導医と研修医は共に，仕事と休息の区切りが明確でonとoffのはっきりした生活ができます。

3) 毎日，朝晩の引き継ぎ時にモーニングレポートとイブニングレポート，およびチーム回診を行います。そこでプレゼンテーションの能力が身につきます。また，毎週水曜日にはコア診療グループ全員が顔を合わせ，症例カンファレンスを行う他，様々な企画を行います。

4) コア診療グループの診療内容は，総合診療病棟の入院診療，時間外，夜間，休日のwalk-in症例の救急診療です。研修医は救急外来における初診の診察から，入院診療，退院後の外来まで1連の診療を担当することができます。

5) この研修では，実践的な診療能力の習得だけでなく，指導医との人格的な交流の中で，プロフェッショナルとしての医師の考え方，人生感，将来ビジョンを身につける機会になります。

充実した共通プログラム

新たな医師臨床研修制度で求められる行動目標の達成と必修項目の研修を支援するために，最新の医学知識や診療技術に関する情報提供および実習として，共通プログラムを実施します。

1) オリエンテーション

研修の開始に当たっては，研修医同士および病院スタッフとの間の円滑なコミュニケーションと連帯感の醸成，および研修行う上で必須の救急救命処置，安全/接遇教育，電子カルテを含む病院情報システムについて，実技を中心としたオリエンテーションを実施します。

2) モーニングレポートとイブニングレポート

コア診療研修ローテート中の指導医と研修医を中心に，休日も含めて年365日，朝8時から9時と夕方5時から6時にコア診療ユニットの総合診療病棟入院症例および救急外来症例についての症例検討とミニレポートを行っています。コア診療研修中でない研修医も救急外来終了後には，その日担当した症例などを電子カルテで呈示し，アドバイスを受けることができます。

3) イブニングセミナー

プライマリ・ケアのための実践的知識と臨床判断力の習得を目的に，毎週水曜の夕方にイブニングセミナーを開催し，専門領域の指導医のアドバスの下に，症例検討，EBM，実践的な診療知識，病態生理学についての学習を行います。

4) Weekly Workshop

ローテート研修と平行して，プライマリ・ケアで必要頻度の高い診察法，検査法，治療法についての基本的なテクニックに関するワークショップを行います。

5) CPC

3種類のCPCを行います。

�@ 剖検症例(autopsy case) CPC（ACCPC）

�A 研修医のためのsmall-group ACCPC

�B 臨床症例(clinical case) CPC （CCCPC）

6) 講演会

研修医を対象とする講演会を年間数回開催します。研修後の進路に関する情報提供の機会にもなります。

協力病院との連携による屋根瓦式の研修指導体制

1) 協力型臨床研修病院と共同で実施する指導医講習会、faculty developmentで鍛え上げた臨床指導医が指導にあたります。

2) 量より質を重視した研修を行います。「こなすことの出来る」「流すことの出来る」医師ではなく，｢自ら考える医療｣を実践できる医師の育成を目指します。

3) 屋根瓦式の診療指導体制をとります。自己満足に陥らない高い水準の臨床能力の獲得には，同じ世代の医師が相互に協力し合い，かつ切磋琢磨し合うことができる研修システムが必要です。医師の間の相互研鑚を計るべく，当プログラムのローテート研修では指導医の下に診療チームを作り，教える者と教えられる者の年齢の差が少ない屋根瓦式の研修指導を行います。学習の効果は，see one (他人がやるのを見ること)，do one　(自分でやってみること)，teach one　(自ら教えてみること)の順でより確実なものとなります。ローテート研修では，大学病院および協力型研修病院において，指導医の指導の下に，名古屋市立大学医学部の診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)として診療チームに加わる医学生と共に診療を行うことでEBMを基本とする活発な討論を刺激し，診療能力の習得を確実なものとします。

4) 各科に勤務する専門医にいつでも相談でき，最新の知識，情報、技術に触れることができます。プライマリ・ケアで遭遇する頻度の高い疾患に対しても、隠れているまれな疾患の知識に基づいて科学的論理的な診断、治療法策定の方法を経験でき，さらに一般病院では困難な、一人の患者に関して複数科の専門医が共同して治療にあたるmultimodalな治療を経験できます。

1.5 研修環境

H19年5月にオープンした新外来棟の2階に新研修医室があります。全研修医に，IT端末を備えた個人用デスクを提供されます。新外来棟の3階には，研修医のロッカー室に隣接して，コア診療研修のためのモーニングレポートとイブニングレポートを行う研修専用カンファレンス室があります。カンファレンス用に電子カルテ端末と液晶プロジェクタによる投影が24時間利用可能です。また，新外来棟の4階にはコア診療ユニットの医局とクリニカルスキルズラボが整備され，心音聴診・脈拍触診，呼吸音聴診，救急蘇生，皮膚縫合の各種シミュレータが利用できます。

1.6 研修終了後の進路

名古屋市立大学病院ではその関連病院とともに，卒前の診療参加型臨床実習（clinical clerkship，CC），卒後臨床研修，専門医研修を通じて，屋根瓦方式の教育研修体制をとっています（図2）。

臨床研究終了後のコースとしては，後期研修のための専門医研修プログラムを整備し，シニアレジデントおよびチーフレジデントとして，高い診療能力を習得できる機会を提供します。

1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11
医学部 ICM				医学部 CC		卒後 臨床研修		専門医研修コース (大学院との両立可）			生涯学習

図2. 名古屋市立大学医学教育研修システム

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2　プログラムの種類

プライマリ・ケア能力の研修には，様々な医療現場における広汎かつ豊富な経験が重要ですが，それとともに各分野の教育スタッフや医療チームによる適切な指導システムが必要です。特に，実践だけでは，事実に基づかない慣習的な医療に陥るリスクが大です。日常的に頻繁に遭遇する臨床的な問題への対処法も，医学･医療の進歩をup-to-dateに反映したものでなければなりません。それが，患者さんに対する医師の義務でもあります。

そこで，当研修プログラムでは，大学病院研修と一般病院研修の，それぞれのメリットが最大限に引き出される研修プログラムを設定します。大学病院での研修期間には，各分野の専門医の指導による標準的かつ最新のプライマリ・ケア対応についての研修ができ，協力型病院における研修期間には経験豊かな指導医の下で豊富な症例についてプライマリ・ケアの実践経験を積むことができます。

大学病院基盤研修プログラム　(Program 1)
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
1年次	大学病院		内科 (コア診療研修)				外科		麻酔		救急	※1 選択
	※1	Ÿ	内科(コア診療研修)，小児科、産婦人科、精神科、外科，麻酔・救急，整形外科，脳外科より選択。
		Ÿ	GHT3一般病院での3か月研修も選択できる。
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
2年次	大学病院		地域・ 保健 医療	※2 指定・選択					※3 選択
	※2	Ÿ	1年次の内科研修期間が6か月未満の場合は，合計が6か月以上になるように内科を研修。
		Ÿ	小児科、精神科，産婦人科より1年次の研修科目に応じて指定する科目を協力型研修病院，大学病院，または指定する協力型研修病院/研修協力施設で研修。
		Ÿ	指定科目が無く期間が空く時は選択科目を研修。
		Ÿ	選択科目によってはGHT2一般病院での短期研修(3か月以内，1病院)も選択できる。
	※3	Ÿ	選択科目によってはGHT2一般病院での短期研修(3か月以内，1病院まで)も選択できる。
連携研修プログラムA　(Programs 2 and 4)
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
1年次	大学病院		内科 (コア診療研修)				外科		麻酔		救急	小児	※4 指定・選択
	※4	Ÿ	精神科，産婦人科，地域・保健医療，整形外科，脳外科より2年次の協力型病院ごとに指定する科目を研修。
		Ÿ	指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修。
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
2年次	協力型 研修病院		※5 指定・選択					選択
	※5	Ÿ	1年次の内科研修期間が6か月未満の場合は，合計が6か月以上になるように内科を研修。
		Ÿ	精神科，産婦人科，地域・保健医療より1年次の研修科目に応じて指定する科目を協力型研修病院，大学病院，または指定する協力型研修病院/研修協力施設で研修。
		Ÿ	指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修。
連携研修プログラムB　(Programs 3 and 5)
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
1年次	協力型 研修病院		内科				外科		※6 指定・選択
	※6	Ÿ	内科，外科，麻酔・救急，小児，整形外科，脳外科より協力型病院ごとに指定する科目を研修。
		Ÿ	指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修。
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
2年次	大学病院		精神 科	産婦 人科	地域・ 保健 医療	救急	※7 指定・選択			※8 選択
	※7	Ÿ	1年次の内科研修期間が6か月未満の場合は，合計が6か月以上になるように内科を研修。
		Ÿ	麻酔，小児科より1年次の研修科目に応じて指定する科目を大学病院または指定する協力型研修病院で研修。
		Ÿ	指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修。
	※8	Ÿ	選択科目によってはGHT2一般病院での短期研修(3か月以内，1病院まで)も選択することができる。
大学病院・市立医療センター連携研修プログラム　(Programs 6)
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
1年次	大学病院 市立病院		内科 (コア診療研修)				外科		麻酔		救急	※9 選択
	※9	Ÿ	内科(コア診療研修)，小児科、産婦人科、精神科、外科，麻酔・救急，整形外科，脳外科より選択。
		Ÿ	GHT3一般病院での3か月研修も選択できる。
			1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12
2年次	大学病院 市立病院		地域・ 保健 医療	※10 指定・選択					※11 選択
			2年間の研修の内，8か月以上を大学病院で研修し，残りの期間は大学病院または名古屋市立病院の希望する診療科で研修。ンター[名古屋市立病院]の間のシームレス研修システム)。
	※10	Ÿ	1年次の内科研修期間が6か月未満の場合は，合計が6か月以上になるように内科を研修。
		Ÿ	小児科、精神科，産婦人科より1年次の研修科目に応じて指定する科目を協力型研修病院，大学病院，または指定する協力型研修病院/研修協力施設で研修。
		Ÿ	指定科目が無く期間が空く時は選択科目を研修。
		Ÿ	選択科目によってはGHT2一般病院での短期研修(3か月以内，1病院)も選択できる。
	※11	Ÿ	選択科目によってはGHT2一般病院での短期研修(3か月以内，1病院まで)も選択できる。
全プログラム共通事項 (Program 1-6)
[1]	いずれのプログラムも2年間の研修期間の内8か月以上は名古屋市立大学病院で研修しなければならない(厚生労働省令による管理型研修病院の定義 ― 研修修了認定要件)。
[2]	上記要件が満たされる限り，大学病院で研修が可能な期間については，何れかの名古屋市立病院での研修に換えることができる(名古屋市立大学病院と名古屋市立医療センター[名古屋市立病院]の間のシームレス研修システム)。

図3. 研修プログラム

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3　協力型研修病院における一般病院研修（General Hospital Training，GHT）

当研修プログラムでは協力型研修病院において3種類の一般病院研修を行います。

4.1 一般病院研修1 （GHT1）

GHT1研修は連携研修プログラムA (Programs 2 and 4)の研修医の研修2年目および連携研修プログラムB (Programs 3 and 5)の研修医の研修1年目に行う1年間の一般病院研修です。研修を行う病院はマッチング後に，プログラム毎のマッチ者の希望に添って決定します。希望者が協力型研修病院の定員を越えるときは，採用試験の成績，将来の希望専攻領域のバランスなどを考慮して調整します。

1) 研修内容

�@ 研修開始時またはそれに先立って名古屋市立大学病院で行われるガイダンスに出席します(1日)。さらに，GHT 1研修を行う一般病院で行われるオリエンテーションまたはそれに相当する行事に参加します。

�A GHT1研修中はその一般病院の指定する当直等の業務に従事します。

�B GHT1研修期間中に，名古屋市立大学病院で臨床研修医のための講演会(土曜日午後または休日)が開催されるときはそれに参加します（当直等の業務のあるときは除く）。

2) 処遇

GHT1の1年間は，研修を行う一般病院の所属とし，給与，賞与，各種社会保険料および必要な宿舎等はその一般病院から支給されます。

3) 研修指導および評価

研修医の診療行為は当該一般病院の研修指導医の指導下でその責任の下に行います。GHT1研修期間の研修評価は当該一般病院の研修指導医が行います。

4.2 一般病院研修2 （GHT2）

GHT2研修は大学病院基盤研修プログラムA　(Programs 2 and 4) の研修医を対象に研修2年目に行う3か月以内の一般病院研修です。

1) 研修内容

�@ GHT2研修を行う一般病院，研修科目，研修期間は，各研修医の希望およびその研修医の研修コース責任者の指導に基づき，当該一般病院の研修実施責任者と名古屋市立大学病院・臨床研修センターとの協議によって決定します。

�A GHT2の研修期間は原則として3か月以内，1病院までとします。当該一般病院の了承により，その病院の中で複数の科目を組み合わせて研修することは可とします。

�B GHT2研修中はその一般病院の指定する当直等の業務に従事します。

�C GHT2研修期間中に，名古屋市立大学病院で臨床研修医のための講演会(土曜日午後または休日)が開催されるときはそれに参加します（当直等の業務のあるときは除く）。

2) 処遇

GHT2研修中は，名古屋市立大学病院研修の所属とし，給与，各種社会保険料は名古屋市立大学病院より支給します。

3) 研修指導および評価

研修医の診療行為は当該一般病院の研修指導医の指導下でその責任の下に行います。GHT2研修期間の研修評価は当該一般病院の研修指導医が行います。

4.3 一般病院研修3 （GHT3）

GHT3研修は大学病院基盤研修プログラム の研修医を対象に行う3か月間の一般病院研修です。

1) 研修内容

�@ 救急医療および内科を中心とする一般診療，総合診療を研修します（内容は病院毎に特徴があります。研修先の病院を決めるときに臨床研修センターから情報を提供します）。

�A GHT3研修中はその一般病院の指定する当直等の業務に従事します。

�B 臨床研修がGHT3から始まる場合も，研修開始時またはそれに先立って名古屋市立大学病院で行われるオリエンテーションに参加します。

�C GHT3研修期間中に，名古屋市立大学病院で臨床研修医のための講演会(土曜日午後または休日)が開催されるときはそれに参加します（当直等の業務のあるときは除く）。

2) 処遇

GHT3の研修中は名古屋市立大学病院研修の所属とし，給与，各種社会保険料は名古屋市立大学病院より支給します。

3) 研修指導

研修医の診療行為は当該一般病院の研修指導医の指導下でその責任の下に行います。GHT3研修期間の研修評価は当該一般病院の研修指導医が行います。

4) 研修カリキュラム

GIO：

救急を含む第一線の医療現場において，他の医療スタッフとの協力の下に適切なプライマリケアを実施できる医師となるために，医療人として必要な基本姿勢と態度，基本的な診療技能，救急医療現場におけるプライマリケア能力を修得する。

SBO:

A. 医療人として必要な基本姿勢･態度

(1) 患者を全人的に理解し，患者･家族と良好な人間関係を構築できる。

(2) 医療チームの中で適切なコミュニケーションより協調関係を維持できる。

(3) 臨床的な問題の解決においてEvidence Based Medicine[EBM]を実践できる。

(4) 医師に必要な自己管理ができる。

(5) 患者ならびに医療従事者に対する安全管理を実施できる。

(6) 医療事故防止及び事故後の対処について，マニュアルなどに沿って行動できる。

(7) 医療保険制度を理解し，適切に行動できる。

B. 基本的な診療技能

(1) 患者･家族との信頼関係の構築と，適切な医療情報の収集を両立する医療面接が実施できる。

(2) 全身にわたる身体診察を系統的に実施できる。

(3) 患者の希望，医療情報，病態と臨床経過を総合して検査の適応を判断できる。

(4) 基本的な検査手技を実施し，結果を解釈できる。

(5) 基本的な診療手技の適応を判断し，安全に実施できる。

�@ 呼吸・循環サポートおよび管理

�A 採血と注射，穿刺法

�B 一般的なチューブ類の挿入，チューブ・ドレーン類の管理

�C 簡単な外科手技（局所麻酔，消毒，ガーゼ交換，切開・排膿，皮膚縫合法，熱傷の処置）

�D 療養指導(安静度，体位，食事，入浴，排泄，環境整備)

�E 薬物治療，輸液，輸血

(6) 法規および病院の規約に則り適切に医療記録および医療文書を作成できる。

(7) 症例のレポートを作成し，適切に呈示できる。

C. 救急医療現場におけるプライマリケア能力

(1) バイタルサインの把握ができる。

(2) 重症度および緊急度の把握ができる。

(3) ショックの診断と治療ができる。

(4) 一次救命処置(BLS)を指導できる。

(5) 二次救命処置(ACLS，呼吸･循環管理を含む)ができる。

(6) 頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。

(7) 専門医への適切なコンサルテーションができる。

方略

(1) 研修内容：　救急医療および内科を中心とする一般診療，総合診療の実地研修を行う。医療チームの一員として，一般診療で頻度の高い内科疾患と救急疾患（内科系および外科系を中心とする）の診療に従事する。

(2) 研修期間：　研修1年目に3か月間

(3) 研修病院：　GHT3協力型研修病院

(4) 研修部門：　救急部門および内科（総合）診療科（一般内科，総合内科，総合診療科，臓器別内科診療科から1科または2科を選択）で研修

評価

ポートフォリオによる評価。

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5　研修指導システム

5.1 研修管理員会

研修管理委員会は各プログラムの各々の研修医の研修状況を把握し、管理･評価します。名古屋市立大学病院病院長を院長，臨床研修センター長を副委員長とし，全ての研修プログラムのプログラム責任者，副プログラム責任者，協力型臨床研修病院の研修実施責任者，研修協力施設の研修実施責任者，名古屋市立大学病院事務部門の責任者，外部有識者で，構成されます。

5.2 臨床研修センター

名古屋市立大学臨床研修病院群の臨床研修の円滑な実施を図るために，名古屋市立大学病院に臨床研修センターを置きます。当センターは，研修プログラムの企画と管理，コア診療研修の管理運営，協力型臨床研修病院および協力研修施設との連絡調整，研修医の募集･採用，研修環境の整備・管理などを担当します。

5.3 研修責任者

総括責任者: 臨床研修責任者: プログラム責任者: 大学病院基盤研修 中規模病院連携研修A 中規模病院連携研修B 大型病院連携研修A 大型病院連携研修B　 大学病院・市立医療センター連携研修

名古屋市立大学病院長 戸苅　創 臨床研修センター長 早野順一郎 大手信之・兼松孝好　 大原弘隆 鈴木達也 森田明理 早野順一郎・浅野實樹 飯田真介

5.4 指導医

臨床経験が5年以上でプライマリ・ケアに習熟し，医学教育に対する能力と熱意があり，かつ指導のための時間がとれる医師が指導医となります。原則として，臨床研修指導医講習会，教育教育ワークショップの受講経験のあるものから選びます。指導医はローテート研修において，屋根瓦方式の研修指導システムによる診療チームを統括指導します。

5.5 診療チーム

ローテート研修では，診療チームによる屋根瓦方式の研修指導体制(図4)をとります。また，自ら教えることが大きな学習効果を生むという教育理論を踏まえ，ローテート研修では大学病院および協力型病院において名古屋市立大学医学部の参加型臨床実習とも連携をとり診療能力の習得を確実なものとします。

診療 ユニット主任	チーム1	指導医1	シニア レジデント	研修医1	学生1	患者さん 20-24名
				研修医2	学生2
	チーム2	指導医2	シニア レジデント	研修医3	学生3
				研修医4	学生4
	チーム3	指導医3	シニア レジデント	研修医5	学生5
				研修医6	学生6
	チーム4	指導医4	シニア レジデント	研修医7	学生7
				研修医8	学生8

図4.　ローテートプログラムにおける屋根瓦方式の診療チームシステム

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6 共通プログラム

プライマリ・ケア能力を身につけるためには，プライマリ・ケアの実践のみではなく， up-to-dateな医学情報を収集し，吟味する能力が必要です。最近の医学の急速な進歩は，いわゆるcommon diseasesも含めて，その疾患概念や診療医指針を2，3年毎に塗り替えています。そこで，当研修プログラムでは，ローテート研修と平行して，医学知識および医療技術に関するセミナーや実習を共通プログラムとして提供します。

共通プログラムは，大学病院の第一級の専門医や教育スタッフが総力を挙げて行うものであり，大学病院における研修の最大のメリットということができます。さらに，これらのプログラムは，新たな医師臨床研修制度で求められる行動目標や必修項目を中心に構成されており，研修目標をより高度なレベルで達成できるよう配慮されています。

6.1 オリエンテーション

名古屋市立大学臨床研修病院群における臨床研修を円滑に開始するために，当病院群の研修医として必要な知識・技能・態度を修得するとともに，研修医同士の間およびスタッフとの間の連帯感と相互信頼感を得るためのプログラムです。研修に先立って1週間のプログラムを実施します。当病院群に全国から集まる研修医の間の連帯感を高める企画も豊富です。

日程と時間割: 表3 オリエンテーションプログラム参照

6.2 Morning and Evening Reports

コア診療研修ローテート中の指導医と研修医を中心に，休日も含めて，朝8時から9時と夕方5時から6時にコア診療ユニットの総合診療病棟入院症例および救急外来症例についての症例検討とミニレポートを行っています。コア診療研修のローテート中でない研修医も救急外来終了後には，その日担当した症例などを電子カルテで呈示し，アドバイスを受けることができます。

6.3 Evening Seminar

プライマリ・ケアのための実践的知識と臨床判断力の習得を目的に，毎週1回，研修医が自験例のプレゼンテーションやミニレクチャーを行います。専門領域の指導医のアドバスの下に，症例検討，EBM，実践的な診療知識，病態生理学についての学習を行います。プライマリ・ケアはEBMが最も重視される領域です。大学病院および大学医学部の各部門のスタッフが，プライマリ・ケアに必要な医学･医療の最新かつ実践的な知識を提供します。

6.4 International Conference

　月1回程度の頻度でゲストとして海外の教育病院でレジデントの指導に当たっている医師を招き，研修医のために英語で症例検討会やレクチャーを行います。英語でのプレゼンテーションや討論など，海外での臨床研修に触れることができます。

6.5 Weekly Workshop

プライマリ・ケアで頻繁に用いられる一般的臨床手技についての正確な知識，態度，技能を習得するための小グループによるワークショップです。少人数定員制として，同じ内容で年2-3回行います。内容によって，ワークショップに先立つ座学，テキストおよび問題集による予習も行います。座学終了時には客観式テスト，ワークショップ終了時にはobjective standardized clinical examination (OSCE)を行い学習効果の評価を行います。大学病院での研修中に毎週1回程度開催します。

6.6 Clinico-pathological conference (CPC)と剖検

1) 剖検症例(autopsy case) CPC（ACCPC）

名古屋市立大学病院で内科剖検例を中心に年3回剖検症例CPCを開催します。大学病院で研修中の全研修はこのCPCに参加して討論に加わります。また，CPC担当者から予め指示された研修医は，指定された症例についての資料を収集し，発表できる形式にまとめ，症例提示を行います。CPC の目的は，臨床診断および臨床的意思決定の演習です。したがって，研修医および臨床側の参加者にとって未知の症例(2例程度)を対象とします。

2) 研修医のためのsmall-group ACCPC

名古屋市立大学病院での研修中は，担当症例以外の症例の剖検にも立ち会えるように研修医オンコール体制をとります。剖検が行われる時は，剖検病理医から待機中の当番研修医2名に連絡が入ります。担当研修医は病理医の指導のもとに剖検に参加し，約3ヵ月後に担当病理医による最終病理診断レポートが完成した時点で，臨床担当医(主治医)，病理医2名とともに剖検症例についてのSmall-group CPCに参加します。担当研修医は剖検例について剖検レポートをまとめ臨床研修センターに提出します。

3) 臨床症例(clinical case) CPC （CCCPC）

名古屋市立大学病院では生検症例についての様々な臨床症例CPCを開催します。Early Bird Seminor などの機会に案内がありますので積極的に参加してください。

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7　ローテートプログラム

いずれのプログラムでもに，基本研修科目(一般内科，外科＋救急部門[麻酔科を含む])，必修科目(小児科，産婦人科，精神科，地域保健･医療)，選択科目，を研修します。基本研修科目および必修科目の研修プログラムを別添1および別添2に示します。

7.1名古屋市立大学病院の内科研修

名古屋市立大学病院の内科研修は，コア診療研修としての一般内科総合診療研修と，専門内科研修があります。

1) 一般内科研修　(コア診療研修)

· コア診療研修では研修専任の指導医と研修医が同一の勤務スケジュールで診療活動に従事します。指導医は他の業務に煩らわされることなく，診療と研修指導に専念でき，研修医は常に同じ視線で診療に当たってくれる指導医が側にあって，いつでも相談するこができます。

· コア診療研修チームは救急および時間外外来の救急診療，総合診療病床の入院診療，退院後の再来診療を広く担当します。研修医は一般疾患を中心とする豊富な症例について，救急から入院，退院後の再来まで一貫した診療を経験することができます。

· コア診療研修のローテート期間は4〜6か月です。研修環境に慣れた上で，腰を落ち着けて研修することができます。同じチームとして過ごす中で，指導医との間に高い信頼関係が生まれ，医療に対するプロフェッショナルとしての姿勢や価値観，医師としてのライフスタイルも学ぶことができます。指導医も十分な指導の下に安心して研修医に診療を担当してもらうことができます。さらに，症例経験をまとめ学会や論文として発表する機会もあります。

