センター主催講演会

「マウスモデルを用いたフラビウイルス感染に対する宿主側免疫防御機構の解明」

パスツール研究所・哺乳動物遺伝学 研究員 真下 知士 先生

[講演要旨]フラビウイルスは蚊やダニを媒介して人や哺乳動物に感染する一本鎖RNAウイルスである。このウイルスを実験マウス系統に感染させると数日後に脳炎を発症して死亡するのに対し、野生由来マウス系統に感染させても死亡しない。
我々はポジショナルクローニング法により、このウイルス抵抗性を支配する遺伝子として2'-5'-oligoadenylate synthetase (2'-5'-OAS) を同定した。大規模ゲノムシークエンスおよびコンピュータプログラムを用いた詳細なゲノム構造解析は、マウスでは少なくとも10個の2'-5'OAS遺伝子がクラスターとして存在することを示した。
個々の遺伝子の発現解析および遺伝子由来ミュータジェネシス法を用いた遺伝子機能解析についても報告する。