平成20年度名古屋市立大学病院臨床研修プログラムの概要
大学病院での2年研修(協力型研修病院での部分的なローテート研修を含む)を基盤とする大学病院基盤研修プログラムと,協力型研修病院とのたすきがけ研修による連携研修プログラムがあります。
1.
大学病院基盤研修プログラム
大学病院研修を基盤に,個人の将来ビジョンに合わせて一般病院での短期ローテート研修を柔軟に組み入れることのできる研修プログラムです。基本診療能力とともに,研究,指導,管理能力などの専門職としての医師に求められる能力をバランス良く研修します。
2. 一般病院との連携研修プログラム
大学病院と一般病院の各々のメリットを生かし,それぞれ1年間ずつ研修します。連携する一般病院のタイプと,一般病院研修を1年目とするか2年目とするかによって,4種類のプログラムがあります。
1)
中規模病院連携研修プログラム
最近,研修医からの評価が高い中規模の一般病院との連携研修プログラムです。診療科間の垣根が低い中規模病院のメリットを活かして,一般疾患に対する総合的な診療能力を中心に,指導医や他のスタッフとの人間的なふれ合いを通して中身の濃い研修が可能です。
2)
大型病院連携研修プログラム
臨床研修で高い実績のある規模の比較的大きな一般病院との連携研修プログラムです。救急をはじめとする豊富な症例数と指導体制により,全ての診療分野を広く経験できるとともに,各病院の特色ある専門分野を選択研修することが可能です。
プログラム名 |
1年目 |
2年目 |
定員 |
|
大学病院基盤研修 |
Program 1 03041301 |
大学病院* |
大学病院* |
8名 |
中規模病院連携研修A |
Program 2 03041302 |
大学病院 |
協力型病院 (中規模病院群) |
10名 |
中規模病院連携研修B |
Program 3 03041303 |
協力型病院 (中規模病院群) |
大学病院* |
12名 |
大型病院連携研修A |
Program 4 03041304 |
大学病院 |
協力型病院 (大型病院群) |
15名 |
大型病院連携研修B |
Program 5 03041305 |
協力型病院 (大型病院群) |
大学病院* |
17名 |
* 協力型病院での短期研修を含みます
II.
各プログラムの研修科目 表2
1. 大学病院基盤研修プログラム (Program
1)
1年次の9か月間は内科,外科,麻酔・救急を研修,残りの3か月間は一般病院短期研修を含む選択科目を研修します。2年次は小児科,精神科,産婦人科,地域・保健医療を各1か月以上,1年次の内科研修が6か月未満の場合は合計が6か月以上になるように内科を研修します。残りの期間は一般病院短期研修を含む選択科目を研修します。
2.
連携研修プログラムA
(Programs 2 and 4)
1年次は大学病院で10か月間,内科,外科,麻酔・救急,小児科を研修,残りの2か月間は連携する協力型研修病院ごとに指定する科目を研修します。2年次は協力型研修病院で,1年次の内科研修が6か月未満の人は合計が6か月以上になるように研修し,精神科,産婦人科,地域・保健医療より1年次の研修科目に応じて指定する科目を研修します。指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修します。
3.
連携研修プログラムB
(Programs 3 and 5)
1年次は協力型研修病院で6か月間,内科,外科を研修,残りの6か月間は協力型研修病院ごとに指定する科目を研修します。指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修します。2年次は大学病院で精神科,産婦人科,地域・保健医療を各1か月上研修します。また,1年次の内科研修が6か月未満の人は合計が6か月以上になるように内科を,また1年次の研修科目に応じて指定する科目を研修し,指定科目が無い残りの期間は選択科目を研修します。
III.
各プログラムの協力型研修病院とその定員 表3,表4
1)
連携研修プログラム (Programs 2-5)の各協力型研修病院の定員は表3の通りです。
研修を行う病院はマッチング後に,プログラム毎のマッチ者の希望に添って決定します。希望者が協力型研修病院の定員を越えるときは,採用試験の成績,将来の希望専攻領域のバランスなどを考慮して調整します。
2)
一般病院短期研修(選択)を行う協力型研修病院は表4の通りです。
IV. コア診療研修 (一般内科総合診療研修)
1) 名古屋市立大学病院では,H19年度から一般内科疾患を中心とする総合診療研修をはじめました。1年次の6か月間の内科ローテート中で研修を行い,2年次の研修医は選択科目として研修できます。
2) コア診療グループは,研修専任指導医と研修医1-2名からなるチームで構成され,5-6チームが昼夜2交代制で診療にあたります。同一チームの指導医と研修医は同一の勤務スケジュールで活動するために,研修医にとっては指導医や上級医が常に近くにいて相談することができ,また指導医と研修医は共に,仕事と休息の区切りが明確でonとoffのはっきりした生活ができます。
3) 毎日,朝晩の引き継ぎ時にモーニングレポートとイブニングレポート,およびチーム回診を行います。そこでプレゼンテーションの能力が身につきます。また,毎週水曜日にはコア診療グループ全員が顔を合わせ,症例カンファレンスを行う他,様々な企画を行います。
4) コア診療グループの診療内容は,総合診療病棟の入院診療,時間外,夜間,休日のwalk-in症例の救急診療です。研修医は救急外来における初診の診察から,入院診療,退院後の外来まで1連の診療を担当することができます。
5) この研修では,実践的な診療能力の習得だけでなく,指導医との人格的な交流の中で,プロフェッショナルとしての医師の考え方,人生感,将来ビジョンを身につける機会になります。
|
|
電子カルテによるモーニングレポート |
チーム回診 |
V. 研修評価
以下の特徴を備えたポートフォリオによる研修評価を行います。
1) 研修修了要件の達成状況が分かりやすい
2) 臨床技能についてのライセンス制度の活用
3) 指導医評価,自己評価,他の医療スタッフによる評価などの多元的評価
VI.
処遇の改善
平成19年度から新たに以下の手当が加わります (大学病院研修中)
1) 夜間・休日等診療手当の支給 10,000円×回数
(コア診療研修中は2交替制のため7回/月,その他4回/月 程度)
2) 住居手当に相当する次の額を給料に上乗せして支給 12,000/月
3) 大学病院研修中の医師賠償責任保険料の支給
40,000円/年