· 日々の研修は緊張感と充実感に溢れています。休日も含めて，毎日，朝夕にカンファレンスと回診を行います。入院症例のチーム間の引き継ぎ，診療方針の決定，および外来症例についての情報交換を通じて，研修医は徹底的にプレゼンテーション能力を磨きます。このようなスケジュールにも関わらず，2交替制勤務によって指導医も研修医も無理のないメリハリのある生活ができます。

週

月

火

水

木

金

土

日

1

昼間

A

B

D

E

B

C

D

E

B

C

E

A

C

E

夜間

C

A

A

D

B

D

A

2

昼間

B

C

E

A

C

D

E

A

C

D

A

B

D

A

夜間

D

B

B

E

C

E

B

3

昼間

C

D

A

B

D

E

A

B

D

E

B

C

E

B

夜間

E

C

C

A

D

A

C

4

昼間

D

E

B

C

E

A

B

C

E

A

C

D

A

C

夜間

A

D

D

B

E

B

D

5

昼間

E

A

C

D

A

B

C

D

A

B

D

E

B

D

夜間

B

E

E

C

A

C

E

A，B，C，D，Eは，それぞれ，指導医1名，レジデント，研修医1-2名からなる診療チーム。

図5. コア診療研修の2交替制勤務スケジュール(例)

2) 専門内科研修

�@ 2年次の選択研修として選択することができます。

�A 8診療領域(消化器、肝膵臓、循環器、呼吸器、神経、内分泌・糖尿病，血液・膠原病、腎臓)から選択します。

�B 研修期間は目的、達成目標に応じて決めます(月単位)。

�C 希望に応じて専門領域の技能の習得や経験も考慮します。

7.2外科研修科目

1) 大学病院基盤研修プログラム (Program 1)および連携研修プログラムA（Program 2 and 4）

�@ GY1に第1外科，第2外科，心臓血管外科の内，1科を選択してローテート。

�A 外科系基本研修コースでは，GY1に第1外科，第2外科，心臓血管外科の内，2科をローテートし，GY2では，一般外科，消化器外科，呼吸器外科，乳腺・内分泌外科，小児移植外科，心臓血管外科，整形外科，脳外科から少なくとも1科をローテートします。

2) 連携研修プログラムB　(Programs 3 and 5)

�@ GY1にGHT1協力型研修病院にて，2か月間以上の外科研修

�A 外科系基本研修コースでは，GY2に大学病院において，第1外科，第2外科，心臓血管外科の内，少なくとも1科を選択してローテートします。

7.3 名古屋市立大学病院における選択研修科目

プログラムB，Cともに，2年目には大学病院研修の特徴を生かして，広範な選択科目の中から自分にあった科目を選んで研修することができます。コース責任者との話し合いにより希望に応じた長さを設定することができます。各科目の研修プログラムは，別添3名古屋市立大学病院における選択科目研修プログラムを参照。

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8　臨床研修の到達目標

8.1　行動目標

臨床研修プログラムの行動目標を，別添4 臨床研修の到達目標に示す。

8.2 経験目標

臨床研修プログラムの経験目標を，別添5 臨床研修の経験目標に示す。

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9　研修評価と修了認定

9.1 研修評価システム

研修期間中の評価および研修期間終了時の評価には，ポートフォリオを使用します。

1) 各研修科目についての自己目標の設定

�@ 研修医は各研修科目開始時および研修期間2か月毎に，研修の自己目標を記載し，その内容を指導医と協議する。

�A 指導医は目標の妥当性と実現可能性を評価し，必要な指導を行う。

2) 研修中の評価とフィードバック

�@ 研修期間中の評価は形成的評価により行う。

�A 研修医は研修期間2か月毎および各研修科目終了時に，指定シートの自己評価と裏面の研修医評価を記入し評価担当者(指導医，看護師長，他)に提出する。

�B 指導医および看護師長は，ポートフォリオの指定シートの評価項目についての評価を行い，優れている点，努力を要する点についてフィードバックを行う。

3) 経験目標の達成度の評価

�@ 研修医は経験目標シートに，随時，経験した項目の診療科と日付を記入し，指導医に提出する。

�A 指導医は研修医の申告内容を吟味し，適切と思われる項目について確認の署名または押印を行う。

4) 行動目標の達成度の評価

�@ 研修医は診療技能についてのワークショップや実地指導を受けた時，および研修科目の終了時などに研修医ライセンスシートに基づいて，指導医から診療技能の達成度の評価を受ける。

�A 指導医は研修医の達成水準を評価し，対応するライセンス認定欄に日付を記入し，署名または押印を行う。

5) 研修終了時の評価

�@ 研修期間終了時の評価は、総括的評価により行い、研修医ごとの臨床研修修了の判断を行う。

�A 研修医の研修期間の終了に際し、研修医はプログラム責任者にポートフォリオを提出しなければならない。

�B プログラム責任者は、提出された個々の研修医のポートフォリオに基づいて，臨床研修の目標の達成状況を評価し，その結果を研修管理委員会に報告する。

�C 研修管理委員会はプログラム責任者からの報告に基づいて，研修の修了認定の可否についての評価を行う。評価は、研修実施期間の評価及び臨床研修の目標の達成度の評価（経験目標等の達成度の評価及び臨床医としての適性の評価）に分けて行い、両者の基準が満たされた時に修了と認める。

9.2 臨床研修医ポートフォリオの内容と使用方法

ポートフォリオの内容とその運用法は次の通りです。

1) 研修医の義務

�@ 研修医は，研修期間を通じて本ポートフォリオを常に指導医に提示できるよう管理しなければならない。

�A 研修医は，研修修了までに本ポートフォリオの全必修項目に指導医の確認/受理を受けなければならない。

�B 研修医は，本ポートフォリオを紛失したときは，速やかに臨床研修センター長に報告しなければならない。

2) ポートフォリオの使い方と必修研修項目

�@ 科目ごとの目標と評価シート　（20シート　不足時は名古屋市立大学病院の研修事務担当者まで）

�A 各科目の開始時にその科目における研修目標を記載，内容を指導医と協議すること。

�B 各科目の終了時に自己評価と裏面の研修医評価を記入し評価担当者(指導医，看護師長，他)に提出すること。

�C 1科目の研修が2か月以上に及ぶ時は，2か月毎に上記の評価を行い，新しいシートに目標を記載して指導医と協議すること。

3) 経験目標

�@ 経験目標Aの緊急を要する症状・病態の全ての必修項目を経験すること。

�A 経験目標Bの経験が求められる疾患・病態の全必修項目を含む62項目以上を経験すること。

�B 経験した項目について，最初に経験した診療科と日付を自分で記入 し，評価時に指導医の確認印をもらうこと。

4) 研修医ライセンス制度

以下の機会に当該指導医から認定を受けること。

�@ オリエンテーションやワークショップ受講時 (当該項目の講師に申請)

�A ローテート終了時などに，科目についての評価を受ける時

�B その他，研修状況に応じて指導医が認めるとき

ポートフォリオおよび症例報告様式CF-01は下記HPよりファイルとしてダウンロードできます。

　http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/cgmerd.dir/index.htm

9.3　レポート

　　レポートの提出が義務づけられている項目についてレポートを作成し、指導医に提出することが義務づけられます。指導医は提出されたレポートを審査し、必要な修正を求めます。受理可能と判断された時点で、ポートフォリオに提出確認の署名/捺印を行います。各研修医は全てのレポートの最終版を、電子ファイルとして随時提出が可能な状態で保管して下さい。

臨床研修で提出が求められるレポート(研修修了までに各1件以上)
提出先(指導を受けポートフォリオに署名/捺印をもらう)	レポートNo
A6. CPC(臨床病理検討会）レポート（剖検報告）	1
B1. 頻度の高い症状の必修20項目 診療記録の写し＋鑑別診断レポート
2) 不眠	2
5) 浮腫	3
6) リンパ節腫脹	4
7) 発疹	5
9) 発熱	6
10) 頭痛	7
11) めまい	8
14) 視力障害、視野狭窄	9
15) 結膜の充血	10
19) 胸痛	11
20) 動悸	12
21) 呼吸困難	13
22) 咳・痰	14
23) 嘔気・嘔吐	15
26) 腹痛	16
27) 便通異常（下痢、便秘）	17
28) 腰痛	18
31) 四肢のしびれ	19
32) 血尿	20
33) 排尿障害（尿失禁・排尿困難）	21
B3. 経験が求められる疾患・病態 レポートは症例報告形式
外科症例レポート	22
(2)[1] 脳・脊髄血管障害（脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血）	23
(5)[1]  心不全	24
(5)[8] 高血圧症（本態性、二次性高血圧症）	25
(6)[2]  呼吸器感染症（急性上気道炎、気管支炎、肺炎）	26
(7)[1]  食道・胃・十二指腸疾患（食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎）	27
(8)[1]  腎不全（急性・慢性腎不全、透析）	28
(10)[4] 糖代謝異常（糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖）	29
(13)[2] 痴呆（血管性痴呆を含む）	30
(13)[4] 気分障害（うつ病、躁うつ病を含む）	31
(13)[5] 統合失調症（精神分裂病）	32

書式は臨床研修センターのHPからdownloadできます

9.3 研修修了認定

臨床研修センターは各層による研修医の評価を総合して臨床研修管理委員会に報告し，管理委員会はその報告に基づいて研修の修了を認定できるか否かを審議する。認定された場合は研修修了証を発行し，修了証の授与式を行う。併せて優秀な研修医および指導医の表彰を行う。

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10　処遇

10.1　給与等

　　名古屋市立大学病院に所属する間(GHT2，GHT3研修期間を含む)の処遇は以下の通りです。

　　また、GHT1協力型研修病院での研修期間中の処遇については各病院の規程に従うものとします。

1.常勤･非常勤の別	非常勤
2.研修手当	支給額（税込み）
	基本手当／月　315，300円
	賞与／年　　　　0円
	夜間勤務手当　:　10，000円
	休日手当　:　10，000円
3.勤務時間	基本的な勤務時間　（08:30〜17:00）　※週33-40時間内
	時間外勤務の有無　:　有　(従来の当直に相当)
4.休暇	有給休暇　:　24日
	夏季休暇　:　無
	年末年始　:　有り（12月29日〜31日、1月2日、3日）
	その他休暇　:　出産休暇、子の看護休暇、災害休暇（一部有給）等、介護休暇(条件有り，無給)
5.当直	夜間勤務として　月4回程度　(3-7回)
6.研修医の宿舎	有り　（自己負担金:　2万円未満/月の予定） H21年度から
7.研修医の病院内の個室	有り　（1室）
8.社会保険･労働保険	公的医療保険　:　政府管掌健康保険
	公的年金保健　:　厚生年金保険
	労働者災害補償保険法の適用　:　有り
	国家・地方公務員災害補償法の適用　:　無 雇用保険　:　有り
9.健康管理	健康診断　:　年1回
10.医師賠償責任保険の扱い	病院において加入　:　する
	個人加入　:　推奨　(保険料相当額を手当として支給)
11.外部の研修活動	学会、研究会等への参加　:　可 学会、研究会等への参加費用支給の有無　:　無
12.その他	院内保育所有り

10.2 医師賠償責任保険

　　名古屋市立大学病院は病院として賠償責任保険に加入します。また、名古屋市立大学病院での研修中に関しては，医師個人に対する賠償責任および研修協力施設等での事故に対応するための医師賠償責任保険に加入し、名古屋市立大学病院が保険料を支給します。

10.3　夜勤・休日日勤

1) 1年目研修医

�@ 名古屋市立大学病院での研修中:　コア診療研修ローテート中は，2交替制勤務の夜勤が月5回，休日日勤が月2回です。コア診療研修中以外は，夜勤と休日日勤を合わせて約4回/月です。

�A GHT1研修中:　宿日直は研修先の協力型研修病院の規定に従います。

�B GHT3研修中:　宿日直は研修先の協力型研修病院の規定に従います。

2) 2年目研修医

�@ 名古屋市立大学病院での研修中:　2交替制勤務を行う場合は、夜勤が月5回，休日日勤が月2回です。通常勤務の場合は，救急部における夜勤と休日日勤を合わせて約4回/月で、夜勤の翌日が勤務日である場合は，翌日の午前または午後の勤務を免除します。

�A GHT2研修中:　宿日直は研修先の協力型研修病院の規定に従います。

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表１　協力型研修病院および研修協力施設一覧(予定)

GHT1， GHT2， GHT3:　一般病院研修を行う協力型臨床研修病院

AF:　地域保健･医療研修を行う研修協力施設

（）内の数字は1年間の定員

1.1 連携研修プログラムの協力型研修病院とその定員
	Program 2	Program 3
中規模病院群	1年次　大学病院	1年次　一般病院
	2年次　一般病院	2年次　大学病院
旭労災病院	2名	2名
渥美病院	2名	2名
いなべ総合病院	2名	2名
NTT西日本東海病院	2名	2名
遠州総合病院		2名
蒲郡市民病院	2名	2名
協立総合病院		2名
公立尾陽病院	2名	2名
菰野厚生病院	2名
総合大雄会病院	1名	2名
知多厚生病院	2名	2名
名古屋共立病院		1名
成田記念病院	2名	2名
尾西病院	1名	1名
南生協病院		1名
	Program 4	Program 5
大型病院群	1年次　大学病院	1年次　一般病院
	2年次　一般病院	2年次　大学病院
安城更生病院	2名	2名
一宮市立市民病院	1名	1名
海南病院	2名	2名
加茂病院	2名	2名
刈谷豊田総合病院	2名	2名
県立多治見病院	2名	2名
昭和病院	2名	2名
大同病院	2名	2名
豊川市民病院	2名	2名

1.2　H20年度　一般病院短期研修の協力型研修病院と定員
一般病院研修	GHT 3研修	GHT 2研修
	1年次 3か月 (選択)	2年次 3か月以内 (選択)
対象プログラム	Program 1	Programs 1， 3 and 5
海南病院	4名	○
刈谷豊田総合病院	3名	○
名古屋記念病院	4名	○
名古屋第二赤十字病院	4名
いなべ総合病院		○
NTT西日本東海病院		○
掛川市立総合病院		○
蒲郡市民病院		○
木沢記念病院		○
協立総合病院		○
菰野厚生病院		○
総合大雄会病院		○
泰玄会		○
大同病院		○
知多厚生病院		○
東海記念		○
常滑市民		○
名古屋市立城西病院		○
名古屋市立城北病院		○
名古屋市立東市民病院		○
名古屋市立緑市民病院		○
名古屋市立守山市民病院		○
名古屋逓信病院		○
尾西病院		○
八事病院		○

○ 定員は原則として同時期に1名まで

1.3　研修協力施設（AF）と定員
足助病院	9名
上矢作病院	18名
前島病院	12名
知多厚生病院附属篠島診療所	8名
日間賀島診療所	6名
鵜沼中央クリニック	24名
名古屋市厚生院	14名
名古屋市総合リハビリテーションセンター	○
名古屋市精神保健福祉センター	精神科で調整
名古屋市くすのき学園	精神科で調整
奥田内科クリニック	数名
こじま内科小児科クリニック	数名
橋本クリニック	数名
小塚内科ｸﾘﾆｯｸ	数名
ｾﾝﾄﾗﾙ内科	数名
晃生クリニック	数名
木村医院	数名
名古屋市保健所	制限なし
半田市医師会健康管理センター	○
赤十字血液センター	講習会受講者

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表2 名古屋市立大学病院の診療科部長の一覧
役　職	氏　名
消化器内科部長	城　卓志
呼吸器内科部長	佐藤　滋樹
循環器内科部長	大手　信之
内分泌・糖尿病内科部長	神谷　吉宣
血液・膠原病内科部長	上田　龍三
肝・膵臓内科部長	大原　弘隆
腎臓内科部長	木村　玄次郎
消化器外科部長	竹山　廣光
呼吸器外科部長	藤井　義敬
小児・移植外科部長	鈴木　達也
乳腺内分泌外科部長	山下　啓子
一般外科部長	桑原　義之
整形外科部長	大塚　隆信
産科婦人科副部長	杉浦真弓
小児科部長	戸苅　創
眼科部長	小椋　祐一郎
耳鼻咽喉科部長	村上　信吾
皮膚科部長	森田　明理
泌尿器科部長	郡　健二郎
精神科部長	古川　壽亮
放射線科部長	芝本　雄太
麻酔科部長	津田　喬子
脳神経外科部長	山田　和雄
神経内科部長	小鹿　幸生
心臓血管外科部長	三島　晃
コア診療ユニット主任	兼松　孝好

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表3 オリエンテーションプログラム日程表

GIO: 名古屋市立大学臨床研修病院群における臨床研修プログラムを円滑に開始するために，当病院群の研修医として必要な診療及び病院システムについての知識・技能・態度を修得する。

研修医修了式

新研修医歓迎会

臨床研修ガイダンス　（対象:　全プログラム研修医）

09:00 12:00

1． 研修評価と修了認定基準 2． 事務手続きと医師賠償責任保険 解散

病棟・中央診療棟10階 第4会議室

臨床研修センター ｾﾝﾀｰ長

臨床研修オリエンテーション　(対象:プログラム 1， 2， 4， 6研修医)　

09:00	臨床研修オリエンテーション	中央棟
13:00	臨床研修オリエンテーション	中央棟

09:00	臨床研修オリエンテーション	中央棟
13:00	臨床研修オリエンテーション	中央棟

09:00	臨床研修オリエンテーション	中央棟
13:00	電子カルテの使い方と演習	中央棟	情報処理室

09:00	電子カルテの使い方と演習	中央棟	情報処理室
13:00	赤十字血液センターガイダンス	中央棟10階	赤十字血液センター

2年目研修医ガイダンス，その他

電子カルテ演習　中央棟3階研修室　(プログラムB，協力型　2年目のみ)

赤十字血液センターガイダンス　中央棟4階第1会議室　(プログラムB，C，協力型　2年目)

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表4　研修医勉強会　“さくらFC (Fresh Conference)”

目的：臨床研修制度の開始に伴い、研修医は従来の専門家研修では経験しなかった救急疾患やプライマリ・ケアに携わる機会が大幅に増えた。その経験を研修医間で共有しながら全体的なレベルアップを目指す。

方法：この勉強会では研修医が順番に症例や勉強してきたことを発表していく形式をとる。その勉強会でテーマとなる疾患や病態、項目について専門的知識を有する医師をアドバイザーとして招き、発表に対するコメントや＋αとなる講義をしてもらうことでより充実した勉強会にする。

研修医１年目が主になってプレゼンターをする。一回に一人の研修医が担当する。

担当の週にどうしても発表できない場合は、早い段階で他の研修医に交代してもらい、違う週にあらためて担当する。

日時：毎週一回、その週に担当となった研修医がアドバイザーとなる医師の予定と自分の予定に合わせて日程を決める。基本的には19時スタートで、場所は新病棟10階の会議室を予約する(その週に担当となった研修医が前の週までに予約をする)。

内容：基本的には担当研修医の自由にテーマを決める。

例　勉強会のテーマ

抗生剤について(9回)

輸液について(3回)

市中肺炎ガイドライン

誤嚥性肺炎について

糖尿病の救急治療

脳梗塞の診断のしかた

小児の咳

敗血症

病院食について(試食つき)　　　など

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表5 Weekly Workshopプログラム　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

GIO: 安全かつ的確なプライマリ・ケア診療技能を身につけるために，プライマリ・ケアで必要頻度の高い診察法，検査法，治療法についての基本的なテクニックを習得する。

方略:

1. 10〜15名程度の小グループによるワークショップ

2. 参加希望者を募り，抽選等による定員制

3. 同じ内容を年3回ほど行う (各研修医は1講座1回のみ)

4. 講座によってはワークショップに先立ち座学を行う（Early Bird Seminarと連携）

5. 座学ではテキストを指定、テキストに沿った問題集等を予習する

6. ワークショップ終了時にOSCEを行い学習効果を評価する

プログラム 1. 腹部エコー 2. 心エコー 3. 整形外科診察法 4. 骨折・脱臼の整復と固定法 5. 神経学的所見の取り方 6. 腰椎穿刺と髄液検査法 7. 耳鏡・鼻鏡の使い方 8. 眼底鏡・細隙灯の使い方・視力検査 9. 検尿と簡易血糖検査、肝炎検査 10. グラム染色法 11. ベンチレータの使い方 12. 気管挿管 13. 点滴・輸液ポンプの使い方 14. プレホスピタル外傷ケア 15. ACLS 16. 心電図

講師(敬称略) 消化器内科: 中沢貴宏 循環器内科: 大手信之 整形外科: 水谷 潤 整形外科: 水谷 潤 神経内科: 山脇健盛 神経内科: 松川則之 耳鼻咽喉科: 中村喜久 眼科: 山田 潔 中央臨床検部: 田中靖人 中検中央臨床検部: 田中靖人 集中治療部: 伊藤弘晃 救急部: 竹内昭憲 麻酔科: 森田正人 救急部･麻酔科: 安藤雅樹 救急部・名古屋市消防局: 竹内昭憲 整形外科 救急部:　竹内昭憲 循環器内科:佐伯知昭

曜日時間帯 金曜夕方 月曜夕方 未定 未定 火曜夕方 火曜夕方 金曜夕方 水曜夕方 月曜以外夕方 月曜以外夕方 水曜夕方 水曜夕方 水曜夕方 水曜夕方 土曜，日曜

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表6　臨床研修症例レポート作成要領

臨床研修で提出が求められるレポート

研修修了までに以下の33件のレポートを指導医に提出し，受理されること。

1.　剖検症例レポート(１件以上)　: 担当したCPCのレポートまたは，参加した剖検例の臨床記録+病理所見

2.　外科症例レポート(１件以上): 手術症例の症例報告(様式CF-01)＋手術内容

3.　経験すべき10疾患・病態のレポート(10件) :　症例報告(様式CF-01)

4.　頻度の高い症状のレポート(20件) :　鑑別診断のレポート (様式指定無し)　

名古屋市立大学病院・症例報告様式　（CF-01)　download

経験すべき疾患・病態のレポート番号 (C1〜C10)：　

研修医･指導医

名古屋市立大学臨床研修病院群医師臨床研修プログラム：

研修医氏名：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

指導医に提出した日：　　年　　月　　日

レポートは指導医に提出し，ポートフォリオ(P4-01)に受理を示す署名/捺印，評価の記入を受けること。

症例情報

病院名：　　　　　　　　　　　　 　　診療科名：

識別番号*：　　　　　 　　 　　 　剖検　有無　　　　*ID番号は不可

患者名 (イニシャル)： 　 　　　　歳　男女

入院期間：　　　　日

受持期間：　　　　日

診断

#1　

#2　

#

転帰：　治瘉　軽快　転科（手術　有･無）不変　死亡（剖検　有･無）　　　

Follow-up　　外来にて　他院へ依頼　転院

主訴

現病歴

既往歴

家族歴

患者背景（職業、家庭環境、居住地等）

身体所見

検査結果

入院（治療）経過

考察

参考文献　引用番号）　著者名. タイトル. 雑誌名.　発表年;　巻:　開始頁-終了頁.

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別添1 基本科目研修プログラム

内科

1． 一般目標

1) 全ての臨床医に求められる内科における基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。

2) 慢性疾患患者や高齢患者の管理上の要点を知り、リハビリテーションと在宅医療・社会復帰の計画立案ができる。

3) 末期患者の人間的、心理的理解の上にたって、治療し管理する能力を身につける。

4) 患者の持つ問題を心理的・社会的側面をも含め全人的にとらえて、適切に解決し、説明・指導する能力を身につける。

5) 指導医、他科又は他施設に委ねるべき問題がある場合に、適切に判断し必要な記録を添えて紹介・転送することができる。

6) 臨床を通じて思考力、判断力および創造力を培い、自己評価をし第三者の評価を受け入れフィードバックする態度を身につける。

2． 行動目標

【1】下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1) 面接技法（診断情報の収集、患者・家族との適切なコミュニケーションを含む)

2) 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握，皮膚や表在リンパ節の診察を含む) ができ，記載できる。

3) 頭頸部の診察(眼瞼・結膜，眼底，外耳道，鼻腔ロ腔，咽頭の観察，甲状腺の触診を含む) ができ，記載できる。

4) 胸部の診察ができ，記載できる。

5) 腹部の診察(直腸診を含む) ができ，記載できる。

6) 骨・関節・筋肉系の診察ができ，記載できる。

7) 神経学的診察ができ，記載できる。

【2】基本的検査法

Ａ．必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し、結果を解釈できる

1) 一般検尿(尿沈渣顕微鏡検査を含む)

2) 便検査（潜血)

3) 血算･白血球分画

4) 血液型判定・交差適合試験

5) 心電図(12誘導)･負荷心電図(マスター)

6) 動脈血ガス分析

7) 血液生化学的検査･簡易検査(血糖，電解質，尿素窒素など)

8) 細菌学的検査・検体の採取(痰，尿，血液など)・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)

9) 肺機能検査 ・スパイロメトリー

10) 細胞診・病理組織検査

11) 単純X線検査（頭、胸、腹部、骨、関節）

12) X線CT検査

13) MRI検査

Ｂ．適切に結果を選択、指示、あるいは指導医の監督下で自ら検査し、結果を解釈できる。

1) 検便（虫卵）

2) 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査，アレルギー検査を含む)

3) 骨髄検査（穿刺、骨髄像)

4) 細菌学的検査・薬剤感受性検査

5) 超音波検査（心臓・腹部)

6) 造影Ｘ線検査（胃・十二指腸)

7) 髄液検査

8) 内分泌学的検査

9) 神経生理学的検査（脳波、筋電図)

10) 核医学検査

Ｃ．指導医が施行する検査を観察・介助し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 内視鏡検査

2) 造影Ｘ線検査（血管、大腸）

3) 運動負荷検査(トレッドミル，エルゴメータ)

4) 生検、細胞診、病理組織検査

【3】基本的手技:以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1) 気道確保

2) 人工呼吸(バッグマスクによる徒手換気を含む)

3) 心マッサージ

4) 注射法(皮内，皮下，筋肉，点滴，静脈確保，中心静脈確保)

5) 採血法(静脈血，動脈血)

6) 穿刺法(腰椎，胸腔，腹腔)

7) 導尿法

8) 浣腸法

9) ドレーン・チューブ類の管理

10) 胃管の挿入と管理

11) 局所麻酔法

12) 創部消毒とガーゼ交換

13) 簡単な切開・排膿

14) 皮膚縫合法

15) 気管挿管

16) 除細動を実施できる。

【4】基本的治療法

Ａ.　以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 療養指導(安静度，体位，食事，入浴，排泄，環境整備を含む)

2) 薬物の作用，副作用，相互作用について理解し，薬物治療(抗菌薬，副腎皮質ステロイド薬，解熱薬，麻薬を含む)

3) 輸液

4) 輸血(成分輸血を含む)･血液製剤の使用

5) 抗生物質の使用

6) 副腎皮質ステロイドの使用

7) 抗腫瘍化学療法

8) 呼吸管理

9) 循環管理（不整脈を含む)

10) 中心静脈栄養法

11) 経腸栄養法

12) 運動療法

Ｂ．必要性を判断し、適応を決定できる

1) 外科的治療

2) 放射線治療

3) リハビリテーション

4) 精神的・心身医学的治療

【5】以下の救急処置法を適切に行い、必要に応じて専門医に診察を依頼することができる。

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握（判断)

3) 心肺蘇生術（気道確保) の適応判断と実施

4) 指導医や専門医（専門施設) への申し送りと移送

【6】下記の項目に配慮し、患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

1) コミュニケーションスキル

2) 患者、家族のニーズと心理的側面の把握

3) 生活習慣変容への配慮

4) インフォームドコンセント

5) プライバシーへの配慮

【7】以下の予防医療を実施あるいは重要性を認識し、適切に対応できる。

1) 食事指導

2) 運動指導

3) 禁煙

4) ストレスマネージメント

5) 地域・職場・学校検診

6) 予防接種

7) 性行為感染症・エイズ予防

8) 院内感染（Universal Precautionsを含む)

【8】全人的理解に基づいて、以下の末期医療を実施できる。

1) 告知をめぐる諸問題への配慮

2) 身体症状のコントロール（ＷＨＯ方式がん疼痛治療法を含む)

3) 心理社会的側面への配慮

4) 死生観・宗教観などの側面への配慮

5) 告知後および死後の家族への配慮

【9】以下のチーム医療を理解し、必要に応じて実施できる。

1) 指導医や専門医へのコンサルテーション

2) 他科、他施設への紹介・転送

3) 医療・福祉・保健の幅広い職種からなるチームの在宅医療チームの調整

【10】以下の医療記録を適切に作成し、管理できる。

1) 診療録の作成

2) 処方箋・指示書の作成

3) 診断書の作成

4) 死亡診断書（死体検案書を含む） 、その他の証明書

5) CPCレポート(剖検報告)の作成，症例呈示

6) 紹介状とその返事の作成

【11】医療における以下の社会的側面の重要性を認識し、適切に対応できる。

1) 保健医療法規・制度

2) 医療保険、公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅医療（介護を含む) 、社会復帰

5) 地域保健・健康増進（保健所機能への理解を含む)

6) 医の倫理・生命倫理

7) 医療事故

【12】以下の診療計画・評価を実施できる。

1) 必要な情報収集（文献検索を含む)

2) プロブレムリストの作成

3) 診療計画（診断、治療、患者への説明の計画) の作成

4) 入退院の判断

5) 症例提示・要約

6) 自己評価および第三者による評価をふまえた改善

7) 剖検所見の要約・記載

【13】症例

1) 症例発表

3. 経験すべき症状・病態

【1】頻度の高い症状

1) 全身倦怠感

2) 不眠

3) 食欲不振

4) 体重減少，体重増加

5) 浮腫

6) リンパ節腫脹

7) 発疹，かゆみ

8) 黄疸

9) 発熱

10) 頭痛

11) めまい

12) 失神

13) けいれん発作

14) 視力障害，視野狭窄

15) 結膜の充血

16) 聴覚障害，耳鳴

17) 鼻出血

18) 嗅声

19) 胸痛

20) 動悸

21) 呼吸困難

22) 咳・痰

23) 嘔気・嘔吐

24) 胸やけ

25) 嚥下困難

26) 腹痛

27) 便通異常(下痢，便秘)

28) 腰痛

29) 関節痛

30) 歩行障害

31) 四肢のしびれ

32) 血尿

33) 排尿障害(尿失禁・排尿困難)

34) 尿量異常

35) 不安・抑うつ

【2】 緊急を要する疾患・病態

1) 心肺停止

2) ショック

3) 意識障害

4) 脳血管障害

5) 急性呼吸不全

6) 急性心不全

7) 急性冠症候群

8) 急性腹症

9) 急性消化管出血（吐血、下血）

10) 急性腎不全

11) 尿閉

12) 急性感染症

13) 急性中毒

14) 誤飲（たばこ、薬物など） 、誤嚥（ピーナッツなど）

15) アナフィラキシー

【3】 経験すべき疾患・病態

1) 血器・リンパ網内系疾患

�@ (鉄欠乏貧血二次性貧血)

�A 白血病

�B 悪性リンパ腫

�C 出血傾向・紫斑病(播種性血管内凝固症候群:DIC)

2) 神経系疾患

�@ 脳・脊髄血管障害(脳梗塞，脳内出血，くも膜下出血)

�A 痴呆性疾患

�B 脳・脊髄外傷(頭部外傷，急性硬膜外・硬膜下血腫

�C 変性疾患(パーキンソン病)

�D 脳炎・髄膜炎

3) 皮膚系疾患

�@ 湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎，アトピー性皮膚炎)

�A 蕁麻疹

�B 薬疹

�C 皮膚感染症

4) 運動器(筋骨格)系疾患

�@ 骨折

�A 関節の脱臼，亜脱臼，捻挫，靱帯損傷

�B 骨粗鬆症

�C 脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア)

5) 循環器系疾患

�@ 心不全

�A 狭心症，心筋梗塞

�B 心筋症

�C 不整脈(主要な頻脈性，徐脈性不整脈)

�D 弁膜症(僧帽弁膜症，大動脈弁膜症)

�E 動脈疾患(動脈硬化症，大動脈瘤)

�F 静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症，下肢静脈瘤，リンパ浮腫)

�G 高血圧症(本態性，二次性高血圧症)

6) 呼吸器系疾患

�@ 呼吸不全

�A 呼吸器感染症(急性上気道炎，気管支炎，肺炎)

�B 閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息，気管支拡張症)

�C 肺

�D 循環障害(肺塞栓・肺梗塞)

�E 異常呼吸(過換気症候群)

�F 胸膜，縦隔，横隔膜疾患(自然気胸，胸膜炎)

�G 肺癌

7) 消化器系疾患

�@ 食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤，胃癌，消化性潰瘍，胃・十二指腸炎)

�A 小腸・大腸疾患(イレウス，急性虫垂炎，痔核・痔瘻)

�B 胆嚢・胆管疾患(胆石，胆嚢炎，胆管炎)

�C 肝疾患(ウイルス性肝炎，急性・慢性肝炎，肝硬変，肝癌，

�D アルコール性肝障害，薬物性肝障害)

�E 膵臓疾患(急性・慢性膵炎)

�F 横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎，急性腹症，ヘルニア)

8) 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)疾患

�@ 腎不全(急性・慢性腎不全，透析)

�A 原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群，ネフローゼ症候群)

�B 全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症)

�C 泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石，尿路感染症)

9) 生殖器疾患

�@ 女性生殖器およびその関連疾患(無月経，思春期・更年期障害，骨盤内腫瘍，乳腺腫瘍)

�A 男性生殖器疾患(前立腺疾患，勃起障害，精巣腫瘍)

10) 内分泌・栄養・代謝系疾患

�@ 視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害)

�A 甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症，甲状腺機能低下症)

�B 副腎不全

�C 糖尿病異常(糖尿病，糖尿病の合併症，低血糖)

�D 高脂血症蛋白および核酸代謝異常(高尿酸血症)

11) 眼・視覚系疾患

�@ 屈折異常(近視，遠視，乱視)

�A 角結膜炎

�B 白内障

�C 緑内障

�D 糖尿病，高血圧・動脈硬化による眼底変化

12) 耳鼻・咽喉・ロ腔系疾患

�@ 中耳炎

�A 急性・慢性副鼻腔炎

�B アレルギー性鼻炎

�C 扁桃の急性・慢性炎症性疾患

�D 外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物

13) 精神・神経系疾患

�@ 症状精神病

�A 痴呆(血管性痴呆を含む)

�B アルコール依存症

�C うつ病

�D 不安障害(パニック症候群)

�E 身体表現性障害，ストレス関連障害

14) 感染症

�@ ウイルス感染症(インフルエンザ，麻疹，風疹，水痘，ヘルペス，流行性耳下腺炎)

�A 細菌感染症(ブドウ球菌，MRSA，A群レンサ球菌，クラミジア)

�B 結核

�C 真菌感染症(カンジダ症)

�D 性感染症

�E 寄生虫疾患

15) 免疫・アレルギー疾患

�@ 全身性エリテマトーデスとその合併症

�A 慢性関節リュウマチ

�B アレルギー疾患

16) 物理・化学的因子による疾患

�@ 中毒(アルコール，薬物)

�A アナフィラキシー

�B 環境要因による疾患(熱中症，寒冷による障害)

�C 熱傷

17) 加齢と老化

�@ 高齢者の栄養摂取障害

�A 老年症候群(誤嚥，転倒，失禁，褥瘡)

外科

1．一般目標

1) 外科医としての心構えを理解し、節度ある身なり態度がとれる。

2) 外科における基本的な知識、処置、手術手技を身につける。

3) 患者・家族と適切な接遇ができ、適切な説明・指導を心掛け信頼関係を築くよう努力する。

4) チーム医療の重要性を自覚し、スタッフと協調、協力が円滑にできる。

5) 常に患者の人間的・心理的理解に立ち、治療し管理する能力を身につける。

2．行動目標

【1】基本的診察法

1) 適切かつ良好なコミュニケーションで病歴を聴取し記述できる。

2) バイタルサインを測定し記述できる。

3) 全身身体所見を診察し記述できる。

【2】基本的手技

1) 気道確保を実施できる

2) 人工呼吸を実施できる。(バッグマスクによる徒手換気を含む)

3) 心マッサージを実施できる。

4) 圧迫止血法を実施できる。

5) 包帯法を実施できる。

6) 注射法(皮内，皮下，筋肉，点滴，静脈確保，中心静脈確保)を実施できる。

7) 採血法(静脈血，動脈血)を実施できる。

8) 穿刺法(腰椎，胸腔，腹腔)を実施できる。

9) 導尿法を実施できる。

10) ドレーン・チューブ類の管理ができる。

11) 胃管の挿入と管理ができる。

12) 局所麻酔法を実施できる。

13) 創部消毒とガーゼ交換を実施できる。

14) 簡単な切開・排膿を実施できる。

15) 皮膚縫合法を実施できる。

16) 軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。

17) 気管挿管を実施できる。

18) 除細動を実施できる。

【3】基本的検査と症例の把握

1) 検尿、検便、血液型、出血・凝固時間検査を実施し結果を把握できる。

2) 血液一般、生化学、凝固系、血液ガス、心機能、肺機能、腎機能など術前検査を指示し結果を把握できる。

3) 胸腹部単純Ｘ腺撮影の指示と結果を把握できる。

4) 各種検討会に参加し症例呈示ができる。

【4】術前、術後管理

1) 輸液法、輸血法を理解し実施できる。

2) 中心静脈栄養法を実施できる。

3) ドレーン・チューブ類の管理ができる。

4) 胃管の挿入と管理ができる。

5) 創部消毒とガーゼ交換を実施できる。

【5】手術

1) 滅菌、消毒の留意点に習熟し実施できる。

2) 各種手術の助手の手技を理解し実施できる。

3) 手術基本手技−結紮、切離、縫合法を理解し、練習器を用い訓練し実施可能レベルに達する。

3．担当症例の臓器別目標

【1】消化器外科手術

1) 消化器外科の解剖と生理

2) 消化器手術の助手を実施

3) 開胸閉胸、開腹閉腹の実施

4) 消化器手術の術前術後管理

5) 病理学的所見の理解

【2】呼吸器外科手術

1) 胸部の解剖と生理

2) 胸部理学的診察方法

3) 胸部画像診断（胸部単純Ｘ線、CT、MRI等)

4) 血管造影手技の理解と診断

5) 気管支鏡検査の理解と診断

6) 呼吸器外科に関する診断治療の組み立て

7) 開胸手術手技の理解と実施

8) 呼吸器外科手術手技の理解と実施

9) 病理学的所見の理解

10) 呼吸器外科の術前術後管理

【3】心臓血管外科手術

1) 心、大血管の解剖、生理

2) 心疾患の検査計画を理解し結果を把握

3) 先天性心疾患の列挙と図示

4) 先天性心疾患に対する手術法の列挙と図示

5) 後天性心疾患に対する手術法の列挙と図示

6) 心疾患手術の助手

7) 心筋保護法および人工心肺法の理解と助手

8) 心血管手術の術前、術後の管理

【4】乳腺内分泌外科手術

1) 頚部の診察法、乳腺の触診

2) 乳腺・甲状腺・副腎の解剖と生理

3) 乳腺・頚部超音波検査の実際

4) Mammographyの読影、CT、MRI、scintigraphyの読影

5) 乳腺・内分泌手術の術者および助手

6) 薬物による化学療法、内分泌療法の実際

【5】小児・移植外科（小児外科・移植外科）

6) 発生を基にした器官解剖の理解

7) 消化管機能のメカニズムの理解

8) 小児における画像診断の前処置と検査中管理と読影

9) 中心静脈栄養、経腸栄養を含む術前・術後管理

10) 新生児を含む小児外科特有疾患手術の助手

11) 小児鼠径ヘルニア手術の実施

12) 肝不全状態の病態の理解

13) 肝移植（生体・脳死）における説明と同意の実際

14) 臓器保護・保存の実際

15) 肝移植手術の実際（助手）

16) 肝移植患者の術前・術後管理

17) 免疫抑制の実際

18) Ｃｏｍｐｌｏｍｉｚｅｄ　ｈｏｓｔにおける感染管理

【6】一般外科手術

1) 一般外科における解剖と生理

2) 一般外科手術の助手の実施

3) 一般外科手術の術前術後管理

4) 外傷に対する病態の把握と処置

麻酔・救急

1．一般目標

　　　麻酔は単に手術中に患者を不動にしているだけのものではなく、意識、疼痛の管理はもちろん、呼吸、循環、輸液、輸血、体温、代謝等の管理などいわば生命維持に関する幅広い知識と技術が要求される領域である。さらにこれらは集中治療医学・救急医学とオーバーラップする点が極めて多くこれは麻酔管理を学ぶことによって理解が深まる。このことを意識して麻酔科・救急部研修を行うことにより、単に狭い意味での手術室での麻酔のみならず、生命危機に瀕している患者の管理について学ぶことを目標とする。

2.行動目標

【1】麻酔

1) 麻酔を受ける患者の状態の評価

2) 一般的な成人全身麻酔

3) 高齢者麻酔（重篤な合併症がないもの)

4) 小児麻酔（生後1年以上)

5) 脳外科麻酔

6) 胸部外科（肺) 麻酔

7) 脊椎麻酔

8) 局所麻酔

【2】呼吸管理

1) 用手的気道確保

2) エアウエイの挿入

3) 喉頭鏡を用いた気管内挿管

4) ラリンゲルマスクエアウエイの挿入

5) 機械的人工換気法

6) 胸部Ｘ線写真の読影

7) 血液ガス分析

【3】循環管理

1) 末梢静脈ルート確保

2) 中心静脈ルート確保（外頸）

3) 肺動脈カテーテルにより得られる情報を利用した循環管理

4) 動脈穿刺･採血および動脈圧測定

5) 各種循環薬剤（Inotoropics、 dilator) の使用法

6) 各種ショック（Hypovolemic、 cardiogenic、 septicなど) の病態と治療法

7) 心電図(12誘導)

8) バイタルサインの把握

9) 輸液法

【4】栄養代謝の管理

1) 高カロリー輸液法

2) 電解質の補正法

3) 血糖の管理

4) 胃管の留置

5) 各種血液浄化法（透析、濾過透析、血漿交換、腹膜透析、PMX等) の適応についての理解

6) 血液生化学検査（血糖、電解質)

【5】輸血

1) 血液型の判定

2) 輸血法

【6】心肺蘇生法

1) 心臓マッサージ

2) 直流除細動

3) 蘇生に用いる薬剤の使用法

【7】救急外来

1) 全身の観察（バイタルサイン・精神状態を含む) ができ記載できる

2) 頭頸部の診察ができ記載できる

3) 胸部の診察ができ記載できる

4) 腹部の診察ができ記載できる

5) 骨･関節・筋肉系の診察ができ記載できる

6) 神経学的診察ができ・記載できる

7) 小児の診察ができ記載できる

8) 精神面の診察ができ記載できる

9) 圧迫止血法

10) 包帯法

11) 創部消毒

12) 皮膚縫合法

13) 単純エックス線検査

14) エックス線CT検査

【8】手技

1) 尿道カテーテル留置

2) 胃洗浄

3) 各種Ｘ線写真、CTの読影

4) DICの病態と管理法

3. 経験すべき症状・病態

1) 急性心不全

2) 急性呼吸不全

3) 急性腎不全

4) 敗血症

5) 出血

6) 外傷

7) 熱傷

8) DIC

9) 大手術後（心臓、食道、その他)

10) 急性中毒

11) 心肺蘇生

12) 頭蓋内出血

13) 発疹

14) 発熱

15) 頭痛

16) めまい

17) 失神

18) 痙攣発作

19) 結膜充血

20) 鼻出血

21) 胸痛

22) 便通異常

23) 動悸

24) 呼吸困難

25) 痰・咳

26) 嘔気･嘔吐

27) 腹痛

28) 四肢のしびれ

29) 血尿

30) 意識障害

31) 脳血管障害

32) 急性冠症候群

33) 急性腹症

34) 急性消化管出血

35) 急性感染症

36) 誤飲・誤嚥

37) 精神科領域の救急

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別添2 必修科目研修プログラム

産科婦人科

1．一般目標

産婦人科的診療を適切に行うために、産婦人科領域の基礎的素養を身につける

1) 患者の羞恥心を理解し，プライバシーの保護に努め，信頼関係を築く努力をする。

2) 生殖医療，出生前診断におけるインフォームドコンセントの重要性を学ぶ。

2．行動目標

A: 自分ひとりでできる，B:指導医のアドバイスのもとならできる，C: 自分では出来なくてもよいが知っている

【1】 正常妊娠

1) 妊娠反応を実施できる。[A]

2) 妊娠を診断し，週数と予定日の計算ができる。[A]

3) 生殖器の診察（双合診、膣鏡診）ができる。[B]

4) 妊娠中に使用する薬について調べることができる。[A]

5) 正常妊婦の定期健診ができる。[B]

6) レオポルド触診法で胎児を確認し，ドップラーで心音が確認できる。[A]

7) 経膣超音波により妊娠初期の診察を行う。[B]

8) 超音波断層法によって胎児計測を行う。[B]

【2】 正常分娩・産褥

1) 正常妊娠、分娩、産褥の管理（会陰切開、縫合術）ができる。[B]

2) Bishop scoreを理解できる。[A]

3) 分娩監視装置をつけ、異常が理解できる。[B]

4) 児娩出の介助、胎盤娩出の介助ができる。[B]

5) 新生児の処置、Apgar scoreがつけられる。[B]

6) 新生児の診察ができる。[B]

【3】 異常分娩

1) 流産・早産の診断ができる。[B]

2) 妊娠中毒症が診断できる。[B]

3) 帝王切開の適応を判断できる。[B]

4) 産科出血に対応する。[B]

【4】 婦人科診察

1) 生殖器の診察（双合診、膣鏡診）ができる。[B]

2) 基礎体温表の意味が説明できる。[A]

3) 子宮膣部細胞診を実施できる。[B]

4) 経膣超音波検査を実施できる。[B]

【5】 婦人科疾患の取り扱い

1) 月経異常の原因が理解できる。[A]

2) 更年期障害の診断・治療ができる。[A]

3) 子宮筋腫が診断でき、治療方針を説明できる。[B]

4) 婦人科悪性腫瘍の治療指針について説明できる。[A]

5) 急性腹症（子宮外妊娠、卵巣のう腫茎捻転、卵巣出血）の診断ができる。[B]

【6】 下記の手術を経験する。[B]　

1) 子宮内容除去術

2) 鉗子、吸引分娩術

3) 帝王切開術

4) 付属器摘出術

5) 子宮筋腫核出術

6) 単純子宮全摘術

7) 子宮脱根治術

8) 内視鏡下手術

9) 術前、術後管理

【7】 頻度の高い症状について、その対応を説明できる。[B]

1) 月経遅延

2) 下腹痛

3) 性器出血

4) 月経困難症

5) 過多月経

6) 月経不順

7) 帯下

8) 貧血

9) 挙児希望

10) 排尿障害

11) 更年期症状

小児科

1．一般目標

1) 子どもに関する情報を母親からうまく引き出す技術を習得する。

2) 小児では自分から異常部位を訴えてくることが少ないため，医師の診察を通じて異常を発見する技術を習得する。

3) 子どもになるべく苦痛や恐怖心を与えないように素早くかつ的確に診察する技術を身につける。

4) 年齢によって異なる検査データや小児の発達について理解する。

5) 患者の症状に対して年齢別に好発する疾患をあげ，鑑別する能力を身につける。

6) 先天異常・代謝・神経・筋疾患などの遺伝性疾患についての理解と遺伝カウンセリングを学ぶ。

7) 年齢，体重，体表面積別に薬剤投与量を設定する方法を学ぶ。

8) 一般的な感染症や院内感染に関する治療や予防法について理解する。

9) 診断や治療について，わかりやすい表現で家族や本人に説明する技術を習得する。

10) 各発達段階に対応した心理社会的側面へのサポートを習得する。

2．行動目標

【1】 下記の基本的診察法を実施し，所見を解釈できる。

1) 面接技法（親から診断に関する情報を収集，家族とのコミュニケーションを含む)

2) 全身の観察（バイタルサイン，全身状態の把握，皮膚や表在リンパ節の診察，脱水の評価を含む)

3) 頭頸部の診察（鼓膜，外耳道，鼻腔，口腔，咽喉頭を含む)

4) 胸部の診察

5) 腹部の診察（直腸診を含む)

6) 骨・関節・脊柱の診察

7) 神経学的診察（発達評価，骨格筋の診察を含む)

8) 外性器の診察

8)

【2】 基本的検査法

Ａ. 必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し，結果を解釈できる。

1) 一般検尿

2) 検便（潜血）

3) 血算

4) 血液型判定・交差試験

5) 心電図

6) 動脈血ガス分析

7) 血液生化学的検査

8) 細菌学的検査・薬剤感受性検査（検体の採取，細菌についての評価）

9) 単純Ｘ線検査

10) X線CT

11) MRI検査

B. 適切に結果を選択，指示あるいは指導医の監督下で自ら検査し結果を解釈できる。

1) 検便（虫卵）

2) 血液免疫学的検査

3) 骨髄検査（穿刺，骨髄像）

4) 超音波検査（心臓・腹部・頭部）

5) 髄液検査（髄液採取，細胞数測定）

6) 神経生理学的検査（脳波，筋電図）

7) 核医学検査

8) 内分泌学的検査

Ｃ. 指導医が施行する検査を観察・介助し，専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 造影検査（血管，消化管内視鏡検査）

【3】基本的治療法

Ａ. 以下の基本的治療法の適応を決定し，実施できる。

1) 薬剤の処方（体重・年齢・体表面積に応じて投与量を設定）

2) 輸液管理（年齢，脱水症の程度に応じて補正量・維持輸液量を設定）

3) 輸血・血液製剤の使用（血漿交換・交換輸血を含む）

4) 抗生剤の使用

5) 副腎皮質ステロイドの使用（外用・吸入・内服・静注）

6) 抗腫瘍化学療法

7) 呼吸管理

8) 循環管理（不整脈を含む）

9) 中心静脈栄養法

10) 経腸栄養法

11) 療育指導（安静度，体位，食事，入浴，排泄，環境整備を含む）

Ｂ.必要性を判断し，適応を決定できる。

1) 外科的治療

2) 放射線治療

3) ハビリテーション，リハビリテーション

4) 精神的・心身医学的治療

【4】基本的手技:以下の基本的手技の適応を決定し，実施できる。

1) 注射法（皮内，皮下，静注，点滴，中心静脈確保）

2) 採血法（静脈血・動脈血）

3) 穿刺法（腰椎・胸腔，腹腔）

4) 導尿法

5) 浣腸

6) 局所麻酔法

7) 簡単な切開・排膿，創部消毒法

8) 皮膚縫合法

9) ドレーンチューブ類の管理法

10) 気道確保，挿管手技

【5】以下の救急処置法を適切に行い，必要に応じて専門医に診察を依頼することができる

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握（判断）

3) 心肺蘇生術（気道確保) の適応判断と実施

4) 指導医や専門医（専門施設） への申し送りと移送

【6】下記の項目に配慮し，患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

1) コミュニケーションスキル

2) 患者，家族のニーズと心理的側面の把握

3) 生活習慣変容への配慮

4) インフォームドコンセント

5) プライバシーへの配慮

【7】以下の予防医療を実施あるいは重要性を認識し，適切に対応できる。

1) 食事指導

2) 運動指導

3) 禁煙（家庭内での禁煙，もしくは喫煙場所の選択の重要性について)

4) ストレスマネージメント

5) 地域・学校検診

6) 予防接種

7) 性行為感染症・エイズ予防

8) 院内感染（Universal Precautionsを含む）

【8】全人的理解に基づいて，以下の末期医療を実施できる。

1) 告知をめぐる諸問題への配慮（こどもにも理解できるように表現方法を工夫)

2) 身体症状のコントロール（ＷＨＯ方式がん疼痛治療法を含む)

3) 心理社会的側面への配慮

4) 告知後および死後の家族への配慮

【9】以下のチーム医療を理解し，必要に応じて実施できる。

1) 指導医や専門医へのコンサルテーション

2) 他科，他施設への紹介・転送

3) 医療・福祉・保健所の幅広い職種からなるチームの組織

4) 在宅医療チームの調整

【10】以下の医療記録を適切に作成し，管理できる。

1) 診療録

2) 処方箋，指示箋

3) 診断書，死亡診断書（死体検案書を含む) ，その他の証明書

4) 紹介状とその返事

【11】医療における以下の社会的側面の重要性を認識し，適切に対応できる。

1) 保健医療法規・制度

2) 医療保険，公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅医療（介護を含む) ，社会復帰

5) 地域保健（地域との連携) ・健康増進（保健所機能への理解を含む)

6) 医の倫理・生命倫理

7) 医療事故

8) 学校，家庭，職場環境への配慮

9) 母子健康手帳の理解，活用

10) 虐待

【12】以下の診療計画・評価を実施できる。

1) 必要な情報収集（文献検索を含む)

2) プロブレムリストの作成

3) 診療計画（診断，治療，患者への説明の計画) の作成

4) 入退院の判断

5) 症例提示・要約

6) 自己評価および第三者による評価をふまえた改善

7) 剖検所見の要約・記載

【13】症例

1) 症例発表，学会発表

2) 論文発表

3. 経験すべき症状・病態

【1】 緊急を要する疾患・病態

1) 意識障害（脳炎・脳症・髄膜炎，けいれん重積，電解質異常)

2) ショック（アナフィラキシー，副腎皮質過形成，敗血症，先天性代謝異常症)

3) 急性心不全（心奇形，心筋炎，心筋症，川崎病，QT延長症候群)

4) 急性呼吸不全（気管支喘息，クループ症候群，細気管支炎，肺炎)

5) 急性腎不全（急性腎炎，溶血性尿毒症症候群，ネフローゼ症候群・尿路感染症)

6) 脱水症（乳児嘔吐下痢症，熱中症)

7) 急性感染症（溶連菌感染症，麻疹，風疹，水痘，単純ヘルペス，インフルエンザ)

8) 急性中毒（薬剤，毒物)

9) 急性腹症（腸重積，虫垂炎，腸軸捻転，結石)

10) 誤飲（たばこ，薬物，電池，貨幣) ，誤嚥（ピーナッツ)

11) 新生児の疾病（仮死，胎便吸飲症候群，新生児呼吸窮迫症候群，気胸）

12) 溺水

【2】 頻度の高い症状

1) 発熱

2) 咳・痰・鼻汁

3) 下痢，嘔気，嘔吐，腹痛

4) 痙攣

5) 発疹

6) 食欲低下，哺乳力低下，ミルク嫌い

7) 不機嫌・啼泣

8) 体重減少・発育障害

9) 喘鳴・呼吸困難・チアノーゼ

10) 発達遅延

11) 不登校，多動，注意力散漫

12) 肥満

13) 便秘

14) 低身長

15) 黄疸

16) リンパ節腫脹

17) 血尿

18) 血便

19) 鼻出血

20) 頭痛

21) 出血斑

【3】経験すべき疾患･病態

1) 小児けいれん性疾患

2) 小児ウイルス感染症(麻疹，流行性耳下腺炎，水痘，突発性発疹，インフルエンザ)

3) 小児細菌感染症

4) 小児喘息

5) 先天性心疾患

精神科

1.一般目標

1) 何科に進む者でも必要な，精神医学および医学の基礎知識と技能を習得する。

2) 身体各科において日々必要となる知識ではないが，精神科診療における特殊性を体験する。

3) 身体各科においても必要とされる精神医学的ケアを実習する。

4) 卒前教育における実習目標を，より実際的にかつより深く達成する。

2.　行動目標

【1】基本的診察法:以下につき主要な所見を正確に把握できる。

1) 面接技法（患者，家族との信頼関係，適切なコミュニケーション)

2) 精神症状の把握

3) 神経学的診察

【2】基本的検査法

Ａ．必要に応じて自ら検査を実施し，結果を解釈できる。

1) 神経心理学的検査

Ｂ．適切に検査を選択・指示し，結果を解釈できる。

1) 血液生化学的検査

2) 肝機能検査

3) 腎機能検査

4) 内分泌学的検査

5) 髄液検査

6) 脳画像検査（Ｘ-CT，MRI，SPECT)

7) 脳波検査

【3】基本的手技:適応を決定し，適切に実施できる。

1) 注射法（筋肉，点滴，静脈確保)

2) 採血法（静脈血，動脈血)

3) 導尿法

【4】基本的治療法
　Ａ．適応を決定し，実施できる。

1) 薬剤の処方

2) 輸液

3) 救命救急処置法（胃洗浄を含む)

　Ｂ．適応を決定し，指導医の指導の下にできる。

1) 精神医学的及び神経心理学的リハビリテーション

2) 精神療法(認知行動療法を含む)

3) 無けいれん電気療法

【5】患者・家族との関係:良好な人間関係の下で，問題を解決できる。

1) 適切なコミュニケーション（患者への接し方を含む)

2) 患者・家族のニーズの把握

3) 心理的側面の把握と指導

4) インフォームドコンセント

5) プライバシーの保護

【6】医療の社会的側面:医療の社会的側面に対応できる。

1) 保健医療法規・制度（精神保健福祉法を含む)

2) 医療保険・公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅療養，社会復帰

5) 地域保健・健康増進（精神保健福祉センター，精神障害者社会復帰施設の理解を含む)

【7】文書記録:適切に文書を作成し，管理ができる。

1) 診療記録等の医療記録

2) 処方箋・指示箋

3) 診断書，その他の証明書

4) 紹介状とその返事

5) 精神保健福祉法に基づく書類

【8】診療計画・評価:総合的に問題点を分析・判断し，評価ができる。

1) 必要な情報収集（文献検索を含む)

2) 問題点整理

3) 診療計画の作成・変更

4) 入退院の判定

5) 症例提示・要約

【9】医療メンバー:様々な医療従事者と協調・協力し，問題に対処できる。

1) 指導医・専門医へのコンサルテーション

2) 他科，他施設への紹介・転送

3) 医療・福祉・保健の幅広い職種からなるチームの組織

4) リエゾン・コンサルテーション精神医学

3．経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 意識障害

2) けいれん

3) 自殺企図

4) 不穏，興奮

【2】頻度の高い疾患・病態

1) 意識障害

2) 頭痛，頭重感

3) 呼吸困難，息切れ

4) 動悸

5) 食思不振

6) 体重減少・増加

7) 知能障害

8) 記憶障害

9) 失見当識

10) 錯覚，幻覚

11) 思考障害

12) 不安，抑うつ

13) 自我障害

14) 病識欠如

15) 疎通性障害

16) 脳局所症状

17) 睡眠障害，不眠

18) 不定愁訴，身体化症状

【3】経験すべき疾患

1) 症状精神病

2) 痴呆(血管性痴呆を含む)

3) アルコール依存症

4) うつ病

5) 統合失調症

6) 不安障害(パニック症候群)

7) 身体表現性障害，ストレス関連障害

地域保健･医療研修（診療所外来診療および在宅医療研修）

1．一般目標

地域の包括的医療システムの中で患者の実生活に配慮した連携医療を実践できる医師となるために，地域社会および家庭の中での患者のQOLを中心に置いた全人的医療の基本を習得する。

1) 地域の診療所の特性に立脚した包括的な外来診療の基本を習得する。

2) 学校医などの保健医療活動の基本を理解し実施する能力を習得する。

3) 在宅医療・在宅ケアの基本を理解し実施する能力を習得する。

2. 行動目標

【1】地域の包括的医療システムとその役割を述べることができる。

1) 疾患の治療を中心においた医療と，患者のQOLの改善を中心においた医療との差異およびそれぞれの意義について述べることができる。

2) 地域の特性が，患者の罹患する疾患，受療行動，診療経過などに与える影響について述べることができる。

3) 患者とその家族の要望や意向を尊重しつつ問題解決を図ることの意義について述べることができる。

4) 患者の問題解決に必要な医療・福祉資源と，各機関の役割について述べることができる。

【2】診療所において基本的な外来診療を行うことができる。

1) 様々な社会的･個人的背景を有する患者の訴えに共感することができ，良好なラポールを形成することができる。

2) 患者の心理社会的な側面（生活の様子，家族との関係，ストレス因子の存在など）についての情報収集を行うことができる。

3) 疾患とともに，生活者である患者のQOLに目を向けた問題リストを作成することができる。

4) 医療保険制度の理念に基づいた効率的な医療を実践できる。

【3】包括的地域医療のための基本的な連携を行うことができる。

1) 医療連携(診・診，病・診，訪問看護ステーションなど)のための診療情報提供書を適切に記載できる。

2) 介護保険のための主治医意見書を適切に記載できる。

3) 患者の問題解決に必要な医療・福祉資源を利用し，各機関に相談・協力要請をすることができる。

【4】患者や家族の生活に視点を置いた患者教育，指導を行うことができる。

1) 個々の患者や家族の背景に配慮した患者および家族教育･指導ができる。

2) 診療に必要な情報を適切なリソース(教科書，二次資料，文献検索)から入手し，患者に適した形で提供できる。

3) 患者とその家族の要望や意向を尊重して問題解決のプランを立てることができる。

【5】保健医療活動に適切に参加することができる。

1) 患者の年齢・性別に応じて必要なスクリーニング検査，予防接種を受けるように患者を動機づけることができる。

2) 健康維持に必要な患者教育指導（食生活，運動，喫煙防止または禁煙指導など）を行うことができる。

3) 予防注射に関する留意事項を説明でき，予防注射を適切に実施できる。

4) 学校保健およぴ産業保健等の地域保健活動を理解し，各種検診事業(胃癌・肺癌・乳癌・子宮癌検診など)に医師として参加できる。

【6】在宅医療・在宅ケアに関する以下の項目の基本を実施できる。

1) 在宅医療・在宅ケアの適応を判断できる。

2) 在宅医療・在宅ケアの開始および中止について，患者や家族，介護者の同意を確認することができる。

3) 寝たきりにさせないための自立に向かう支援を適切に行うことができる。

4) 介護者・ホームヘルパー等の地域資源を利用することができる。

5) 在宅患者の心身両面での病状の評価ができる。

6) 看取りと死亡診断書の記載ができる。

3．経験すべき症状・病態

1) 脱水

2) 発熱

3) 呼吸困難

4) 浮腫

5) 不眠

6) 意識障害

7) 麻痺

8) 痴呆

9) 問題行動

10) 寝たきり

11) 燕下困難

12) 便秘

13) 食欲障害

14) 瀕尿，尿閉，尿失禁

15) 皮疹

16) 褥瘡

17) 痩痒

18) 骨折

19) 筋力低下

20) 拘縮

地域保健･医療研修（へき地医療研修）

1. 研修プログラムの概要

へき地医療において必要な知識，技能，態度を習得するとともに，医療・介護・保健など総合的に理解し，将来へき地医療を担う事のできる医師を育成するために臨床研修を行う。

本研修では，身体診察，プライマリ・ケア，面接技法などの基本的臨床能力を習得するとともに，病診連携・遠隔医療などの地域医療ネットワークや訪問看護・介護福祉サービス事業を体験し，地域において医療の果たすべき役割を理解する。

研修は4週間を基本として，遠隔医療，療養型病床および在宅介護支援センター，多訪問看護ステーションなどでの実習も含む。

2. 一般目標

へき地・離島において保健・医療・介護を体験することにより，地域医療とプライマリーケアの重要性を認識し，将来専門とする分野にかかわらず医師としての基本的使命を果たす姿勢を培う。

3. 行動目標

医療人として必要の基本姿勢・態度でへき地医療に臨む

【1】 へき地の地理的，経済的，社会的特長を理解し，地域住民・患者の心身の状況を的確に把握して良好な患者-医師関係の下に診療にあたる。

【2】 へき地における限られた医療・介護のマンパワーの中で，緊密な連携によって最適な保健・医療・福祉のサービスを提供している現場を経験し，チーム医療の重要性を認識すると共に，チームリーダーとしての役割を果たすことを学ぶ。

【3】 医療機器や資材が限られた中で，医師や医療スタッフが持てる知識と能力を最大限に発揮し，自己責任において診療する状況を経験し，問題対応能力や安全管理能力の大切さを実感する。

【4】 へき地における保健・医療・介護体制の実情を見ることにより，医療の社会性，社会保障制度のあり方を広い視野で考えうる力を養う。

4.　具体的研修

【1】 外来診療

(1) へき地診療所での外来診察において，小児から高齢者にわたる広範囲な初診患者に対して，問診，理学的診察，診断，治療方針の決定と治療の実施を体験する。

(2) 再来患者の経過を把握し，継続治療方針を立案し，施行する。

(3) 自分が診察した患者の経過について診療所専門医師への問い合わせなどを通じて，自らの診察の適否を検証する。

【2】 在宅診療

(1) 診療所の往診に同行し，地形や村落の状況を知ると共に，在宅療養患者の実情を把握し，在宅診療のノウハウを経験する。

【3】 遠隔医療

(1) 遠隔医療を行っている病院ではCATV網を活用した遠隔医療・在宅医療を実践し，保健・医療・介護の情報ネットワークのあり方を学ぶ。

【4】 訪問看護

(1) 訪問看護ステーションスタッフと同行し訪問看護，訪問リハビリを経験する。

【5】 介護事業

(1) 知多厚生病院の介護療養病床において担当医師と共に診療を行い，介護意見書の記載方法を学ぶ。

【6】 保健事業

(1) 健康教室，健診，予防接種などの保健予防活動を経験する。

5. 評価

【1】 ポートフォリオのシートに基づき，研修内容の記録，達成度の自己および指導医による評価を行う。

【2】 ポートフォリオの行動目標，経験目標について評価する

6. 研修スケジュール（1例）

　

	月	火	水	木	金
8:00〜	遠隔医療
8:30〜12:00	介護・療養型病棟実習	診療所外来	診療所外来	診療所外来	診療所外来
12:00〜13:00	昼休み	昼休み	昼休み	昼休み	昼休み
13:00〜17:00	介護・療養型病棟実習	診療所外来又は往診	診療所外来又は往診	自己学習 症例検討会	外来又は往診
17:30〜	在宅介護支援センター実習	症例検討会		症例検討会

地域医療･保健研修(産業保健研修)

1．一般目標

産業現場における健康管理について医師としての基本的な対応ができるようになるために，職域における健康教育，総括管理，健康増進活動，有害業務管理等についての理解と基本的な実践能力を獲得する。

2. 行動目標

【１】職域における健康管理の基本を理解し実践できる。

1) 健康管理システムのあり方を理解し説明できる。

2) 健康診断計画に参画できる。

3) 健康診断結果の評価と，精度管理を理解できる。

4) 就業条件を考慮に入れた健康診断結果の事後措置を実践できる。

5) 集団としての健康レベルの評価に参画できる。

6) 企業内外の健康管理組織，健康診断委託機関の活動を理解できる。

7) メンタルヘルスについて理解し，実践できる。

8) 一次予防や疾病管理について説明できる。

9) 災害時の救急処置について理解し，基本的な対応ができる。

10) 労働災害，業務上疾病，労災保険について説明できる。

【２】 健康教育，健康増進，総括管理の基本を理解し実践できる。

1) 個人の疾病予防，健康保持・増進のための健康教育に参画できる。

2) 産業医活動に必要な倫理を理解できる。

3) 産業保健活動の円滑な実施のための関連部署との連携について理解できる。

4) 職場巡視に参加し，意義を理解できる。

5) 衛生委員会に参加し，意見を述べられる。

6) 産業医学に関する情報収集の方法を理解する。

7) 健康増進活動を理解し実践できる。

【3】 有害業務・安全管理の基本を理解し実践できる。

1) 就業条件，作業工程，作業内容について理解できる。

2) 作業管理の意義を理解し参画できる。

3) 有害条件をリストアップし，その評価に参画できる。

4) 作業環境測定結果と健康診断結果を関連付けて説明できる。

5) 基本的個人保護具の目的を理解し，装着方法を指導できる。

6) 安全管理の原理と方法を理解し，専門家への協力方法を説明できる。

7) 人間工学を理解し，実践できる。

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別添3 名古屋市立大学病院における選択科目研修プログラム

消化器内科

準備中 (オンライン版に掲載)

呼吸器内科

診療対象疾患は、肺がんなどの腫瘍性疾患、サルコイドーシス，肺線維症などのびまん性肺疾患、気管支炎、肺炎、非定型抗酸菌症などの感染性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患、胸膜炎などの胸膜疾患と多岐にわたって広汎に対応している。肺がんは臨床にとどまらず先端の基礎的および臨床的研究を行っている。また特定疾患であるサルコイドーシスについては多数の症例が集積しており専門的対応が可能である。感染症は、高齢化、耐性菌の出現など、難治性感染症の割合が増加してきている。呼吸器内科では感染症のガイドライン作成に協力するとともに、呼吸器感染症等の臨床治験についても数多く行っている。これらの成果は国内外の学会，論文発表だけでなく医師会.市民向け講演会なども通じて社会に発信されている。

研修内容

名古屋市立大学病院臨床研修プログラムでは、

1) １年目の内科必修研修の中で、大学病院においては他の内科診療科とグループを形成し、呼吸器疾患の必須修得事項を研修する。１年目に協力病院を選択した場合は、その病院のカリキュラムに従う。

2) ２年目には、８ヶ月の選択研修の中で、呼吸器内科をさらに、アドバンスコースとして研修できる。このコースは、１年目に大学病院を選択した場合、別表の協力病院で研修する。

アドバンスコースの目標

必修研修の内容をブラッシュアップし、基本的な呼吸器疾患を一人で診療できるようになることを目標とする。また、将来呼吸器専門医となる場合には、その礎づくりとなるようにする。

アドバンスコースの研修項目

Ａ．研修項目（１）

1) 理学所見のとり方

2) 胸部レントゲン写真読影

3) 胸部CTの読影

4) 気管支鏡

5) 院外研修（結核診療の実際，レスピーター管理）

以下患者さんがいる場合

6) 胸腔穿刺

7) 胸腔ドレナージ

8) 胸膜生検

B．研修項目（２）

1) 腫瘍

　　　肺癌の診断:肺癌取り扱い規約に従って

　　　肺癌の化学療法:現在のStete of Art　をしめす

　　　緩和療法:がんに対する疼痛緩和療法を中心に

2) びまん性肺疾患

　　　 関節性肺炎:診断、分類、治療など、HRCTおよび病理像など

　　　 Sarcoidosis:診断、治療　

3) 感染症

　　　肺炎の治療:ガイドラインに従った抗生物質の選択など

　　　肺真菌症の診断と治療:Aspergillosis，Cryptcoccosis などを中心に

4) 気管支喘息

　　　慢性期の管理:吸入療法の有用性、吸入指導（ガイドラインに従って）

5) 呼吸不全

慢性呼吸不全の治療および管理:COPD、結核後遺症の管理、酵素療法（HOTも含め）など

6) 診断

　　　胸水の診断と治療:特に癌とTbcとの鑑別診断について、胸腔鏡検査

　　　肺機能検査

7) その他

　　　肺血栓症、栓塞症:診断、治療、予防

　　　睡眠時無呼吸症候群:疾患概念と治療

循環器内科　臨床研修プログラム

1. 一般目標

1) 全ての臨床医に求められる循環器疾患の診療に必要な基本的な知識・技能・態度を身につける。

2) 循環器の慢性疾患患者並びに高齢患者の循環器疾患患者の管理上の要点を知り、リハビリテーションと在宅医療・社会復帰の計画立案ができる。

3) 循環器疾患の末期患者の人間的、心理的理解の上にたって、治療し管理する能力を身につける。

4) 患者の持つ問題を心身医学的・社会的側面をも含め全人的にとらえて、適切に解決し、説明指導する能力を身につける。

5) 指導医、他科または他施設に委ねるべき問題がある場合に、適切に判断し必要な記録を添えて紹介・転送することができる。

6) 臨床を通じて診療上の思考力、判断力および創造力を培い、自己評価をし第三者の評価を受け入れフィードバックする態度を身につける。

2. 経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 急性心筋梗塞

2) 不安定狭心症

3) 不整脈（心室細動、心室粗動、アダムスストークス発作をおこすような高度徐脈、高度頻脈）

4) 高血圧緊急症

5) 解離性大動脈瘤

6) 肺動脈血栓塞栓症

7) 急性心不全

8) 意識消失発作

9) ショック

10) 心停止

【2】頻度の高い症状

1) 胸痛、胸部の圧迫感

2) 呼吸困難、息切れ

3) 動悸、心悸亢進

4) 浮腫

5) チアノーゼ

6) めまい、失神、意識障害

3. 行動目標

【1】下記の基本的診療法を実施し、所見を解釈できる。

1) 全身の診察

2) 胸部の視診、触診、打診、聴診

【2】基本的検査法

A. 必要に応じて自ら、または指導医の監督下で検査を実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1) 血圧測定

2) 単純X線検査（胸部）

3) 標準12誘導心電図

4) 24時間ホルター心電図

5) 心音図

6) 心エコー図

7) 心機図

8) X線CT検査

9) MRI検査

10) 核医学検査

その他:

一般検尿、血算、血液型判定・交差適合試験、動脈血ガス分析、血液生化学検査（血清脂質その他の冠危険因子ならびに炎症マーカーを含む）、免疫血清学的検査、細菌学的検査・薬剤感受性検査、内分泌学的検査、肺機能検査（スパイロメトリー）

B. 指導医が施行する検査を観察し（または介助し）、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 心臓カテーテル検査

2) 運動負荷検査

【3】基本的治療法

A. 以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 不整脈

2) 狭心症

3) 急性心筋梗塞

4) 経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の冠動脈再狭窄予防のための薬物治療

5) 心不全

6) 弁膜疾患

7) 先天性心疾患

8) 心膜疾患

9) 心筋症

10) 心臓腫瘍

11) 動脈疾患

12) 肺循環系の疾患

13) 冠危険因子（高脂血症、高血圧、糖尿病）の食事療法を含む生活指導ならびに薬物療法

14) 運動療法

その他:

輸液、輸血・血液製剤の使用、抗生物質の使用、副腎皮質ステロイドの使用、呼吸管理、中心静脈栄養法、療養指導（安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む）

B. 必要性を判断し、適応を決定できる。

1) 外科的治療

2) リハビリテーション

3) 精神的・心身医学的治療

【4】基本的手技:以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1) 注射法（皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保）

2) 穿刺法（動脈）

【5】循環器疾患の侵襲的治療について

1) 指導医が施行する狭心症、急性心筋梗塞、不安定狭心症の原因となる冠動脈狭窄あるいは血栓性閉塞に対する冠動脈形成術(PTCA)を観察し（または介助し）、専門家の意見に基づき治療結果を解釈できる。

2) ペースメーカー植え込みの適応を決定でき、指導医が施行するペースメーカー植え込み術を観察し（または介助し）、専門家の意見に基づき治療結果を解釈できる。

3) 心嚢穿刺の適応を決定でき、指導医が施行する心嚢穿刺を観察し（または介助し）、専門家の意見に基づき治療結果を解釈できる。

【6】以下の救急処置法を適切に行い、必要に応じて専門医に診療を依頼することができる。

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握（判断）

3) 心マッサージ

4) 気道確保（気管内挿管）と呼吸管理（呼吸器の使用、酸素投与）の適応判断と実施

5) 緊急ペーシングの適応判断と実施

6) 不整脈の薬物治療の適応判断と実施

7) 電気的除細動の適応判断と実施

8) 指導医や専門医（専門施設）への申し送りと移送

【7】下記の項目に配慮し、患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

1) コミュニケーションスキル

2) 患者・家族のニーズと心理的側面の把握

3) 生活習慣変容への配慮

4) インフォームドコンセント

5) プライバシーへの配慮

【8】以下の予防医療を実施あるいは重要性を認識し、適切に対応できる。

1) 食事指導

2) 運動指導

3) 禁煙

4) 心身医学の観点にもとづいたストレスマネージメント

5) 地域・職場・学校検診

6) 院内感染(Universal Precautionsを含む)

【9】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

内分泌･糖尿病内科

糖尿病

3． 一般目標

1) 糖尿病の疾患概念を理解する。

2) 糖尿病の分類と成因を理解する。

3) 糖尿病の合併症を理解する。

4) 糖尿病患者の素因や環境的問題を把握し、合併症も含めて治療し管理する能力を身につける。

5) 患者教育において糖尿病患者を心理的・社会的側面をも含めて理解し、適切に説明・指導する能力を身につける。

6) 他科からの糖尿病合併患者の管理の依頼に対し治療し管理する能力を身につける。

4． 行動目標

【1】糖尿病の診断

1) 病歴聴取　（家族歴、肥満歴、妊娠・出産歴、現病歴、治療歴、生活習慣）

2) 診るべき身体所見（身体一般、眼、皮膚、下肢、口腔）

3) 診断基準

4) 妊娠糖尿病の診断基準

【2】糖尿病に関する基本的検査項目

1) 血糖値

2) 経口血糖負荷試験

3) インスリン

4) Ｃ−ペプチド（血清、尿）

5) グリコヘモグロビン

6) グリコアルブミン・フルクトサミン

7) 1，5-AG

8) 自己抗体

9) 血中ケトン体

10) 尿検査（一般、アルブミン尿、蛋白尿、ケトン体）

11) インスリン分泌能の評価

12) インスリン感受性の評価

【3】基本的治療法

Ａ.　治療総論を理解する

1) １型糖尿病

2) ２型糖尿病

3) 他疾患に伴う糖尿病

Ｂ．患者教育:糖尿病に関する正しい知識が説明できる。

1) 糖尿病教室

2) 個別指導

C.　食事療法:食事療法の理論を理解し栄養士との連携で適切に指導できる。

1) 総カロリーと各栄養素の決定

2) 食品交換表の活用

3) 合併症の食事指導

D. 運動療法:運動療法の理論を理解し処方ができる。

1) 運動処方

2) 合併症との関連

E. 経口糖尿病薬治療:各薬剤の特性を理解し処方ができる。

1) インスリン分泌促進剤

2) αグルコシダーゼ阻害剤

3) ビグアナイド剤

4) チアゾリジン誘導体

5) 副作用

6) 相互作用

F.インスリン療法

1) １型糖尿病のインスリン治療

2) ２型糖尿病のインスリン治療

3) インスリン製剤の種類と特性

4) 投与方法

5) 副作用、合併症と対策

【4】合併症:診断と治療ができる。

A. 急性合併症

1) 高血糖性高浸透圧性昏睡

2) ケトアシドーシス

3) 低血糖

4) 乳酸アシドーシス

B. 慢性合併症

1) 網膜症

2) 腎症

3) 神経症

4) 大血管障害

5) 足壊疽

6) 感染症

7) 高血圧

8) 高脂血症

【５】特殊な病態の糖尿病管理:それぞれの病態に応じた糖尿病管理ができる。:

1) 外科手術時

2) 高カロリー輸液

3) 副腎皮質ホルモン投与時

4) シックデイ

5) 肝疾患を伴う糖尿病

6) 悪性疾患を伴う糖尿病

【６】糖尿病合併妊娠:糖尿病を伴った妊婦の出産までの糖尿病コントロールを経験する。

3. 経験すべき症状・病態

【１】１型糖尿病

【２】２型糖尿病

【３】合併症

A. 急性合併症

1) 高血糖性高浸透圧性昏睡

2) ケトアシドーシス

3) 低血糖

4) 乳酸アシドーシス

B. 慢性合併症を伴う糖尿病

1) 網膜症

2) 腎症

3) 神経症

4) 大血管障害

5) 高血圧

6) 高脂血症

【３】外科手術患者の糖尿病管理

眼科患者

一般外科患者

【４】糖尿病合併妊娠

内分泌

１． 一般目標

1) ホルモン分泌異常を呈する疾患の発症頻度を知る。

2) ホルモン分泌異常が原因となりうる症状・身体所見を理解する。

3) ホルモン分泌異常が原因となりうる血液検査異常を理解する。

4) ホルモン分泌異常を呈する疾患の診断ストラテジーを習得する。

5) Commonな甲状腺疾患の診断法と治療法を習得する。

6) 多発性内分泌腺腫症の概念を理解する。

２． 行動目標

【１】　甲状腺一般

1) 甲状腺の視診・触診ができる。

2) 甲状腺機能異常を疑うことができる。

3) 甲状腺関連の検査結果を評価できる。

4) 甲状腺エコーの異常所見を指摘できる。

5) 甲状腺シンチ、甲状腺CTの読影ができる。

【２】　甲状腺疾患の治療法

1) バセドウ病

2) 甲状腺機能低下症(橋本病)

3) 亜急性甲状腺炎

4) 甲状腺結節

5) 無痛性甲状腺炎

【３】　副甲状腺疾患の診断

1) 病歴や生化学検査から副甲状腺疾患を疑うことができる。

2) 高カルシウム血症を正しく診断できる。

3) 副甲状腺ホルモン濃度の評価が正しくできる。

4) 副甲状腺エコー、シンチ、CTの読影ができる。

5) Elliswarth-Howerd 試験を経験する。

【４】　視床下部・下垂体・副腎疾患

1) 臨床症状や理学的所見から視床下部・下垂体・副腎疾患の存在を疑うことができる。

2) ２次性の高血圧・糖尿病・高脂血症などの患者を疑う能力を身に付ける。

3) 視床下部・下垂体・副腎疾患を診断するために有用な内分泌学的検査（負荷試験）を知っている。

4) 視床下部・下垂体・副腎疾患を診断するために有用な画像診断を知っている。

３． 経験すべき症例

【甲状腺】

1) バセドウ病

2) 悪性眼球突出

3) バセドウ病合併妊娠

4) 妊娠甲状腺機能亢進症

5) 無痛性甲状腺炎

6) 甲状腺機能低下症(橋本病)

7) 亜急性甲状腺炎

8) 低T3低T4症候群

9) 甲状腺結節（良性）

10) 甲状腺結節（悪性）

11) 甲状腺原発悪性リンパ腫

12) 甲状腺ホルモン自己抗体症候群、Ｈuman Ａnti-Ｍouse IgG Ａntibody 症候群

【Ｃａ代謝異常】

1) 副甲状腺機能亢進症　（腺腫、過形成）

2) 副甲状腺機能低下症（特発性、偽性）

3) 家族性低Ｃａ尿性高カルシウム血症

4) ビタミンＤ中毒

5) 低リン血症性くる病

【視床下部・下垂体前葉疾患】

1) Cushing病

2) 末端巨大症

3) プロラクチノーマ

4) Sheehan症候群

5) ACTH単独欠損症

6) 脳腫瘍治療後下垂体機能低下症

【副腎疾患】

1) 副腎Cushing症候群

2) 原発性アルドステロン症

3) 褐色細胞腫

4) 非機能性副腎腺腫

5) 副腎癌

6) アジソン病

【水代謝異常】

1) SIADH

2) 尿崩症

血液・膠原病内科

１）臨床研修の内容

　一滴の血液は全身のあらゆる病態を反映し血液疾患のみならず内科診療においては欠かせない情報を提供する。血液内科診療では、貧血、出血・血栓傾向から白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった造血器腫瘍、自己免疫疾患にいたる幅広い疾患を扱う。加えて化学療法や造血幹細胞移植、移植片対宿主病に対する免疫抑制剤の使用、サイトカインや抗体療法そして分子標的療法に至る幅広い臨床腫瘍学の知識と基本を習得していただく。特に研修医の先生方にはfebrile neutropeniaに対する対処、免疫不全患者に合併した感染症の診断と治療、輸血や輸液療法の基本など全身管理能力を身につけるとともに、担当患者の診療に研修医として責任ある立場で接していただく。診療を通して、骨髄穿刺検査や血液像、骨髄像の読影などの基本的検査法の習得、代表的疾患の治療方針決定、造血幹細胞移植の流れ、臨床試験の意義などを習得していただく。

　また膠原病内科診療も膠原病・リウマチ性疾患が全身多臓器に障害が及ぶため、内科全般の幅広い知識、経験が必要とされる領域であり、細分化される内科診療のなかで統合的な研修が可能な領域である。免疫異常が発症に関与する膠原病・リウマチ性疾患の診断・治療に関する基本的な知識とその技術の習得を研修目的とする。中でも不明熱、関節痛などの対応の仕方、ステロイド剤・免疫抑制剤・免疫抗体療法について習得し、血液疾患同様に日和見感染対策等について学んでいただく。

２)臨床研修内容

　下記のスケジュールに沿って一人の研修医に６人〜１０人の患者を主治医として責任を持って担当していただきます。指導医の先生と密に連絡を取り、症例検討会での担当患者の入院時の症例呈示や入院サマリーの記載は研修医の先生の必須業務とします。造血幹細胞移植患者の診療は診療科医療スタッフ全員と共同で行い検討会も病棟看護師や薬剤部の先生と一緒に行い、集学的治療を実践しています。さらに指導のもとに臨床研究・症例報告を積極的に行い、学会および学術誌に発表する機会を持っていただきます。また血液・膠原病内科として下記に示すような勉強会を行う他、抄読会にも参加していただきEBMを学んでいただきます。

血液・膠原病内科院内研修

	月	火	水	木	金
午前	無菌室当番 病棟業務 骨髄穿刺 検査 外来化療	無菌室当番 内科外来 処置室 外来化療	無菌室当番 病棟業務 骨髄採取^# （手術室） 末梢血造血幹細胞採取^#	無菌室当番 病棟業務 末梢血造血幹細胞採取^#	無菌室当番 病棟業務 骨髄穿刺 検査 外来化療
午後 夕方	部長廻診 病棟業務 研修医勉強会	病棟業務 血液内科 症例検討会	血液患者総 廻診 病棟業務 膠原病内科 症例検討会	膠原病内科 廻診 病棟業務 臨床分子内科症例検討会	病棟業務 研修医勉強会（抄読会）

# 骨髄採取、末梢血造血幹細胞採取は必要時のみ。

血液研修医勉強会

　月曜日の夕方に週１回の研修医に対する勉強会を行っています。下記のテーマについて実践的な知識を身につけていただきます。

正常骨髄像の見方

異常骨髄像の見方

リンパ節生検と必要検査

輸血の指針

DICの診断と治療

感染症対策

造血幹細胞移植の適応と方法

染色体検査、表面抗原検査の見方

抗癌剤の副作用対策

臨床試験とは

膠原病内科研修医勉強会

　研修医勉強会（抄読会）

�@ 免疫学的検査法（抗核抗体、自己抗体の測定と意義）

�A 膠原病・リウマチ・アレルギー疾患の診断・最新の治療法などに関する論文をレビューして、理解を深める。

院外研修 (約１週間)

　希望に応じて血液・膠原病内科の関連施設で約１週間の院外研修も可能。希望者は申し出て下さい。

肝･膵臓内科

準備中 (オンライン版に掲載)

腎臓内科

1． 一般目標

1) 全ての臨床医に求められる腎臓内科の基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。

2) 慢性腎疾患患者の管理上の要点を知り、リハビリテーション、在宅医療、社会復帰の計画立案ができる。

3) 終末期医療を人間的、心理的理解の上にたって、管理する能力を身につける。

2. 行動目標

【1】下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1) 電解質異常の判断・治療ができる

2) 浮腫の診断・治療ができる

3) 腎臓のエコー・CTなどの形態学的検査を判断することができる。

4) 清潔・不潔の区別ができる

【2】基本的検査法

Ａ．必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し、結果を解釈できる

1) 一般検尿(尿沈渣顕微鏡検査を含む) 　尿培養

2) 腎エコー

Ｂ．適切に結果を選択、指示、あるいは指導医の監督下で自ら検査し、結果を解釈できる。

1) 自己抗体検査

2) 血液透析前後の生化学的検査の結果

3) 血液透析・CAPDの管理

Ｃ．指導医が施行する検査を観察・介助し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 造影Ｘ線検査（シャント造影)

2) 腎生検の病理組織検査（光顕、蛍光抗体法、電顕）

3) 腎移植の適応

【3】基本的治療法

Ａ.　以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 血液透析の処方（HD，HF、ECUM、HDF・・）

2) 輸液管理

3) 副腎皮質ステロイド・免疫抑制剤

4) LDL吸着

5) 血漿交換療法

Ｂ．必要性を判断し、適応を決定できる

1) シャント手術　（内シャント、外シャント、人工血管移植）

2) CAPD療法

3) 腎移植の適応

【4】基本的手技:以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1) 透析器のプライミング（回路の組み立て）

2) 血液透析の開始（シャント穿刺、外シャントの接続）

3) 血液透析の管理

4) 血液透析の終了

5) 緊急透析用ブラッドアクセスカテーテルの挿入

6) CAPDの管理

7) シャント増設術・CAPDカテーテル留置術の介助

8) ガーゼ交換

9) 腎生検の介助

【5】以下の保険制度の重要性を認識し、適切に対応できる。

1) 特定疾患申請書の作成

2) 身体障害者申請書の作成

【6】以下の医療記録を適切に作成し、管理できる。

1) 透析導入記録・終了記録

2) 腎生検の臨床経過表

3) 臨床経過表

4. 経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 急性腎不全

2) シャントからの出血

3) カテーテルからの出血

4) 透析中の血圧低下

【2】頻度の高い症状

1) 浮腫

2) 乏尿

【3】頻度の高い疾患

1) ネフローゼ症候群

2) 慢性糸球体腎炎

3) 急性腎不全

4) 慢性腎不全

5) 血液透析導入

6) 維持血液透析

7) CAPD導入

8) シャントトラブル

9) 透析困難症

【4】経験すべき手術・処置

1) 急性腎不全症例に対する緊急用ブラッドアクセスカテーテルの挿入

2) CAPD用留置カテーテル留置術

3) ブラッドアクセス手術の介助

外科 (消化器外科，呼吸器外科，心臓血管外科，乳腺内分泌外科，小児・移植外科，一般外科)

1．共通一般目標

1) 外科医としての心構えを理解し、節度ある身なり態度がとれる。

2) 外科における基本的な知識、処置、手術手技を身につける。

3) 患者・家族と適切な接遇ができ、適切な説明・指導を心掛け信頼関係を築くよう努力する。

4) チ-ム医療の重要性を自覚し、スタッフと協調、協力が円滑にできる。

5) 常に患者の人間的・心理的理解に立ち、治療し管理する能力を身につける。

6) 研究活動や学会発表の重要性を理解する。

2．共通行動目標

【1】基本的診察法および基本手技

1) 適切かつ良好なコミュニケーションで病歴を聴取し記述できる。

2) バイタルサインを測定し記述できる。

3) 全身身体所見を診察し記述できる。

4) 手術基本手技ー結紮、切離、縫合法を理解し、練習器を用い訓練し実施可能レベルに達する。

【2】基本的検査と症例の把握

1) 検尿、検便、血液型、出血・凝固時間検査を実施し結果を把握できる。

2) 血液一般、生化学、凝固系、血液ガス、心機能、肺機能、腎機能など術前検査を指示し結果を把

握できる。

3) 胸腹部単純Ｘ線撮影の指示と結果を把握できる。

4) CT、MRI、DIC、ERCP、US、血管造影の読影結果を把握できる。

5) 各種検討会に参加し症例呈示ができる。

6) 外来診療に積極的に参加し患者を把握できる。

【3】術前、術後管理

1) 輸液法、輸血法を理解し実施できる。

2) 中心静脈栄養法を実施できる。

3) 経腸栄養法を実施できる。

4) 手術適応、術式の決定に参加し方針を把握できる。

5) 抗生剤、鎮痛剤の適応に習熟し実施できる。

6) 術後合併症を早期に発見し対処することができる。

7) 術後、呼吸、循環、代謝管理に参加し実施できる。

【4】手術

1) 滅菌、消毒の留意点に習熟し実施できる。

2) 各種手術の助手の手技を理解し実施できる。

3) 局所麻酔ができる。

4) 切開、排膿、皮膚縫合ができる。

5) 軽度外傷の処置ができる。

6) 皮下腫瘤の摘出ができる。

【5】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．診療科別目標

【1】消化器外科

1) 消化器外科の解剖と生理

2) 消化器(食道、胃、肝・胆・膵、小・大腸) 疾患の検査計画を理解し結果を把握

3) 消化器疾患の治療計画作成に参加し結果を把握

4) 消化器手術の助手を実施

5) 開胸閉胸、開腹閉腹の実施

6) 消化器手術の術前術後管理

7) ヘルニア修復術の実施

8) 虫垂切除術の実施

9) 痔核切除術の実施

10) 簡単な腸切除、腸吻合の実施

11) 切除標本の整理、記録

12) 病理学的所見の理解

13) 上部消化管造影に参加し結果を把握できる。

14) 注腸検査に参加し結果を把握できる。

15) 上部、下部内視鏡検査に参加し結果を把握できる。

【2】呼吸器外科

1) 胸部の解剖と生理

2) 胸部理学的診察方法

3) 胸部画像診断(胸部単純Ｘ線、CT、MRI等)

4) 血管造影手技の理解と診断

5) 気管支鏡検査の理解と診断

6) 呼吸器外科に関する診断治療の組み立て

7) 開胸手術手技の理解と実施

8) 呼吸器外科手術手技の理解と実施

�@低難易度

　 胸腔鏡手術(VATS)のカメラ助手が確実にこなせるようにする。

　 V ATSの肺部分切除，交感神経節切除の術者ができるようにする。

　 肺癌の標準開胸・閉胸を術者として遂行できるようにする。

�A中難易度

　 肺動脈・静脈の結紮を確実に行えるようにする。

　 縦隔腫瘍の手術の第一助手がつとまるようにする。

�B高難易度

各人の上達具合によりflexibleであるが，肺門，肺動脈・静脈の剥離を経験する。

9) 病理学的所見の理解

10) 呼吸器外科の術前術後管理

【3】心臓血管外科

1) 心、大血管の解剖、生理

2) 心疾患の検査計画を理解し結果を把握

3) 先天性心疾患の列挙と図示

4) 先天性心疾患に対する手術法の列挙と図示

5) 後天性心疾患に対する手術法の列挙と図示

6) 末梢血管手術の実施

7) 心疾患手術の助手

8) 心筋保護法および人工心肺法の理解と助手

9) 心血管手術の術前、術後の管理

【4】乳腺内分泌外科

1) 頚部の診察法、乳腺の触診

2) 乳腺・甲状腺・副腎の解剖と生理

3) 血液内分泌学的検査の診断

4) 乳腺・頚部超音波検査の実際

5) Mammographyの読影、CT、MRI、scintigraphyの読影

6) 穿刺吸引細胞診、切除組織診の実際

7) 乳腺・内分泌手術の術者および助手

8) 薬物による化学療法、内分泌療法の実際

9) 内分泌手術患者の術前術後管理

【5】小児・移植外科

1) 病歴聴取と診察

2) 静脈確保

3) 各種検査(CT、US、MRI、PTCDなど) の前処置と検査中管理

4) 画像診断の読影

5) 中心静脈栄養、経腸栄養

6) 小児一般手術の助手

7) 新生児手術の助手

8) 小児鼠径ヘルニアの実施

9) 肝移植の適応を理解し計画できる。

10) 肝移植手術法を理解し記述できる。

11) 肝移植ドナー手術の助手

【6】一般外科

1) 一般外科における解剖と生理

2) 一般外科疾患における検査計画

3) 主な検査法とその結果の理解

4) 外科栄養法の理解と実施

5) 一般外科手術法の理解

6) 一般外科手術の助手の実施と術前術後管理

7) 簡単な一般外科手術の実施

8) 病理学的所見の理解

9) 外傷に対する病態の把握

10) 外傷に対する手術と術後管理

麻酔科・救急部

1．一般目標

1) 麻酔は単に手術中に患者を不動にしているだけのものではなく、意識、疼痛の管理はもちろん、呼吸、循環、輸液、輸血、体温、代謝等の管理などいわば生命維持に関する幅広い知識と技術が要求される領域である。さらにこれらは集中治療医学・救急医学とオーバーラップする点が極めて多くこれは麻酔管理を学ぶことによって理解が深まる。このことを意識して麻酔科・救急部研修を行うことにより、単に狭い意味での手術室での麻酔のみならず、生命危機に瀕している患者の管理について学ぶことを目標とする。

2) 二年時に上記に加えペインクリニックを学ぶ。

2.行動目標

【1】麻酔

1) 麻酔を受ける患者の状態の評価

2) 一般的な成人全身麻酔

3) 高齢者麻酔(重篤な合併症がないもの)

4) 高齢者麻酔(重篤な合併症があるもの)

5) 小児麻酔(生後1年以上)

6) 小児麻酔(生後1年未満、新生児)

7) 産科麻酔

8) 脳外科麻酔

9) 胸部外科(肺) 麻酔

10) 胸部外科(心臓) 麻酔

11) 脊椎麻酔

12) 硬膜外麻酔

【2】呼吸管理

1) 用手的気道確保

2) エアウエイの挿入

3) 喉頭鏡を用いた気管内挿管

4) 気管支ファイバースコープを用いた気管内挿管

5) ラリンゲルマスクエアウエイの挿入

6) 輪状甲状間膜切開

7) 気管切開

8) 機械的人工換気法

9) 胸腔ドレン留置

10) 胸部Ｘ線写真の読影

11) 血液ガス分析とその解釈

12) 呼吸生理学

【3】循環管理

1) 末梢静脈ルート確保

2) 中心静脈ルート確保(外頸)

3) 中心静脈ルート確保(大腿)

4) 中心静脈ルート確保(内頸、鎖骨下)

5) 肺動脈カテーテル留置とそれにより得られる情報を利用した循環管理

6) 動脈穿刺および動脈圧測定

7) 各種循環薬剤(Inotoropics、 dilator) の使用法

8) IABPの挿入と実施

9) ECLHA、PCPSの実施

10) 各種ショック(Hypovolemic、 cardiogenic、 septicなど) の病態と治療法

【4】栄養代謝の管理

1) 高カロリー輸液法

2) 電解質の補正法

3) 血糖の管理

4) 胃管の留置

5) 経腸栄養

6) 各種血液浄化法(透析、濾過透析、血漿交換、腹膜透析、PMX等)

【5】局所麻酔およびペインクリニック

1) 硬膜外ブロック

2) 星状神経節ブロック

3) 癌性疼痛患者の疼痛管理法

【6】輸血

1) 血液型の判定

2) 輸血法

【7】心肺蘇生法

1) 心臓マッサージ

2) 直流除細動

3) 蘇生に用いる薬剤の使用法

【8】その他

1) クモ膜下穿刺

2) 尿道バルン留置

3) 胃洗浄

4) 抗生物質の使用法

5) 脳圧の管理

6) 脳低温療法

7) 各種Ｘ線写真、CTの読影

8) DICの病態と管理法

【9】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3.経験すべき症状・病態

1) 急性心不全

2) 急性呼吸不全

3) 急性腎不全

4) 急性肝不全

5) 敗血症

6) 大量出血

7) DIC

8) 多臓器不全

9) 大手術後(心臓、食道、その他)

10) 挿管困難症例

11) 多発外傷

12) 急性中毒

13) 心肺蘇生

14) 頭蓋内出血

15) 帯状疱疹

16) 腰痛症

17) 顔面神経麻痺

18) 三叉神経痛

19) 癌性疼痛

20) 反射性交感神経性萎縮症

21) 気管支喘息

産科婦人科

1．一般目標

1) 患者の羞恥心を理解し、プライバシーの保護に努め、信頼関係を築く努力をする。

2) 生殖医療、出生前診断におけるインフォームドコンセントの重要性を学ぶ。

3) 分娩時に必要な基本的知識、処置、産科手術の技術を身につける。

4) 婦人科における基本的な知識、処置、手術手技を身につける。

2．行動目標

【1】下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。　　　　　　　　　　　　　

1) 面接技法(診断情報の収集、患者・家族との適切なコミュニケーションを含む)

2) 生殖器の診察(双合診、膣鏡診)

【2】基本的検査法

Ａ. 必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1) 検尿、血液型、出血凝固時間検査を実施し結果を把握できる。

2) 血液一般、生化学、凝固系、血液ガス、心機能、肺機能、腎機能など術前検査を指示し結果を把握できる。

3) 基礎体温

4) 精液検査

5) 妊娠反応

6) 単純Ｘ線検査、CT、 MRIの読影結果を把握できる。

7) 超音波検査

8) 子宮卵管造影

【3】 基本的治療法

Ａ. 以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 薬剤の処方

2) 輸液、輸血の使用

3) 抗生物質の使用

4) ホルモン剤の使用

Ｂ. 必要性を判断し、適応を決定できる。

1) 抗腫瘍化学療法

2) 放射線治療

3) 外科的治療

【4】以下の救急処置法を適切に行い、必要に応じて専門医に診察を依頼することができる。

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握(判断)

3) 指導医や専門医(専門施設) への申し送りと移送

【5】下記の項目に配慮し、患者・家族との良好な人間関係を確立できる。

1) コミュニケーションスキル

2) 患者、家族のニーズと心理的側面の把握

3) 生活習慣変容への配慮

4) インフォームドコンセント

5) プライバシーへの配慮

【6】 基本的手技、手術

Ａ. 以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1) 採血法

2) 注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)

3) 導尿法

4) 局所麻酔法

5) 創部消毒法

6) 正常妊娠、分娩、産褥の管理(会陰切開、縫合術)

7) 妊婦健康診断

8) 新生児の診察

Ｂ. 指導医の監督の基に適応を決定し、助手をつとめる。

1) 救急時の全身管理

2) 子宮内容除去術

3) 異常妊娠、分娩、産褥の管理

4) 分娩誘発法

5) 鉗子、吸引分娩術

6) 骨盤位牽出術

7) 帝王切開術

8) 付属器摘出術

9) 子宮筋腫核出術

10) 単純子宮全摘術助手

11) 子宮脱根治術助手

12) 内視鏡下手術助手

13) 術前、術後管理

【7】 症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患、病態

1) 産科ショック

2) 急性腹症

【2】頻度の高い症状

1) 月経遅延

2) 腹痛

3) 性器出血

4) 月経困難症

5) 過多月経

6) 月経不順

7) 腰痛

8) 帯下

9) 貧血

10) 挙児希望

11) 排尿障害

12) 更年期症状

13) 子宮下垂感

14) 外陰掻痒感

15) 遺伝相談

16) 反復流産原因精査

小児科

1．一般目標

1) 子どもに関する情報を母親からうまく引き出す技術を習得する。

2) 小児では自分から異常部位を訴えてくることが少ないため、医師の診察を通じて異常を発見する

　　技術を習得する。

3) 子どもになるべく苦痛や恐怖心を与えないように素早くかつ的確に診察する技術を身につける。

4) 年齢によって異なる検査データや小児の発達について理解する。

5) 患者の症状に対して年齢別に好発する疾患をあげ、鑑別する能力を身につける。

6) 先天異常・代謝・神経・筋疾患などの遺伝性疾患についての理解と遺伝カウンセリングを学ぶ。

7) 年齢、体重、体表面積別に薬剤投与量を設定する方法を学ぶ。

8) 一般的な感染症や院内感染に関する治療や予防法について理解する。

9) 診断や治療について、わかりやすい表現で家族や本人に説明する技術を習得する。

2．行動目標

【1】 下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1) 面接技法(親から診断に関する情報を収集、家族とのコミュニケーションを含む)

2) 全身の観察(バイタルサイン、全身状態の把握、皮膚や表在リンパ節の診察、脱水の評価を含む) 　　3) 頭頸部の診察(鼓膜、外耳道、鼻腔、口腔、咽喉頭を含む)

4) 胸部の診察

5) 腹部の診察(直腸診を含む)

6) 骨・関節・脊柱の診察

7) 神経学的診察(発達評価、骨格筋の診察を含む)

8) 外性器の診察

【2】 基本的検査法

Ａ.必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1) 一般検尿

2) 検便(潜血)

3) 血算

4) 血液型判定・交差試験

5) 心電図

6) 動脈血ガス分析

7) 血液生化学的検査

8) 細菌学的検査・薬剤感受性検査(検体の採取、細菌についての評価)

9) 単純Ｘ線検査

10) Ｘ線CT

11) MRI検査

Ｂ.適切に結果を選択、指示あるいは指導医の監督下で自ら検査し結果を解釈できる。

1) 検便(虫卵)

2) 血液免疫学的検査

3) 骨髄検査(穿刺、骨髄像)

4) 超音波検査(心臓・腹部・頭部)

5) 髄液検査(髄液採取、細胞数測定)

6) 神経生理学的検査(脳波、筋電図)

7) 核医学検査

　8) 内分泌学的検査

Ｃ.指導医が施行する検査を観察・介助し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 造影検査(血管、消化管内視鏡検査)

【3】基本的治療法

Ａ.以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 薬剤の処方(体重・年齢・体表面積に応じて投与量を設定)

2) 輸液管理(年齢、脱水症の程度に応じて補正量・維持輸液量を設定)

3) 輸血・血液製剤の使用(血漿交換・交換輸血を含む)

4) 抗生剤の使用

5) 副腎皮質ステロイドの使用(外用・吸入・内服・静注)

6) 抗腫瘍化学療法

7) 呼吸管理

8) 循環管理(不整脈を含む)

9) 中心静脈栄養法

10) 経腸栄養法

11) 療育指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)

Ｂ.必要性を判断し、適応を決定できる。

1) 外科的治療

2) 放射線治療

3) ハビリテーション、リハビリテーション

4) 精神的・心身医学的治療

【4】基本的手技:以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1) 注射法(皮内、皮下、静注、点滴、中心静脈確保)

2) 採血法(静脈血・動脈血)

3) 穿刺法(腰椎・胸腔、腹腔)

4) 導尿法

5) 浣腸

6) 局所麻酔法

7) 簡単な切開・排膿、創部消毒法

8) 皮膚縫合法

9) ドレーンチューブ類の管理法

10) 気道確保、挿管手技

【5】以下の救急処置法を適切に行い、必要に応じて専門医に診察を依頼することができる

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握(判断)

3) 心肺蘇生術(気道確保) の適応判断と実施

4) 指導医や専門医(専門施設) への申し送りと移送

【6】下記の項目に配慮し、患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

1) コミュニケーションスキル

2) 患者、家族のニーズと心理的側面の把握

3) 生活習慣変容への配慮

4) インフォームドコンセント

5) プライバシーへの配慮

【7】以下の予防医療を実施あるいは重要性を認識し、適切に対応できる。

1) 食事指導

2) 運動指導

3) 禁煙(家庭内での禁煙、もしくは喫煙場所の選択の重要性について)

4) ストレスマネージメント

5) 地域・学校検診

6) 予防接種

7) 性行為感染症・エイズ予防

8) 院内感染(Universal Precautionsを含む)

【8】全人的理解に基づいて、以下の末期医療を実施できる。

1) 告知をめぐる諸問題への配慮(こどもにも理解できるように表現方法を工夫)

2) 身体症状のコントロール(ＷＨＯ方式がん疼痛治療法を含む)

3) 心理社会的側面への配慮

4) 告知後および死後の家族への配慮

【9】以下のチーム医療を理解し、必要に応じて実施できる。

1) 指導医や専門医へのコンサルテーション

2) 他科、他施設への紹介・転送

3) 医療・福祉・保健所の幅広い職種からなるチームの組織

4) 在宅医療チームの調整

【10】以下の医療記録を適切に作成し、管理できる。

1) 診療録

2) 処方箋、指示箋

3) 診断書、死亡診断書(死体検案書を含む) 、その他の証明書

4) 紹介状とその返事

【11】医療における以下の社会的側面の重要性を認識し、適切に対応できる。

1) 保健医療法規・制度

2) 医療保険、公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅医療(介護を含む) 、社会復帰

5) 地域保健・健康増進(保健所機能への理解を含む)

6) 医の倫理・生命倫理

7) 医療事故

【12】以下の診療計画・評価を実施できる。

1) 必要な情報収集(文献検索を含む)

2) プロブレムリストの作成

3) 診療計画(診断、治療、患者への説明の計画) の作成

4) 入退院の判断

5) 症例提示・要約

6) 自己評価および第三者による評価をふまえた改善

7) 剖検所見の要約・記載

【13】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3　経験すべき症状・病態　　

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 意識障害(脳炎・脳症・髄膜炎、けいれん重積、電解質異常)

2) ショック(アナフィラキシー、副腎皮質過形成、敗血症、先天性代謝異常症)

3) 急性心不全(心奇形、心筋炎、心筋症、川崎病、QT延長症候群)

4) 急性呼吸不全(気管支喘息、クループ症候群、細気管支炎、肺炎)

5) 急性腎不全(急性腎炎、溶血性尿毒症症候群、ネフローゼ症候群・尿路感染症)

6) 脱水症(乳児嘔吐下痢症、熱中症)

7) 急性感染症(溶連菌感染症、麻疹、風疹、水痘、単純ヘルペス)

8) 急性中毒(薬剤、毒物)

9) 急性腹症(腸重積、虫垂炎、腸軸捻転、結石)

10) 誤飲(たばこ、薬物、電池、貨幣) 、誤嚥(ピーナッツ)

11) 新生児の疾病(仮死、胎便吸飲症候群、新生児呼吸窮迫症候群、気胸)

12) 溺水

【2】頻度の高い症状

1) 発熱

2) 咳・痰・鼻汁

3) 下痢、嘔気、嘔吐、腹痛

4) 痙攣

5) 発疹

6) 食欲低下、哺乳力低下、ミルク嫌い

7) 不機嫌・啼泣

8) 体重減少・発育障害

9) 喘鳴・呼吸困難・チアノーゼ

10) 発達遅延

11) 不登校、多動、注意力散漫

12) 肥満

13) 便秘

14) 低身長

15) 黄疸

16) リンパ節腫脹

17) 血尿

18) 血便

19) 鼻出血

20) 頭痛

21) 出血斑

整形外科

1．一般目標

1) 救急医療:臨床研修医が運動器救急疾患、外傷に対応できる基本的診療能力を修得する。

2) 慢性疾患:臨床研修医が適正な診断を行うために必要な整形外科的慢性疾患の重要性特殊性について理解修得する。

3) 基本手技:整形外科疾患の診断と治療法の基本的手技の重要性を良く理解し、真摯かつ意欲的にその安全で確実な知識と手技を修得する。

4) 医療記録:運動器疾患に対して理解を深め、医療記録に必要事項を正確に記載できる能力を身につける。

2.行動目標

【1】基本的診察法:下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1) 面接技法(患者・家族との信頼関係、心理洞察)

2) 脊柱の診察

3) 骨・関節・筋肉系の診察

4) 神経学的診察

【2】基本的検査法
Ａ:必要に応じて自ら検査を実施し、結果を解釈できる。

1) 検尿、血算、検便

2) 出血時間測定・血小板検査

3) 血液型判定・交差適合試験

4) 動脈血ガス分析

Ｂ:適切に検査を選択・指示し、結果を解釈できる。

1) 血液一般、生化学、凝固系、血液ガス、心機能、肺機能、腎機能など術前検査を指示し結果を把握できる。

2) 内分泌学的検査

3) 細菌学的検査

4) 薬剤感受性検査

5) 髄液検査

Ｃ:適切に検査を選択・指示し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 細胞診・病理組織検査

2) 超音波検査

3) 単純Ｘ線検査

4) 造影Ｘ線検査

5) Ｘ線CT検査

6) 核医学検査

【3】基本的手技:適応を決定し、適切に実施できる。

1) 注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、関節、腱鞘、神経幹、静脈確保)

2) 採血法(静脈血、動脈血)

3) 穿刺法(腰椎)

4) 導尿法

5) 浣腸

6) ガーゼ・包帯交換

7) ドレーン・チューブ類の管理

8) 局所麻酔法

9) 滅菌消毒法

10) 簡単な切開・排膿

11) 皮膚縫合法

12) 包帯法

13) 軽度の外傷の処置

14) 副子固定

15) 止血帯の使用方法

16) 骨折牽引

【4】基本的治療法
Ａ:以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 薬剤の処方

2) 輸液

3) 輸血・血液製剤の使用・輸血副作用への対応

4) 抗生物質の使用食事療法

5) 療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄を含む)

6) 救命救急処置法(気管内挿管、バックマスク人工呼吸、胸骨圧迫式マッサージ、鎖骨下静脈穿刺、対ショック療法薬剤の適切な使用)

7) 破傷風の予防法

8) 解熱法

Ｂ:適応を決定し、指導医の指導の下にできる。

1) 副腎皮質ステロイド薬の使用

2) 抗腫瘍化学療法

3) 呼吸管理

4) 循環管理(不整脈を含む)

5) 中心静脈栄養法

6) 疼痛コントロール

7) 大量出血の一般的対策

8) 胸腔穿刺

Ｃ:必要性を判断し、適応を決定できる。

1) 外科的治療

2) 放射線治療

3) 医学的リハビリテーション計画

4) 精神的、心身医学的治療

5) 重症患者管理(解熱、ガス壊疸、多発外傷)

【5】患者・家族との関係:良好な人間関係の下で、問題を解決できる。

1) 適切なコミュニケーション(患者への接し方を含む)

2) 患者・家族のニーズの把握

3) 生活指導(栄養と運動、環境、在宅療養などを含む)

4) 心理的側面の把握と指導

5) インフォームドコンセント

6) プライバシーの保護

【6】医療の社会的側面に対応できる。

1) 保健医療法規・制度

2) 医療保険・公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅療養、社会復帰

5) 地域保健・健康増進(保健所機能への理解を含む)

6) 麻薬の取り扱い

【7】適切に文書を作成し、管理ができる。

1) 診療記録等の医療記録

2) 処方箋・指示箋

3) 診断書・検案書、その他の証明書

4) 紹介状とその返事

【8】診療計画・評価:総合的に問題点を分析・判断し、評価ができる。

1) 必要な情報収集(文献検索を含む)

2) 問題点整理

3) 診療計画の作成・変更

4) 入退院の判定

5) 症例指示・要約

【9】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

【1】診断と検査

1) 骨・関節のＸ線診断(MRIも含む) が的確にできる。

2) 関節造影ができ、所見を正しく評価できる。

3) 脊髄腔造影ができ、所見を正しく評価できる。

4) 関節鏡検も或る程度できる。

5) 病理組織所見を或る程度判断することができる。

6) 基本的診察と病態考察ができる。

7) 神経学的高位、横位診断が考察できる。

8) 救急外傷患者に的確で迅速な病態把握ができる。

9) 痛みの原因分析が十分できる。

10) 検査の意義を十分理解し、検査の適応を正しく処方できる。

11) 基本的検査を適切に計画し、意味を判断できる。

12) 論理的、学理的に病態把握を正しく思考できる。

13) 整形外科的緊急危険症状を即断できる。

【2】整形外科臨床知識と力量(学会に準拠)

1) 徒手整復の正しい適応と実施ができる。

2) 補装具の処方、指示、指導が正しくできる。

3) 理学療法の処方、指示が正しくできる。

4) 整形外科ME機器を適切に処方し、使用できる。

5) 介達牽引管理が正しくできる。

6) 直達牽引管理が正しくできる。

7) 創外固定管理が正しくできる。

8) 局麻、伝達麻酔ができる。

9) 全身麻酔と全身管理ができる。

10) 術前準備を正しくできる。

11) 脊髄損傷の初期治療が適切にできる。

12) 開放骨折の初期治療が適切にできる。

13) 関節の感染症の初期治療が適切にできる。

14) 手新鮮外傷の初期治療が正しくできる。

15) 採骨と骨移植が正しくできる。

16) 救急外傷患者の搬送について正しく判断し、処理できる。

17) 緊急時の減張切開ができる。

18) 関節注射、ブロックができる。

19) スポーツ外傷の現場での処置が的確にできる。

20) 義肢以外の各種装具を設計し、指示できる。

21) 高齢者の整形外科的骨関節疾患への治療設計ができ、十分助手または術者となることができる。

22) 慢性関節リウマチの治療計画が確実にでき、関節外科の助手が十分できる、または術者になることができる。

23) 小児先天性疾患(先股脱、内反足、筋性斜頚) の治療計画と保存治療が十分できる。

24) 患者の心理・情緒を洞察し、カウンセリングがある程度できる。

25) 機能障害、能力障害、社会的不利を評価でき適切なリハビリ計画ができる。

26) リハビリテーションのうち職能訓練の処方が十分でき、評価できる。

27) 脳性麻痺の訓練の処方が指示でき、評価できる。

28) 廃用症候群の内容を分析でき、適切な治療計画が立てられる。

29) 高齢者・障害者に対し、適切な生活アドバイスができる。

眼科

1．一般目標

1) 眼科の基本的診療を行ううえで必要な知識・技能・態度を身につける。

2) 眼科手術(顕微鏡手術) の原理を理解し、基本的技能を習得する。

3) 眼科所見を通じて全身疾患の理解を深める。

2. 行動目標

【1】基本的診察法:必要に応じて自ら実施できる。

1) 再来患者を単独で診察、処置ができる。

2) 初診の患者の予診、必要な検査が一通りできる。

3) 2年終了時には、単独で初診の患者の診察を行い、治療方針を決定する。

4) 病状を患者および家族に十分に説明できる。　　

5) 他の診療科または他の病院からの依頼事項に返信する事ができる。

6) 外来および入院カルテのすべての項目に記載が完全にできる(眼科用語を覚える) 。　

【2】基本的検査法

Ａ. 必要に応じて自ら実施できる。

1) 他覚的屈折検査法(検影法、オートレフラクトメーター)

2) 自覚的屈折検査法(視力測定)

3) 眼圧測定

4) 調節検査

5) 細隙燈顕微鏡検査

6) 隅角鏡検査

7) 眼底検査(直像眼底鏡、倒像眼底鏡、双眼倒像眼底鏡、眼底検査用コンタクトレンズを使用した隙燈顕微鏡検査)

8) 視野検査(動的視野計・静的視野計)

9) 色覚検査

10) 光覚検査

11) 眼位検査

12) 両眼視機能検査

13) 眼球突出度測定

14) 角膜曲率半径測定

15) 前眼部写真撮影(細隙燈顕微鏡写真を含む)

16) 眼底写真撮影

17) 涙液分泌検査

18) トノグラフィー検査

19) 眼底血圧測定

20) 網膜電図検査

21) 超音波検査(眼軸長測定を含む)

22) 角膜内皮写真撮影

23) 角結膜塗抹標本検査

24) 暗順応検査

Ｂ. 指導医の監督のもとで自ら実施できる。

1) フルオレセイン蛍光眼底造影検査

2) インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査

3) 網膜厚測定

4) 光干渉断層撮影

5) 眼球電図

6) 視覚誘発電図

【3】基本的処置・手技:必要に応じて自ら実施できる。

1) 点眼法

2) 洗眼法

3) 温罨法

4) 睫毛抜去

5) 涙嚢洗浄

6) 薬剤の注射(結膜下注射、球後注射)

7) 結膜異物除去

8) 角膜異物除去

9) 眼鏡処方

　10) コンタクトレンズ処方

【4】基本的手術法

Ａ. 必要に応じて自ら実施できる。

1) 眼手術消毒法の理解と実践

2) 各種眼科手術器械の使用法(手術用顕微鏡を含む)

Ｂ. 指導医の監督のもとで自ら実施できる。

1) 外眼部、前眼部の手術

マイボーム腺梗塞切開術

麦粒腫切開術

霰粒腫摘出術

眼瞼内反症手術

翼状片手術

2) レーザー治療

　　 　　 網膜光凝固術

虹彩切開術

　 　 後発白内障YAGレーザー切開術

3) 白内障手術

超音波乳化吸引術

　　　　　 眼内レンズ挿入術

4) 緑内障手術

　　　　　 毛様体冷凍凝固術

Ｃ. 指導医が施行するのを助手を務めながら観察し、結果を理解する。

1) 外眼部、前眼部の手術

　　 　　 角膜移植術(表層移植、全層移植)

2) 白内障手術

　　　　　 水晶体嚢内摘出術

　　　　　 水晶体嚢外摘出術

3) 緑内障手術

　　 　　 虹彩切除術

　　　　　 線維柱帯切開術

　　 　　 線維柱帯切除術

4) 網膜剥離手術

　　 　　 ジアテルミー凝固

　　 　　 網膜冷凍凝固

　　 　　 強膜内陥術(エクソプラント法)

　　 　　 網膜下液排液術

5) 硝子体手術

　　　　　 裂孔原性網膜剥離手術

　　　　　 黄斑円孔閉鎖術

　　　　　 網膜上膜除去術

　　　　　 黄斑下手術

6) その他の手術

眼球摘出術

　　 　　 斜視手術ー水平斜視、上下斜視

　　 　　 穿孔性眼外傷に対する手術

【5】症例

　　 1) 症例発表、学会発表

　　 2) 論文発表

3. 経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 急性閉塞隅角緑内障

2) 網膜中心動脈閉塞症

3) 視神経炎

4) 裂孔原性網膜剥離

5) 硝子体出血

6) 眼外傷

【2】頻度の高い疾患・病態

1) 屈折異常(近視、遠視、乱視)

2) カタル性結膜炎

3) 老人性白内障

4) ぶどう膜炎

5) 網膜静脈閉塞症

6) 糖尿病網膜症

7) 網膜上膜

8) 黄斑円孔

9) 加齢黄斑変性

10) 開放隅角緑内障

【3】頻度の高い症状

1) 霧視

2) 飛蚊症

3) 中心暗点

4) 変視症

5) 充血

6) 眼痛

7) 視力低下

耳鼻咽喉科

1．一般目標

1) 耳鼻咽喉科専門医になることを目標として、日本耳鼻咽喉科学会専門医制度委員会の行う耳鼻咽喉科専門医認定試験受験資格に該当する耳鼻咽喉科の診断、治療に関する知識・技術を初期の2年間に習得する。

2) 耳鼻咽喉科専門医になることを目標として、高水準の診断、治療に関する知識・技術を習得するように、常に努力する。

2．行動目標

【1】基本的診察法:以下につき主要な所見を正確に把握できる。

1) 面接技法(患者、家族との信頼関係、心理洞察)

2) 耳鼻咽喉科的診察(耳・鼻・咽・喉)

3) 耳科神経学的診察

【2】基本的検査法
Ａ:必要に応じて自ら検査を実施し、結果を解釈できる。

1) 検尿、血算

2) 出血時間測定・血小板検査

3) 血液型判定・交差適合試験

4) 動脈血ガス分析検査法

5) バイタルサインのチェック

Ｂ:適切に検査を選択・指示し、結果を解釈できる。

1) 純音聴力検査

2) ティンパノメトリー

3) 耳小骨筋反応

4) 聴性脳幹反応

5) 自記オージオ

6) 耳音響放射

7) 鼓膜パッチテスト

8) 耳鳴り検査

9) 耳管機能検査

10) 立ち直り反射

11) 自発、注視眼振検査

12) 頭位・頭位変換眼振検査

13) 温度眼振検査

14) 視標追跡眼球運動検査、視運動性眼振検査

15) ファイバースコープ検査(鼻、咽喉頭検査)

16) 顔面神経検査

17) 味覚検査

18) 静脈性嗅覚検査

19) その他の嗅覚検査

20) 鼻汁中好酸球検査

21) アレルゲン皮内反応検査

22) RAST検査

23) 鼻誘発反応検査

24) 鼻腔通気度検査(ライノメトリー検査、通気度検査)

25) 扁桃誘発、打ち消し検査

26) 超音波診断

27) 音声、言語機能検査

28) 唾液腺機能検査法(Ｘ線下)

Ｃ:適切に検査を選択・指示し、指導医の意見に基づき結果を解釈できる

1) 細胞診・病理組織検査

2) 超音波検査

3) 単純Ｘ線検査

4) 造影Ｘ線検査

5) Ｘ線CT検査

6) 核医学検査

7) MRI検査

【3】基本的手技:適応を決定し、適切に実施できる

1) 耳鼻咽喉科的基本的手技(耳処置、鼻処置、咽喉頭処置)

2) 注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保)

3) 採血法(静脈血、動脈血)

4) 穿刺法(上顎洞)

5) ガーゼ・包帯交換

6) ドレーン・チューブ類の管理

7) 局所麻酔法

8) 滅菌消毒法

9) 簡単な切開・排膿

10) 皮膚縫合法

【4】基本的治療法
Ａ:適応を決定し、実施できる

1) 簡単な耳処置、鼻処置、咽喉頭処置(耳垢除去、耳洗、鼓膜切開、鼻出血止血法)

2) ファイバースコープ検査による異物除去、生検

3) 薬剤の処方

4) 輸液

5) 輸血・血液製剤の使用・輸血副作用への対応

6) 抗生物質の使用

7) 食事療法

8) 療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄を含む)

9) 救命救急処置法

Ｂ:適応を決定し、指導医の指導の下に実施できる

1) やや複雑な耳処置、鼻処置、咽喉頭処置(鼓膜チュービング、プレッツ置換法、鼻出血バルーン止血法、ファイバースコープ下良性腫瘍摘出術など)

2) 呼吸嚥下管理

3) 副腎皮質ステロイド薬の使用

4) 抗腫瘍化学療法

5) 循環管理(不整脈を含む)

6) 中心静脈栄養法

7) 疼痛コントロール

8) 気管内挿管

Ｃ:必要性を判断し、適応を決定できる

1) 外科的治療(頭頸部良性腫瘍、他)

2) 医学的リハビリテーション計画

3) 精神的、心身医学的治療

4) 形成外科的診断治療(顔面外傷の処置、顔面瘢痕形成、顔面骨骨折　他)

【5】指導医の元に基本的手術をマスターする。

1) 基本的手術、手技の修得、(局所麻酔、結紮、切開、排膿、縫合など)

2) 手術助手として能力の獲得(手術器具の理解など)

3) 小手術、執刀の能力の獲得(鼻茸切除術、鼓膜チュービング、可塑性内視鏡下手術、口蓋扁桃アデノイド摘出術、鼻中隔弯曲症摘出術、気管切開術、頸部良性腫瘍摘出術など)

4) 硬性、可塑性食道、気管、気管支鏡検査の修得

5) 形成外科的手技の修得(整容的縫合手技、顔面骨骨折整復術、植皮・皮弁移植など)

【6】患者・家族との関係:良好な人間関係の下で、問題を解決できる。

1) 適切なコミュニケーション(患者への接し方を含む)

2) 患者・家族のニーズの把握

3) 生活指導(栄養と運動、環境、在宅療養などを含む)

4) 心理的側面の把握と指導

5) インフォームドコンセント

6) プライバシーの保護

【7】医療の社会的側面:医療の社会的側面に対応できる

1) 保健医療法規・制度

2) 医療保険・公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅療養、社会復帰

5) 地域保健・健康増進(保健所機能への理解を含む)

6) 麻薬の取り扱い

【8】文書記録:適切に文書を作成し、管理ができる

1) 診療記録等の医療記録

2) 処方箋・指示箋

3) 診断書・検案書、その他の証明書

4) 紹介状とその返事

【9】診療計画・評価:総合的に問題点を分析・判断し、評価ができる

1) 必要な情報収集(文献検索を含む)

2) 問題点整理

3) 診療計画の作成・変更

4) 入退院の判定

5) 症例指示・要約

【10】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患、病態

1) 鼻出血

2) 呼吸困難

3) 嚥下障害

4) 突発性難聴

5) メニエル病

6) 中耳炎脳蓋内合併症

7) 急性咽後膿瘍

8) 気管、気管支異物

9) 食道異物

10) アナフイラキシーショック

【2】頻度の高い症状

1) 耳鳴り

2) 難聴

3) 耳痛

4) 顔面神経麻痺

5) 鼻汁

6) くしゃみ

7) 鼻閉

8) 鼻部痛

9) 頭痛

10) 咽頭痛

11) 嚥下困難

12) 嗄声

13) 発声障害

皮膚科

1．一般目標

1) 皮膚科における医療行為の実践に必要な技術、科学的思考、体系的な方法論の習得を身につける。

2) 皮膚科診療に当たっては、患者をとりまく社会環境の諸因子と皮膚疾患との関連についても十分理解し、いわゆる全人的医療をめざす。

3) 皮膚科領域に限定されない、いわゆる境界領域の疾患については、他科の医師との集学的診療を基本とし、一般内科、一般外科をはじめとして医学の各分野にわたり研修する。

2．行動目標

【1】下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1) 面接技法(適切なコミュニケーション技術の習得)

2) 正確な病歴聴取

3) 正確な皮疹の性状や表在リンパ節の記載

4) 外部から観察しうる粘膜の性状の正確な記載

5) 全身状態の把握(バイタルサインや精神状態のチェック)

6) 骨、関節、筋肉系の観察

7) 神経学的観察

【2】基本的検査法

Ａ．必要に応じて検査を選択、実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1) 検尿、検便

2) 出血時間測定・血小板検査・毛細血管抵抗試験

3) 血液型判定・交差適合試験

4) 動脈血ガス分析

5) 血液一般

6) 生化学

7) 心機能

8) 肺機能

9) 腎機能

10) 内分泌学的検査

11) 細菌学的検査

12) 病理組織学的検査

Ｂ．自ら検査を実施し、結果を解釈できる。

1) パッチテスト

2) プリックテスト

3) 最小紅斑量テスト

4) 光パッチテスト

5) 光内服テスト

6) 光誘発テスト

7) 蛍光抗体直説法および間接法

8) 酵素組織化学法

9) Tzankテスト

10) 真菌直接鏡検

11) 真菌培養

Ｃ．適切に検査を選択、指示し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 単純Ｘ線検査

2) 造影Ｘ線検査

3) Ｘ線CT検査

4) 核医学検査

【3】基本的手技:適応を決定し、適切に実施できる。

1) 注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保)

2) 採血法(静脈血、動脈血)

3) 外用療法(単純塗布、重層塗布、ドレッシング法など)

4) ガーゼ・包帯交換

5) ドレーン・チューブ類の管理

6) 局所麻酔法

7) 滅菌消毒法

8) 外傷の処置

9) 熱傷処置

10) 皮膚切開排膿

11) 副子固定

【4】基本的治療法

Ａ．全身療法

1) 副腎皮質ホルモン剤

2) 抗アレルギー剤

3) 非ステロイド系消炎剤

4) 抗生物質

5) 化学療法剤

6) 抗真菌剤

7) 抗ウイルス剤

8) DDS

9) 抗腫瘍剤

10) ビタミンA誘導体

Ｂ．局所療法:個々の皮疹の状態に応じて適切に使い分けることができる。

1) 副腎皮質ホルモン剤

2) 抗ヒスタミン剤

3) 非ステロイド系消炎剤

4) 尿素、サリチル酸

5) 抗真菌剤

6) 抗ウイルス剤

7) 活性型ビタミンD₃製剤

Ｃ．光線療法

1) 赤外線

2) 紫外線(PUVA、 UVB)

Ｄ．凍結療法

1) 液体窒素法

Ｅ．温熱療法

Ｆ．レーザー療法

Ｇ．皮膚外科

1) パンチバイオプシー

2) 単純皮膚縫合

3) 中縫い法

4) 有茎皮弁作成および植皮術

5) Thiersch(カミソリ) 植皮法

6) 分層植皮法

7) 電気焼却術

8) 皮膚切開排膿

【5】適応を決定し、実施し、必要に応じて専門医に診察を依頼することができる。

1) 輸液

2) 輸血・血液製剤の使用

3) 救命救急処置

4) 呼吸、循環、代謝管理

5) 疼痛コントロール

【6】必要性を判断し、適応を決定し、必要に応じて専門医に診察を依頼することができる。

1) 放射線療法

2) 神経ブロック

3) 医学的リハビリテーション

4) 精神的、心身医学的治療

5) 食事療法

【7】患者・家族との信頼関係

1) 適切なコミュニケーション

2) 患者をとりまく社会環境の諸因子の把握

3) 心理的側面の把握と指導

4) 患者、家族のニーズの把握

5) インフォームドコンセント

6) プライバシーの保護

7) 生活指導

【8】医療の社会的側面

1) 保健医療法規・制度

2) 医療保険・公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 麻薬の取り扱い

【9】文書記録

1) 診療記録等の医療記録

2) 処方箋・指示箋

3) 診断書・検案書、その他の証明書

4) 紹介状とその返事

【10】診療計画、評価

1) 入院診療計画書の作成

2) 入退院の判定

3) 退院療養計画書の作成

4) 症例要約

【11】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

1) 湿疹、皮膚炎

2) 蕁麻疹

3) 紅斑症

4) 薬疹、中毒疹

5) 紫斑病、血管炎

6) 血行障害、皮膚潰瘍、壊疽

7) 膠原病

8) 水疱症、膿疱症

9) 角化症、炎症性角化症

10) 光線過敏症

11) 熱傷

12) 皮膚腫瘍

13) 母斑症

14) 色素異常症

15) 皮膚形成異常症

16) 色素異常症

17) 代謝異常症

18) 発汗異常症

19) 毛嚢脂腺系疾患

20) 毛髪疾患

21) 爪甲疾患

22) 細菌性疾患

23) ウイルス性疾患

24) 真菌症

25) 皮膚結核症および肉芽腫症

26) スピロヘータ、動物性疾患

泌尿器科

1．一般目標

1) 豊かな人間性と優れた知識、技能を持った泌尿器科医を育成することを基本とする。

2) 患者の合併症の有無や手術のリスク等を考え、泌尿生殖器だけでなく、常に全身状態の把握と適切な対応が可能な技術・習慣を身につける。

3) 生殖器疾患を持った患者の心理的状況を考え、プライバシーに配慮する。

4) 研修5年修了後には学会専門医として資格をみたすべく、その礎を築くよう努力する。

2．行動目標

【1】基本的診察法

1) 患者の問診、病歴の作成

2) バイタルサインの測定と所見の解釈

3) 全身の診察(胸部・腹部・頭頸部・皮膚・表在性リンパ節・骨・筋　等)

4) 腎の診察

5) 膀胱の診察

6) 鼠径部の診察

7) 男性外陰部の診察(陰嚢部・精巣・精巣上体・陰茎　等)

8) 女性外陰部の診察(陰核・膣・外尿道口　等)

9) 前立腺の直腸内診察

【2】基本的検査法

Ａ. 必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し、結果を解釈する。

1) 血算

2) 血液型判定・交差試験・出血時間・凝固時間

3) 心電図

4) 動脈血ガス分析

5) 血液生化学検査

6) 細菌学的検査

7) 単純Ｘ線検査

8) CT検査

9) MRI検査

10) 超音波検査

Ｂ. 泌尿器科的検査を実施し、適切に解釈する。

1) 採尿法の理解と実施

2) 尿検査(化学的、顕微鏡的)

3) 尿道分泌物・前立腺分泌液検査

4) 精液検査

5) 尿流動態検査(尿流測定検査・膀胱内圧測定検査・尿道内圧測定検査・直腸内圧測定・尿道括約

筋筋電図等)

6) 内視鏡検査(膀胱尿道鏡・尿管鏡・腎盂鏡)

7) 泌尿器科的Ｘ線検査の実施(KUB・静脈性腎盂造影・逆行性腎盂造影・経皮的腎盂造影・膀胱造

影・尿道膀胱造影・精管造影　等)

8) 腎機能検査(総腎機能検査法・分腎機能検査法・レノグラム・腎シンチグラフィー)

9) 副腎機能検査

10) 副甲状腺機能検査

11) 男性性機能検査

12) 生検法(腎生検・前立腺生検・膀胱生検・精巣生検　等)

13) 超音波検査(腎、膀胱、前立腺、精巣　等)

【3】基本的治療法

1) 輸液法・輸血法

2) 腎不全患者の輸液療法

3) 中心静脈栄養法

4) 抗生剤・鎮痛剤の適応と実施

5) 導尿手技、尿道留置カテーテル設置

6) 膀胱瘻、腎瘻、尿管ステントの造設およびその適応の理解

7) 尿道ブジー

【4】手術

Ａ. 術前・術中・術後

1) 術前・術後の輸液法

2) 適切な術前処置

3) 手術適応の理解と術式・方針の決定

4) 術後合併症の早期発見と対処

5) 術後呼吸・循環・代謝管理に参加し実施

6) 滅菌・消毒の留意点に習熟し実施

7) 麻酔の適応の判断

8) 局所麻酔・仙骨部硬膜外麻酔の実施

9) 手術摘出標本のスケッチと肉眼的病理所見の理解

10) 摘出標本の顕微鏡的所見の臨床病理レポートの理解

Ｂ. 指導医の指導のもと自ら手術を行うことができる

1) ESWL(体外衝撃波結石破砕術)

2) TUR-P

3) TUR-Bt

4) 経尿道的尿道切開術

5) 経尿道的膀胱結石砕石術

6) 尿管切石術

7) 尿管皮膚瘻造設術

8) 膀胱切石術

9) 被膜下前立腺摘出術

10) 尿道腫瘍切除術

11) 外尿道口切開術

12) 包茎環状切除術

13) 精巣摘出術

14) 陰嚢水腫根治術

15) 精巣固定術

16) 精巣生検術

17) 精巣捻転修復術　等

Ｃ. 手術助手として手術に参加する頻度の高い手術

1) 根治的腎摘出術

2) 腎尿管全摘出術

3) 膀胱全摘術

4) 代用膀胱造設術

5) 膀胱尿管新吻合術

6) 前立腺全摘術

7) 尿道形成術

8) 経皮的腎盂尿管結石砕石術

9) 経尿道的尿管結石砕石術

　　10) 腎移植　等

【5】学会発表と論文作成

Ａ．学会発表と論文作成を適切に行なうことができる。

1) 症例経過をまとめる能力

2) 文献検索方法の修得

3) 学会に用いるスライド原稿を作成する能力

4) 発表原稿を作成する能力

5) 論文を作成・投稿する能力

6) 上記の重要性を研修中に認識し、実行していく姿勢

　Ｂ．学会発表と論文発表

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3. 経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 尿閉

2) 腎後性腎不全

3) 腎梗塞

4) 急性陰嚢症(精巣捻転症　等)

5) 尿路性器損傷(腎外傷、精巣損傷、陰茎折傷　等)

6) 持続勃起症

7) 急性尿路感染症(腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎)

【2】頻度の高い症状

1) 血尿・膿尿・混濁尿

2) 無尿・多尿

3) 頻尿

4) 排尿困難

5) 尿失禁

6) 遺尿症

7) 背部痛・下腹部痛・尿道部痛

8) 排尿時痛・射精時痛

9) 尿失禁

10) 発熱

【3】頻度の高い疾患

1) 前立腺肥大症

2) 膀胱炎

3) 尿路性器腫瘍(腎腫瘍・腎盂尿管腫瘍・膀胱腫瘍・前立腺癌・精巣腫瘍)

4) 神経因性膀胱

5) 尿路結石症

6) 膀胱尿管逆流症

7) 尿路性器感染症(腎盂腎炎・膀胱炎・精巣上体炎・前立腺炎)

8) 尿路性器先天異常(腎盂尿管移行部狭窄・停留精巣・尿道下裂　等)

9) 男子不妊症

10) 尿道狭窄

11) 尿管狭窄

12) 勃起不全

13) 腎不全

精神科

1．一般目標

1) 精神科医に求められる基本的な診療に必要な知識・技能・態度を身につける。

2) 精神障害の診断・治療・社会復帰・予防・健康保持に関して、自律的および主導的な役割を遂行する。

3) 症例に即した文献を検索し、その論文の批判的吟味を行い、その結果を臨床に応用する。

4) 研修の終了時に研修のまとめの報告、もしくは可能であれば学会にて研究発表を行う。

5) 3年目以降も継続して研修を行うことにより、精神保健指定医の資格取得を目指す。

2.　行動目標

【1】基本的診察法:以下につき主要な所見を正確に把握できる。

1) 面接技法(患者・家族との信頼関係、適切なコミュニケーション)

2) 精神症状の把握

3) 神経学的診察

【2】基本的検査法

Ａ:必要に応じて自ら検査を実施し、結果を解釈できる。

1) 心理学的検査

2) 神経心理学的検査

Ｂ:適切に検査を選択・指示し、結果を解釈できる。

1) 血液生化学的検査

2) 血液免疫学的検査

3) 肝機能検査

4) 腎機能検査

5) 肺機能検査

6) 内分泌学的検査

7) 細菌学的検査

8) 薬剤感受性検査

9) 髄液検査

10) 脳画像検査　(Ｘ-CT、MRI、SPECT)

11) 脳波検査

Ｃ:適切に検査を選択・指示し、専門家の意見に基づき結果を解釈できる。

1) 単純Ｘ線検査

2) 造影検査

【3】基本的手技:適応を決定し、適切に実施できる。

1) 注射法(筋肉、点滴、静脈確保)

2) 採血法(静脈血、動脈血)

3) 導尿法

4) ガーゼ交換

5) 局所麻酔法

6) 滅菌消毒法

7) 簡単な切開・排膿

8) 皮膚縫合法

9) 軽度の外傷の処置

【4】基本的治療法
　Ａ:適応を決定し、実施できる。

1) 薬剤の処方

2) 輸液

3) 救命救急処置法(胃洗浄を含む)

4) 精神医学的及び神経心理学的リハビリテーション

5) 精神療法(認知行動療法を含む)

6) 無けいれん電気療法

　Ｂ:適応を決定し、指導医の指導の下にできる。

1) 副腎皮質ステロイド薬の使用

2) 抗生物質の使用

Ｃ:必要性を判断し、適応を決定できる。

1) 中心静脈栄養法

2) 外科的治療

3) 呼吸管理

【5】患者・家族との関係:良好な人間関係の下で、問題を解決できる。

1) 適切なコミュニケーション(患者への接し方を含む)

2) 患者・家族のニーズの把握

3) 生活指導(栄養と運動、環境、在宅療養などを含む)

4) 心理的側面の把握と指導

5) インフォームドコンセント

6) プライバシーの保護

【6】医療の社会的側面:医療の社会的側面に対応できる。

1) 保健医療法規・制度(精神保健福祉法を含む)

2) 医療保険・公費負担医療

3) 社会福祉施設

4) 在宅療養、社会復帰

5) 地域保健・健康増進(精神保健福祉センター、精神障害者社会復帰施設の理解を含む)

6) 医の倫理・生命の倫理

7) 医療事故

【7】文書記録:適切に文書を作成し、管理ができる。

1) 診療記録等の医療記録

2) 処方箋・指示箋

3) 診断書、その他の証明書

4) 紹介状とその返事

5) 精神保健福祉法に基づく書類

【8】診療計画・評価:総合的に問題点を分析・判断し、評価ができる。

1) 必要な情報収集(文献検索を含む)

2) 問題点整理

3) 診療計画の作成・変更

4) 入退院の判定

5) 症例提示・要約

【9】救急処置法:適切に処置し、必要に応じて専門医に依頼することができる。

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握

3) 心肺蘇生術の適応判断と実施

4) 指導医または専門医への申し送りと移送

【10】医療メンバー:様々な医療従事者と協調・協力し、問題に対処できる。

1) 指導医・専門医へのコンサルテーション

2) 他科、他施設への紹介・転送

3) 医療・福祉・保健の幅広い職種からなるチームの組織

4) リエゾン・コンサルテーション精神医学

【11】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患・病態

1) 意識障害

2) 脳血管障害

3) 急性中毒

4) 外傷

5) 誤飲、誤嚥

6) けいれん

7) 自殺企図

8) 不穏、興奮

【2】頻度の高い疾患・病態

1) 意識障害

2) 失神

3) けいれん

4) 頭痛、頭重感

5) 呼吸困難、息切れ

6) 動悸

7) めまい

8) 食思不振

9) 全身倦怠感

10) 体重減少・増加

11) 知能障害

12) 記憶障害

13) 失見当識

14) 錯覚、幻覚

15) 思考障害

16) 不安、抑うつ

17) 自我障害

18) 欲動障害

19) 行動障害

20) 病識欠如

21) 疎通性障害

22) 失語、失行、失認

23) 脳局所症状

24) 脳器質性精神症候群

25) 睡眠障害、不眠

26) 不定愁訴、身体化症状

放射線科

1．一般目標

1) 放射線科医として放射線診療(診断、治療、核医学) における必要な知識、技能、態度を身につける。

2) 緊急疾患の画像診断に関する臨床的能力を身につける。

3) 末期患者の人間的、心理的理解の上に立って、治療し管理する能力を身につける。

4) 適切な画像診断報告書、および診療録を作成する能力を身につける。

2．行動目標

【1】基本的診察法:下記の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1) 面接技法(診断情報の収集、患者・家族との適切なコミュニケーションを含む)

2) 全身の観察(バイタルサインと精神状態のチェック、皮膚や表在リンパ節の診察を含む)

3) 頭頚部の診察(眼底検査、外耳道、鼻腔、口腔、咽喉、血管の観察、甲状腺の触診を含む)

4) 胸部の診察

5) 腹部の診察(直腸診を含む)

6) 神経学的診察

【2】基本的検査法

Ａ．必要に応じて自ら検査を実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1) 一般検尿、検便、血算

2) 血液型判定

3) 心電図

4) 動脈血ガス分析

5) 血液生化学的検査

6) 細菌学的検査(検体の採取、グラム染色など簡単な細菌学的検査)

7) 肺機能検査(スパイロメトリー)

Ｂ．基本的画像診断検査法

1) 単純Ｘ線撮影

2) Ｘ線CT検査

3) MRI検査

4) 核医学検査

5) 超音波検査

6) 血管造影検査

7) インターベンショナルラジオロジー

【3】基本的治療法

Ａ. 以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1) 薬剤の処方

2) 輸液

3) 輸血、血液製剤の使用

4) 抗生剤の使用

5) 抗腫瘍化学療法

6) 呼吸管理

7) 循環管理

8) 中心静脈栄養法

9) 経腸栄養法

10) 療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)

11) 放射線治療

Ｂ. 必要性を判断し、適応を決定できる。

1) リハビリテーション

2) 外科療法

3) 精神的、心身医療学的治療

【4】基本的手技:以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1) 注射法(皮内、皮下、筋肉内、末梢静脈点滴、中心静脈確保)

2) 採血法(静脈、動脈)

3) 穿刺法(腰椎、胸腔、腹腔)

4) 導尿法

5) 浣腸

6) 胃管の挿入と管理

7) 局所麻酔法

8) 創部消毒法、簡単な切開、排膿

9) 皮膚縫合法

10) 気道確保、挿管手技

【5】以下の救急処置法を適切に行い、必要に応じて専門医に依頼することができる。

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握(判断)

3) 心配蘇生術(気道確保) の適応判断と実施

【6】下記の項目に配慮し、患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

1) 意志疎通術

2) 患者、家族の要望と心理的側面の把握

3) 説明と同意(インフォームドコンセント)

4) 個人情報への配慮

【7】全人的理解に基づいて、以下の末期医療を実施できる。

1) 告知を巡る諸問題への配慮

2) 身体症状のコントロール(ＷＨＯ方式がん疼痛治療法を含む)

3) 心理的・社会的側面への配慮

4) 死生観・宗教観等の側面への配慮

5) 告知後および死後の家族への配慮

【8】画像診断、放射線治療に必要な知識、技術を習得し、診断報告書、および診療録を作成できる。

1) 正常解剖の理解(局所、横断)

2) Ｘ線撮影、CT、MRI、超音波の撮像法原理の理解

3) アーチファクトの理解

4) 血管造影における患者管理、カテーテルテクニック

5) 造影剤副作用に対する対処

6) 放射性同位元素の使用法

7) 放射線防護

8) コンピュータを用いた診断報告書の作成

9) 放射線管理区域

10) 放射線治療の適応の理解

【9】症例

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

【1】緊急を有する疾患・病態

1) 意識障害

2) 脳血管障害

3) ショック

4) 急性心不全

5) 急性冠不全

6) 急性呼吸不全

7) 急性腎不全・尿閉

8) 急性感染症

9) 急性中毒

10) 急性腹症

11) 急性消化管出血(吐血、下血)

12) 誤飲(たばこ、薬物など) 、誤嚥(ピーナッツなど)

13) アナフィラキシー

【2】画像診断に必要な病態(各臓器における)

1) 神経

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

2) 頭頚部

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

3) 呼吸器

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

4) 心臓

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

5) 消化器

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

6) 泌尿生殖器

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

7) 骨関節

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

8) 小児

(1) 奇形

(2) 炎症

(3) 腫瘍

(4) 循環障害

(5) 変性、退行性病変

(6) 外傷

【3】放射線治療に必要な病態

1) 神経系腫瘍

2) 頭頚部腫瘍

3) 呼吸器腫瘍

4) 消化器腫瘍

5) 泌尿生殖器腫瘍

6) 血液腫瘍

7) 骨軟部腫瘍

脳神経外科

1．一般目標

1) 医師として、さらに脳神経外科医として、診療に必要な知識、技能、態度を身につける。

2) 病棟における術前術後管理および手術を理解し、実施できる。

3) 脳血管障害、頭部外傷などの救急患者の処置法及び手術法を理解し、実施できる。

4) 基礎及び臨床研究の趨勢を把握し、学会及び研究会での発表能力を獲得する。

2．行動目標

【1】基本的事項:以下の事項につき、適切に検査・処置を行い、診療に参加する。

Ａ:入院患者管理

1) 病歴の聴取

2) 神経学的検査

3) 救急患者の診察、検査、治療の修得

4) 確定診断および鑑別診断

Ｂ:術前、術後の管理

1) 術前検査の分析

2) 薬剤投与の指示

3) 体位変換の指示

4) 安静度の指示

5) 輸液管理

6) 合併症の管理(高血圧、糖尿病、心肺疾患等)

Ｃ:新生児、小児の管理

1) 補液量の指示

2) 投薬量の指示

3) 神経学的検査

4) 発育の観察

5) 呼吸管理

Ｄ:退院時要約

1) 外来通院までの計画作成および説明

2) 紹介病院への回答

Ｅ:神経放射線学的検査

1) 頭蓋、脊椎単純写、断層撮影

2) CT、MRI、MRA

3) SPECT、PET

4) 脳血管撮影

Ｆ:神経生理学的検査

1) 脳波、誘発電位

2) 頭蓋内圧測定

3) 平衡機能検査

Ｇ:神経精神学的検査

1) 知能検査など

Ｈ:神経内分泌学的検査

1) 内分泌負荷テスト

2) 内分泌補充療法

【2】基本的手技:以下につき、適切に実施できる。

1) 剃毛および消毒法

2) 無菌操作

3) 糸結びおよび糸切り

4) 縫合および抜糸

5) 中心静脈穿刺およびカテーテル挿入

6) 局所麻酔法

7) 手術体位および頭部固定

8) 脳室穿刺およびドレナージ術

9) 穿頭術

10) 開頭術

11) 脳室腹腔シャント術

12) 陥没骨折整復術

13) 頭蓋形成術

14) 頭蓋骨腫瘍摘出術

15) 慢性硬膜下血腫手術

16) マイクロサージェリーの基本

17) 超音波メスの使用法

18) レーザーメスの使用法

19) 手術用顕微鏡の操作法

【3】病態を理解し報告できる 。

1) 症例発表、学会発表

2) 論文発表

3．経験すべき症状・病態

【1】緊急を要する疾患、病態:以下の症状、病態に対し適切に対処する。

1) 意識障害

2) 脳血管障害

3) 頭部外傷

【2】頻度の高い症状

1) 頭痛

2) めまい

3) 意識障害

4) けいれん発作

5) 失神

6) 歩行困難

7) 四肢のしびれ

8) 嘔気、嘔吐

臨床検査医学 （中央臨床検査部）

1．一般目標

1) 各種、臨床検査に関して臨床医のコンサルタントとして機能できる。

2) 臨床検査専門医の診断・コメントが必要な各種、報告書を発行できる。

3) 臨床検査医学の実践を通じて、予防医学・健康管理の分野で貢献できる。

4) 中央臨床検査部・輸血部など臨床検査に関連した部署の適切な管理・運営の基本を身につける。

5) 行政関連ならびに日本医師会、地区医師会などの精度管理事業の実行に協力し、精度管理・監査報告書の作成ができる。

2．行動目標

【1】基本的事項:臨床検査を実施するうえでの一般的な内容が理解できる。

　Ａ:検査以前の内容

検体採取や保存、運搬に関する臨床検査への影響、費用対効果、検査前確立、検査のインフォームドコンセントなどを考慮して適切な検査法の選択ができる。

　Ｂ:検査後の内容

検査結果の解釈ができ、さらに検査の特性(変動係数、疑陽性・疑陰性、感度・特異度など) 、基準範囲と生理的変動、治療の影響、検査後確立、臨床症状に一致しない検査結果を受け取った時の対応ができる。

【2】基本的検査法

卒後臨床研修共通カリキュラム行動目標(内科・小児科など共通目標) における臨床検査に関する検査項目を実施し、結果を解釈できる。

【3】臨床検査に関する具体的な行動目標

以下の検査項目の方法、意義を理解し、自ら実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1) 一般検査

検尿(尿定性、尿中有形成分、尿沈渣)

検便(便潜血スライド、便ヒトヘモグロビン)

2) 血液検査

血算

血球形態検査(末梢血液像、骨髄像)

Ｔ・Ｂリンパ球サブセット検査

凝固検査

3) 生化学検査

簡易測定検査(血糖、電解質など)

血清蛋白・酵素活性・脂質測定法(自動分析機器)

電気泳動法(タンパク分画、アイソザイムなど)

4) 微生物検査

微生物(細菌、真菌) の取り扱い方(滅菌・消毒、検体採取、保存と輸送法)

簡単な塗抹・染色法(グラム染色、抗酸菌染色)

薬剤感受性検査、PCRなど遺伝子検査法

5) 血清検査

免疫血清検査(感染症検査、腫瘍マーカー、自己抗体、内分泌検査) など

(各種凝集検査法、蛍光抗体法、酵素抗体法)

6) 緊急検査

血液ガス分析、薬物濃度検査

7) 輸血検査

血液型判定、交差適合試験、抗体スクリーニング検査など

8) 生理検査

心電図、超音波検査、脳波検査、肺機能検査など

【4】症例検討

Reversed CPC (Reversed Clinico-Pathological Conference)

R-CPCの目的は、特定の症例の年齢、性別及び検査成績を的確に評価して病態や病名を推定するとともに、検査の組み立て方を学ぶことである。実際の医療の場では総合的に判断するわけですが、ここでは検査結果の正しい解釈と次に実施すべき検査の組み立て方に至る思考過程を学ぶことにある。特に、臨床検査所見は客観性が最も高く、様々な臓器機能の変化を鋭敏に反映することが多いので検査成績の的確な評価は臨床的に必要不可欠である。

病理診断学 （病理部）

1．一般目標

臨床医として病理診断を理解するために，最低限，必要な知識、技能、態度を身につける。

2．行動目標

【1】病理診断に必要な知識

1） 検体を採取および処理する際に注意すべき事項を理解できる。

2） 基本的な病理組織標本の作製過程を理解できる。

3） 凍結標本とパラフィン標本の違いを理解できる。

4） 免疫染色を含む特殊染色の原理を理解し、結果を評価できる。

5） 病理診断に必要な臨床的事項を的確に判断し、病理診断との関連性を理解できる。

【2】修得すべき技能

1) 病理解剖において、肉眼及び組織所見を理解し、病理解剖要約を作成できる。

2) 基本的な病理組織標本（凍結およびパラフィン標本）の作成（切出しから標本作製まで）を実施できる。

【3】求められる態度

1) 剖検症例CPC、small-group 剖検症例CPC、臨床症例CPCに積極的に参加する。

2) 生検診断、剖検およびCPCなどに際して患者や遺族に対する配慮ができる。

3) 病理業務において、臨床医と適切に対応できる。

4) 病理業務に関してコメディカルと協調できる。

2． アドバンストコース

【1】必要な知識

［A］病理診断に必要な知識

1）　電子顕徹鏡標本の作製過程を理解し、結果を評価できる。

2）　遺伝子異常の検索の原理を理解し、結果を評価できる。

3）　病理診断に対してコンサルテーションの必要性を理解できる。

［B］病理業務に携わる上で必要な知識

1）　病理診断の精度管理について理解できる。

2）　病理業務に関するリスクマネージメントを理解できる。

3）　病理業務の資料を管理し、保存できる。

4）　病理業務で得られた人体材料を研究に用いる際の手続きを理解できる。

【2】修得すべき技能

1）　病理解剖を執刀し、肉眼及び組織所見を述べ、病理解剖報告書を作成できる。

2）　臓器・組織から得られた生検、手術及び細胞診材料を診断し、報告書を作成できる。

3）　迅速病理診断において良悪性の判定をし、適切な報告ができる。

4）　CPCや臨床とのカンフアレンスにおいて、病理所見を的確に説明できる。

5）　病理業務におけるバイオハザード対策を実行できる。

【3】求められる態度

1）　学生に対する病理の指導ができる。

2）　学会、研修会、セミナーに積極的に参加する。

3）　病理業務の社会的貢献を理解し、積極的に関与する。

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別添4 臨床研修の行動目標

研修理念

医師としての人格を涵養し，将来の専門性にかかわらず，医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ，日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう，プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度，技能，知識)を身につける

�T　行動目標

A 医療人として必要な基本姿勢･態度

(1) 患者―医師関係

患者を全人的に理解し，患者・家族と良好な人間関係を確立するために，

1) 患者，家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。

2) 医師，患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームドコンセントが実施できる。

3) 守秘義務を果たし，プライバシーへの配慮ができる。

(2)チーム医療

医療チームの構成員としての役割を理解し，保健・医療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと協調するために，

1) 指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。

2) 上級および同僚医師，他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。

3) 同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。

4) 患者の転入，転出にあたり情報を交換できる。

5) 関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。

(3)問題対応能力

患者の問題を把握し，問題対応型の思考を行い，生涯にわたる自己学習の習慣を身につけるために，

1) 臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し，当該患者への適応を判断できる(EBM=Evidence Based Medicineの実践ができる)。

2) 自己評価および第三者による評価をふまえた問題対応能力の改善ができる。

3) 臨床研究や治験の意義を理解し，研究や学会活動に関心を持つ。

4) 自己管理能力を身につけ，生涯にわたり基本的診療能力の向上に努める。

(4)安全管理

患者ならびに医療従事者にとって安全な医療を遂行し，安全管理の方策を身につけ，危機管理に参画するために，

1) 医療を行う際の安全確認の考え方を理解し，実施できる。

2) 医療事故防止及び事故後の対処について，マニュアルなどに沿って行動できる。

3) 院内感染対策(Standard Precautionsを含む)を理解し，実施できる。

(5)医療面接

患者・家族との信頼関係を構築し，診断・治療に必要な情報が得られるような医療面接を実施するために，

1) 医療面接におけるコミュニケーションのもつ意義を理解し，コミュニケーションスキルを身につけ，患者の解釈モデル，受診動機，受療行動を把握できる。

2) 患者の病歴(主訴，現病歴，既往歴，家族歴，生活・職業歴，系統的レビュー)の聴取と記録ができる。

3) インフォームドコンセントのもとに，患者・家族への適切な指示，指導ができる。

(6)症例呈示

チーム医療の実践と自己の臨床能力向上に不可欠な，症例呈示と意見交換を行うために，

1) 症例呈示と討論ができる。

2) 臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する。

(7)診療計画

保健・医療・福祉の各側面に配慮しつつ，診療計画を作成し，評価するために，

1) 診療計画(診断，治療，患者・家族への説明を含む)を作成できる。

2) 診療ガイドラインやクリニカルパスを理解し活用できる。

3) 入退院の適応を判断できる(デイサージャリー症例を含む)。

4) QOL(Quality of Life)を考慮にいれた総合的な管理計画(リハビリテーション，社会復帰，在宅医療，介護を含む)へ参画する。

(8)医療の社会性

医療の持つ社会的側面の重要性を理解し，社会に貢献するために，

1) 保健医療法規・制度を理解し，適切に行動できる。

2) 医療保険，公費負担医療を理解し，適切に診療できる。

3) 医の倫理，生命倫理について理解し，適切に行動できる。

B 基本的な診療技能

(1)基本的な身体診察法

病態の正確な把握ができるよう，全身にわたる身体診察を系統的に実施し，記載するために，

1) 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握，皮膚や表在リンパ節の診察を含む)ができ，記載できる。

2) 頭頸部の診察(眼瞼・結膜，眼底，外耳道，鼻腔ロ腔，咽頭の観察，甲状腺の触診を含む)ができ，記載できる。

3) 胸部の診察ができ，記載できる。

4) 腹部の診察ができ，記載できる。

5) 骨盤内診察ができ，記載できる。

6) 泌尿・生殖器の診察ができ，記載できる。

7) 骨・関節・筋肉系の診察ができ，記載できる。

8) 神経学的診察ができ，記載できる。

9) 小児の診察(生理的所見と病的所見の鑑別を含む)ができ，記載できる。

10) 精神面の診察ができ，記載できる。

(2)基本的な検査手技

病態と臨床経過を把握し，医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査の適応を判断し，施行し，診療に活用するために，　

1) 一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)の適応を判断し，結果を解釈できる。　

2) 便検査(潜血，虫卵) の適応を判断し，結果を解釈できる。

3) 血算・白血球分画の適応を判断し，結果を解釈できる。

4) 血液型判定・交差適合試験を自ら実施し，結果を解釈できる。

5) 心電図(12誘導)，負荷心電図を自ら実施し，結果を解釈できる。

6) 動脈血ガス分析の適応を判断し，結果を解釈できる。

7) 血液生化学的検査・簡易検査(血糖，電解質，尿素窒素など)の適応を判断し，結果を解釈できる。

8) 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査，アレルギー検査を含む)の適応を判断し，結果を解釈できる。

9) 細菌学的検査・薬剤感受性検査・検体の採取(痰，尿，血液など)・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)の適応を判断し，結果を解釈できる。

10) 肺機能検査・スパイロメトリーの適応を判断し，結果を解釈できる。

11) 髄液検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

12) 細胞診・病理組織検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

13) 内視鏡検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

14) 超音波検査を自ら実施し，結果を解釈できる。

15) 単純X線検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

16) 造影X線検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

17) X線CT検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

18) MRI検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

19) 核医学検査の適応を判断し，結果を解釈できる。

20) 神経生理学的検査(脳波・筋電図など)の適応を判断し，結果を解釈できる。

(3)基本的な診療手技

基本的手技の適応を決定し，実施するために，以下のことができる。

1) 気道確保を実施できる

2) 人工呼吸を実施できる。(バッグマスクによる徒手換気を含む)

3) 心マッサージを実施できる。

4) 圧迫止血法を実施できる。

5) 包帯法を実施できる。

6) 注射法(皮内，皮下，筋肉，点滴，静脈確保，中心静脈確保)を実施できる。

7) 採血法(静脈血，動脈血)を実施できる。

8) 穿刺法(腰椎，胸腔，腹腔)を実施できる。

9) 導尿法を実施できる。

10) ドレーン・チューブ類の管理ができる。

11) 胃管の挿入と管理ができる。

12) 局所麻酔法を実施できる。

13) 創部消毒とガーゼ交換を実施できる。

14) 簡単な切開・排膿を実施できる。

15) 皮膚縫合法を実施できる。

16) 軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。

17) 気管挿管を実施できる。

18) 除細動を実施できる。

(4)基本的な治療手技

基本的治療法の適応を決定し，適切に実施するために，

1) 療養指導(安静度，体位，食事，入浴，排泄，環境整備を含む)ができる。

2) 薬物の作用，副作用，相互作用について理解し，薬物治療(抗菌薬，副腎皮質ステロイド薬，解熱薬，麻薬を含む)ができる。

3) 輸液ができる。

4) 輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し，輸血が実施できる。

(5)医療記録

チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切に作成し，管理するために，

1) 診療録(退院時サマリーを含む)をPOS(Problem Oriented System)に従って記載し

2) 管理できる。

3) 処方箋，指示箋を作成し，管理できる。

4) 診断書，死亡診断書(死体検案書を含む)，その他の証明書を作成し，管理できる。

5) CPC(臨床病理カンファランス)レポートを作成し，症例呈示できる。

6) 紹介状と，紹介状への返信を作成でき，それを管理できる。

C　特定の医療現場におけるプライマリ・ケア能力

(1)救急医療

生命や機能的予後に係わる，緊急を要する病態や疾病，外傷に対して適切な対応をするために，

1) バイタルサインの把握ができる。

2) 重症度および緊急度の把握ができる。

3) ショックの診断と治療ができる。

4) 二次救命処置(ACLS＝Advanced Cardiovascular Life Support，呼吸・循環管理を含む)ができ，一次救命処置(BLS=Basic Life Support)を指導できる。

ACLSは，バッグ・バルブ・マスク等を使う心肺蘇生法や除細動，気管挿管，薬剤投与等の一定のガイドラインに基づく救命処置を含み，BLSは，気道確保，心臓マッサージ，人工呼吸等の，機器を使用しない処置を含む。

5) 頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。

6) 専門医への適切なコンサルテーションができる。

7) 大災害時の救急医療体制を理解し，自己の役割を把握できる。

(2)予防医療

予防医療の理念を理解し，地域や臨床の場での実践に参画するために，

1) 食事・運動・禁煙指導とストレスマネージメントができる。

2) 性感染症予防，家族計画指導に参画できる。

3) 地域・職場・学校検診に参画できる。

4) 予防接種に参画できる。

4)

(3)地域保健・医療

地域保健・医療を必要とする患者とその家族に対して，全人的に対応するために，

1) 保健所の役割(地域保健・健康増進への理解を含む)について理解し，実践する。

2) 社会福祉施設等の役割について理解し，実践する。

3) 診療所の役割(病診連携への理解を含む)について理解し，実践する。

4) へき地・離島医療について理解し，実践する。

(4)小児・成育医療

小児・成育医療を必要とする患者とその家族に対して，全人的に対応するために，

1) 周産期や小児の各発達段階に応じて適切な医療が提供できる。

2) 周産期や小児の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。

3) 虐待について説明できる。

4) 学校，家庭，職場環境に配慮し，地域との連携に参画できる。

5) 母子健康手帳を理解し活用できる。

(5)精神保健・医療

精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して，全人的に対応するために，

1) 精神症状の捉え方の基本を身につける。

2) 精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。

3) デイケアなどの社会復帰や地域支援体制を理解する。

(6)緩和・終末期医療

緩和・終末期医療を必要とする患者とその家族に対して，全人的に対応するために，

1) 心理社会的側面への配慮ができる。

2) 緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む)に参加できる。

3) 告知をめぐる諸問題への配慮ができる。

4) 死生観・宗教観などへの配慮ができる。

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別添5 臨床研修の経験目標

�U　経験目標

A 経験すべき検査・手技

(1)基本的な臨床検査

Ａ・・・・自ら実施し，結果を解釈

その他・・検査の適応を判断し，結果を解釈

Ａ1) 血液型判定・交差適合試験

Ａ2) 負荷心電図

3) 動脈血ガス分析

4) 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査，アレルギー検査を含む)

5) 細菌学的検査・薬剤感受性検査・検体の採取(痰，尿，血液など)・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)

6) 肺機能検査・スパイロメトリー

7) 髄液検査

8) 細胞診・病理組織検査

9) 内視鏡検査

Ａ10)超音波検査

11)造影X線検査

12)X線CT検査

13)MRI検査

14)核医学検査

15)神経生理学的検査(脳波・筋電図など)

必修項目 下線の検査について経験があること

*｢経験｣とは受け持ち患者の検査として診療に活用すること

Ａの検査で自ら実施する部分については，受け持ち症例でなくてもよい

(2)基本的手技

1) 気道確保

2) 人工呼吸(バッグマスクによる徒手換気を含む)

3) 心マッサージ

4) 圧迫止血法

5) 包帯法

6) 動脈採血

8) 穿刺法(腰椎，胸腔，腹腔)

9) 導尿法

10)ドレーン・チューブ類の管理

11)胃管の挿入と管理

12)局所麻酔法

13)創部消毒とガーゼ交換

14)簡単な切開・排膿

15)皮膚縫合法

16)軽度の外傷・熱傷の処置

17)気管挿管

18)除細動

必修項目　下線の手技を自ら行った経験があること

(3)基本的治療法

1) 療養指導(安静度，体位，食事，入浴，排泄，環境整備を含む)

2) 輸液

3) 輸血(成分輸血を含む)

(4)医療記録

1) POS(Problem Oriented System)に従った診療録(退院時サマリーを含む)の作成･管理

2) 処方箋，指示箋の作成･管理

3) 診断書，死亡診断書(死体検案書を含む)，その他の証明書の作成･管理

4) CPC(臨床病理カンファランス)レポートの作成と症例呈示

5) 紹介状と，紹介状への返信の作成･管理

必修項目 下記1)〜6)を自ら行った経験があること

1) 診療録の作成

2) 処方箋・指示書の作成

3) 診断書の作成

4) 死亡診断書の作成

5) CPCレポート(剖検報告)の作成，症例呈示

6) 紹介状，返信の作成

B経験すべき症状・病態・疾患

1　頻度の高い症状

必修項目　下線の症状を経験し，レポートを提出する。

*「経験」とは，自ら診療し，鑑別診断を行うこと

1) 全身倦怠感

2) 不眠

3) 食欲不振

4) 体重減少，体重増加

5) 浮腫

6) リンパ節腫脹

7) 発疹

8) 黄疸

9) 発熱

10)頭痛

11)めまい

12)失神

13)けいれん発作

14)視力障害，視野狭窄

15)結膜の充血

16)聴覚障害

17)鼻出血

18)嗅声

19)胸痛

20)動悸

21)呼吸困難

22)咳・痰

23)嘔気・嘔吐

24)胸やけ

25)嚥下困難

26)腹痛

27)便通異常(下痢，便秘)

28)腰痛

29)関節痛

30)歩行障害

31)四肢のしびれ

32)血尿

33)排尿障害(尿失禁・排尿困難)

34)尿量異常

35)不安・抑うつ

2　緊急を要する症状・病態

必修項目　下線の病態を経験すること

*「経験」とは，初期治療に参加すること

1) 心肺停止

2) ショック

3) 意識障害

4) 脳血管障害

5) 急性呼吸不全

6) 急性心不全

7) 急性冠症候群

8) 急性腹症

9) 急性消化管出血

10)急性腎不全

11)流・早産および満期産

12)急性感染症

13)外傷

14)急性中毒

15)誤飲，誤嚥

16)熱傷

17)精神科領域の救急

3　経験が求められる疾患・病態

必修項目

1. Ａ疾患については入院患者を受け持ち，診断，検査，治療方針について症例レポートを提出すること

2. Ｂ疾患については，外来診療または受け持ち入院患者(合併症含む)で自ら経験すること

3. 外科症例(手術を含む)を1例以上受け持ち，診断，検査，術後管理等について症例レポートを提出すること

※全疾患(88項目)のうち70%以上を経験することが望ましい

1) 血液・造血器・リンパ網内系疾患

Ｂ�@貧血(鉄欠乏貧血二次性貧血)

�A白血病

�B悪性リンパ腫

�C出血傾向・紫斑病(播種性血管内凝固症候群:DIC)

2) 神経系疾患

Ａ�@脳・脊髄血管障害(脳梗塞，脳内出血，くも膜下出血)

�A痴呆性疾患

�B脳・脊髄外傷(頭部外傷，急性硬膜外・硬膜下血腫

�C変性疾患(パーキンソン病)

�D脳炎・髄膜炎

3) 皮膚系疾患

Ｂ�@湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎，アトピー性皮膚炎)

Ｂ�A蕁麻疹

�B薬疹

Ｂ�C皮膚感染症

4) 運動器(筋骨格)系疾患

Ｂ�@骨折

Ｂ�A関節の脱臼，亜脱臼，捻挫，靱帯損傷

Ｂ�B骨粗鬆症

Ｂ�C脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア)

5) 循環器系疾患

Ａ�@心不全

Ｂ�A狭心症，心筋梗塞

�B心筋症

Ｂ�C不整脈(主要な頻脈性，徐脈性不整脈)

�D弁膜症(僧帽弁膜症，大動脈弁膜症)

Ｂ�E動脈疾患(動脈硬化症，大動脈瘤)

�F静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症，下肢静脈瘤，リンパ浮腫)

Ａ�G高血圧症(本態性，二次性高血圧症)

6) 呼吸器系疾患

Ｂ�@呼吸不全

Ａ�A呼吸器感染症(急性上気道炎，気管支炎，肺炎)

Ｂ�B閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息，気管支拡張症)

�C肺循環障害(肺塞栓・肺梗塞)

�D異常呼吸(過換気症候群)

�E胸膜，縦隔，横隔膜疾患(自然気胸，胸膜炎)

�F肺癌

7) 消化器系疾患

Ａ�@食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤，胃癌，消化性潰瘍，胃・十二指腸炎)

Ｂ�A小腸・大腸疾患(イレウス，急性虫垂炎，痔核・痔瘻)

�B胆嚢・胆管疾患(胆石，胆嚢炎，胆管炎)

Ｂ�C肝疾患(ウイルス性肝炎，急性・慢性肝炎，肝硬変，肝癌，

アルコール性肝障害，薬物性肝障害)

�D膵臓疾患(急性・慢性膵炎)

Ｂ�E横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎，急性腹症，ヘルニア)

8) 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)疾患

Ａ�@腎不全(急性・慢性腎不全，透析)

�A原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群，ネフローゼ症候群)

�B全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症)

Ｂ�C泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石，尿路感染症)

9) 妊娠分娩と生殖器疾患

Ｂ�@妊娠分娩(正常妊娠，流産，早産，正常分娩，産科出血乳腺炎，産褥)

�A女性生殖器およびその関連疾患(無月経，思春期・更年期障害，

外陰・膣・骨盤内感染症，骨盤内腫瘍，乳腺腫瘍)

Ｂ�B男性生殖器疾患(前立腺疾患，勃起障害，精巣腫瘍)

10)内分泌・栄養・代謝系疾患

�@視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害)

�A甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症，甲状腺機能低下症)

�B副腎不全

Ａ�C糖尿病異常(糖尿病，糖尿病の合併症，低血糖)

Ｂ�D高脂血症

�E蛋白および核酸代謝異常(高尿酸血症)

11)眼・視覚系疾患

Ｂ�@屈折異常(近視，遠視，乱視)

Ｂ�A角結膜炎

Ｂ�B白内障

Ｂ�C緑内障

�D糖尿病，高血圧・動脈硬化による眼底変化

12)耳鼻・咽喉・ロ腔系疾患

Ｂ�@中耳炎

�A急性・慢性副鼻腔炎

Ｂ�Bアレルギー性鼻炎

�C扁桃の急性・慢性炎症性疾患

�D外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物

13)精神・神経系疾患

�@症状精神病

Ａ�A痴呆(血管性痴呆を含む)

�Bアルコール依存症

Ａ�Cうつ病

Ａ�D統合失調症(精神分裂病)

�E不安障害(パニック症候群)

Ｂ�F身体表現性障害，ストレス関連障害

14)感染症

Ｂ�@ウイルス感染症(インフルエンザ，麻疹，風疹，水痘，ヘルペス，

流行性耳下腺炎)

Ｂ�A細菌感染症(ブドウ球菌，MRSA，A群レンサ球菌，クラミジア)

Ｂ�B結核

�C真菌感染症(カンジダ症)

�D性感染症

�E寄生虫疾患

15)免疫・アレルギー疾患

�@全身性エリテマトーデスとその合併症

Ｂ�A慢性関節リュウマチ

Ｂ�Bアレルギー疾患

16)物理・化学的因子による疾患

�@中毒(アルコール，薬物)

�Aアナフィラキシー

�B環境要因による疾患(熱中症，寒冷による障害)

Ｂ�C熱傷

17)小児疾患

Ｂ�@小児けいれん性疾患

Ｂ�A小児ウイルス感染症(麻疹，流行性耳下腺炎，水痘，突発性発疹，インフルエンザ)

�B小児細菌感染症

Ｂ�C小児喘息

�D先天性心疾患

18)加齢と老化

Ｂ�@高齢者の栄養摂取障害

Ｂ�A老年症候群(誤嚥，転倒，失禁，褥瘡)

C　特定の医療現場の経験

必修項目にある現場の経験とは，各現場における到達目標の項目のうち一つ以上経験すること。

(1)救急医療

必修項目　救急医療の現場を経験すること

(2)予防医療

必修項目　予防医療の現場を経験すること

(3)地域保健・医療

必修項目　保健所，診療所，社会福祉施設，介護老人保健施設，へき地・離島診療所等の地域保健・医療の現場を経験すること

(4)小児・成育医療

必修項目　小児・成育医療の現場を経験すること

(5)精神保健・医療

必修項目　保健福祉センター，精神病院等の精神保健・医療の現場を経験

すること

(6)緩和・終末期医療

必修項目　臨終の立ち会いを経験すること

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